2023/03/21(火) - 09:30
新城幸也の今シーズン初戦であるボルタ・ア・カタルーニャが開幕。初日は緩斜面の集団スプリントに持ち込まれ、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を振り切ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が勝利した。
スペイン北東部に位置するカタルーニャ地方を7日間かけて巡るボルタ・ア・カタルーニャ(UCI.ワールドツアー)が開幕した。新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も出場する大会の初日はサン・フェリウ・デ・ギホルスを発着点とし、周りの丘陵地帯を巡る164.6km。コースには3級、2級山岳が等間隔に設定され、フィニッシュ手前1kmからは緩やかな登り基調のため、逃げ切りと集団スプリントの両方が可能なレイアウトとなっている。
スタート地点に集まったのは18のワールドチームと7のプロチーム。体調不良で直前に不出場となったルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を除く176名がスタートを切り、序盤からオスカー・オンレー(イギリス、チームDSM)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)ら強力な5名の逃げグループを形成した。
それを追うメイン集団はコフィディスやアルペシン・ドゥクーニンクが牽引を担い、レース中盤を過ぎるとプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を擁するユンボ・ヴィスマが先頭でペースメイクに当たる。また逃げに乗った選手たちによる山岳ポイントは3名による争いをイェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH)が制し、山岳賞ジャージを射止めている。
最大4分のリードを得た逃げ集団だったが、3級山岳ガンガ峠(残り58km地点)を前にそのリードは1分差まで縮小。すると逃げに選手を送ることができなかったエウスカルテル・エウスカディの2人がプロトンから飛び出し、合流を試みるも失敗に終わる。そして逃げ集団も、サン・フェリウ・デ・ギホルス市街地に戻ってきた残り6kmで吸収された。
スーダル・クイックステップがプロトンのペースアップを実施し、位置取りで緊張感の高まる集団前方で落車が発生する。それにより総合優勝候補の一人アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)やマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ)が巻き込まれ、ダリオ・カタルド(イタリア、トレック・セガフレード)は左大腿骨頭や右寛骨臼、肋骨、左鎖骨など複数箇所を骨折。その後チームはイタリア・ジローナの病院で手術が行われる予定だと発表した。
ユンボ・ヴィスマの牽引で残り1km地点を通過したプロトンは、ログリッチやレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)ら総合系はもちろんイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)らパンチャーも集団前方に位置を取る。そして残り250mでアシストのクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が役割を終えると、ビッグギヤを踏むログリッチが腰を上げた。
先頭に出たログリッチに対し、イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のアシストからエヴェネプールも加速。しかし一糸乱れぬ華麗なダンシングで踏み続けるログリッチに対しアルカンシエルの追い込みは届かず、ログリッチが初日勝者に輝いた。
「僕はスプリンターではないが、このような(緩斜面の)スプリントならば勝てると思っていた。何より今日は脚の調子が良かった。もちろんスプリントで勝つには運も必要だし、何よりもチームメイトが素晴らしい走りを見せてくれた。しかしレースはまだ始まったばかり。バルセロナに至るまでレースがどうなるか分からない」と早速リーダージャージに袖を通したログリッチは喜ぶ。
一方、惜しくも敗れたエヴェネプールは「ログリッチとした初めてのスプリント。僕らのスピードはほぼ同じだったが、それまでの位置取りに失敗した。言い訳するのは簡単だが、彼の背後についていれば僕が勝っていただろう」と悔しさを口にした。
翌日は早くも超級山岳バルテルを上り詰めるクイーンステージ。全長17.7kmで平均勾配6.1%(最大13%)の頂上は2,135mで、今年のワールドツアーに登場するステージレースで最も標高の高いフィニッシュ地点だ。カタルーニャ一周レースは2日目にして早くも総合優勝の行方を左右する戦いが勃発する。
スペイン北東部に位置するカタルーニャ地方を7日間かけて巡るボルタ・ア・カタルーニャ(UCI.ワールドツアー)が開幕した。新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も出場する大会の初日はサン・フェリウ・デ・ギホルスを発着点とし、周りの丘陵地帯を巡る164.6km。コースには3級、2級山岳が等間隔に設定され、フィニッシュ手前1kmからは緩やかな登り基調のため、逃げ切りと集団スプリントの両方が可能なレイアウトとなっている。
スタート地点に集まったのは18のワールドチームと7のプロチーム。体調不良で直前に不出場となったルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を除く176名がスタートを切り、序盤からオスカー・オンレー(イギリス、チームDSM)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)ら強力な5名の逃げグループを形成した。
それを追うメイン集団はコフィディスやアルペシン・ドゥクーニンクが牽引を担い、レース中盤を過ぎるとプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を擁するユンボ・ヴィスマが先頭でペースメイクに当たる。また逃げに乗った選手たちによる山岳ポイントは3名による争いをイェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH)が制し、山岳賞ジャージを射止めている。
最大4分のリードを得た逃げ集団だったが、3級山岳ガンガ峠(残り58km地点)を前にそのリードは1分差まで縮小。すると逃げに選手を送ることができなかったエウスカルテル・エウスカディの2人がプロトンから飛び出し、合流を試みるも失敗に終わる。そして逃げ集団も、サン・フェリウ・デ・ギホルス市街地に戻ってきた残り6kmで吸収された。
スーダル・クイックステップがプロトンのペースアップを実施し、位置取りで緊張感の高まる集団前方で落車が発生する。それにより総合優勝候補の一人アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)やマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマFDJ)が巻き込まれ、ダリオ・カタルド(イタリア、トレック・セガフレード)は左大腿骨頭や右寛骨臼、肋骨、左鎖骨など複数箇所を骨折。その後チームはイタリア・ジローナの病院で手術が行われる予定だと発表した。
ユンボ・ヴィスマの牽引で残り1km地点を通過したプロトンは、ログリッチやレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)ら総合系はもちろんイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)らパンチャーも集団前方に位置を取る。そして残り250mでアシストのクーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が役割を終えると、ビッグギヤを踏むログリッチが腰を上げた。
先頭に出たログリッチに対し、イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のアシストからエヴェネプールも加速。しかし一糸乱れぬ華麗なダンシングで踏み続けるログリッチに対しアルカンシエルの追い込みは届かず、ログリッチが初日勝者に輝いた。
「僕はスプリンターではないが、このような(緩斜面の)スプリントならば勝てると思っていた。何より今日は脚の調子が良かった。もちろんスプリントで勝つには運も必要だし、何よりもチームメイトが素晴らしい走りを見せてくれた。しかしレースはまだ始まったばかり。バルセロナに至るまでレースがどうなるか分からない」と早速リーダージャージに袖を通したログリッチは喜ぶ。
一方、惜しくも敗れたエヴェネプールは「ログリッチとした初めてのスプリント。僕らのスピードはほぼ同じだったが、それまでの位置取りに失敗した。言い訳するのは簡単だが、彼の背後についていれば僕が勝っていただろう」と悔しさを口にした。
翌日は早くも超級山岳バルテルを上り詰めるクイーンステージ。全長17.7kmで平均勾配6.1%(最大13%)の頂上は2,135mで、今年のワールドツアーに登場するステージレースで最も標高の高いフィニッシュ地点だ。カタルーニャ一周レースは2日目にして早くも総合優勝の行方を左右する戦いが勃発する。
ボルタ・ア・カタルーニャ2023第1ステージ
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 3:48:17 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
6位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) | |
8位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
9位 | ミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
10位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 3:48:07 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:04 |
3位 | イーデ・スヘリング(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:06 |
4位 | マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー) | +0:10 |
5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
6位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) | |
8位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
9位 | ミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
10位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | イェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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