2023/03/05(日) - 12:45
ストラーデビアンケ・ドンネを再びSDワークスが制圧。デミ・フォレリング(オランダ)がチームメイトであるロッタ・コペッキー(ベルギー)をスプリントで下し、自身初優勝とチームに2連覇をもたらした。
3月4日、トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が優勝した男子レースに先立ち行われたストラーデビアンケ・ドンネ。136kmのコースは男子レースのセクター5と6を短縮したバージョンだが、それ以外の合計8つのセクターやサンタカテリーナ通りの石畳坂はそのまま。7%の傾斜を下った先にあるカンポ広場で第9代の優勝者が決定する。
午前9時30分に世界遺産の街シエナをスタートしたレースは序盤に4名の逃げグループが形成されたものの、すぐさまメイン集団に吸収。ひと塊のまま序盤、中盤を進んだプロトンから残り47kmでカーリーン・スウィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が抜け出し、ようやくレースが動き出した。
しばらくしてクリステン・フォークナー(アメリカ、ジェイコ・アルウラー)が合流し、2名になった逃げグループは一気に1分半リードを稼ぐ。後方ではアタックと吸収が繰り返され、2連覇を狙うロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)やこれが現役最後のストラーデビアンケとなったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)らプロトンが追走した。
セクター6「モンテ・アペルティ(全長0.8km)」を前にフォークナーがスウィンケルスを引き離して独走に持ち込む。昨年のジロ・デ・イタリア・ドンネでも独走から勝利を飾ったフォークナーのスピードは、単独になって落ちるどころか1分46秒まで拡げてセクター7「コッレ・ピンツート(全長2.4km)」に突入した。
後方ではシクロクロスのオランダ王者かつ、世界選手権2位のプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がロードレース2戦目とは思えない積極的なアタックを披露。しかしこの動きは決め手に欠き、アルカンシエルを纏うファンフルーテンがシッティングで加速するとコペッキーら6名以外をふるい落とした。
フォークナーを1分差で追う先鋭集団からデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が飛び出し、逃げ出した馬と並走するシーンも。そして最後の未舗装路セクターであるレ・トルフェ(全長1.1km)の登りでコペッキーがフォレリングに合流し、この動きにシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ)やファンフルーテン、ドイツ王者リアヌ・リッパート(モビスター)が遅れを喫した。
SDワークスのフォレリングとコペッキーはローテーションを回しながらフォークナーを視界に捉えると、最大勾配16%のサンタカテリーナ通りの石畳坂で吸収。フォークナーがフォレリングの進路を塞ぐようにコース右側へ追いやる隙に、コペッキーが逆側から先頭へ。しかし脚の残し具合で上回るフォレリングがフォークナーをかわしコペッキーの背後についた。
2人が頂上に到着し、残すはカンポ広場7フィニッシュラインまで続く勾配7%のダウンヒル。フォレリングがコペッキーの2連覇を差し出す、あるいはコペッキーがフォレリングに初制覇を譲ると思われたワンツーフィニッシュの行方は、チームメイト2人によるスプリントバドルへ。そしてハンドルを投げ合う接戦を、写真判定の結果フォレリングが勝利した。
オランダのファンフルーテンやマリアンヌ・フォス(ユンボ・ヴィスマ)の後継者と期待される、フォレリングが掴んだ大きな勝利。「最後の最後まで興奮するレースとなった。ロッタ(コペッキー)と私はいつもやり合う仲で、常に限界を超えて戦い、お互いの力を認め合いっている。フィニッシュ直後はどちらが勝ったのかわからず複雑な感情もあったが、ロッタがすぐに”あなたの勝ち。おめでとう”と声を掛けてくれた。とても良いレースで私たちの間にネガティブな感情はない」とフォレリングは喜びと共に、コペッキーとの不和を一蹴した。
一方、2連覇を逃したコペッキーは「デミ(フォレリング)とはフィニッシュまで言葉を交わすことはなかった。しかし私たちはプロ選手で、お互い勝利を欲していた。だからフィニッシュまで争うことができてよかったと思ってる。何よりも大事なことは、SDワークスの勝利なのだからね」と語っている。
SDワークスの大会2連覇で締めくくられたストラーデビアンケ・ドンネは、フォークナーが3位に入り表彰台へ。またルドヴィグと共に2分1秒遅れでフィニッシュしたファンフルーテンは5位でクラシック2戦目を終えている。
3月4日、トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が優勝した男子レースに先立ち行われたストラーデビアンケ・ドンネ。136kmのコースは男子レースのセクター5と6を短縮したバージョンだが、それ以外の合計8つのセクターやサンタカテリーナ通りの石畳坂はそのまま。7%の傾斜を下った先にあるカンポ広場で第9代の優勝者が決定する。
午前9時30分に世界遺産の街シエナをスタートしたレースは序盤に4名の逃げグループが形成されたものの、すぐさまメイン集団に吸収。ひと塊のまま序盤、中盤を進んだプロトンから残り47kmでカーリーン・スウィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が抜け出し、ようやくレースが動き出した。
しばらくしてクリステン・フォークナー(アメリカ、ジェイコ・アルウラー)が合流し、2名になった逃げグループは一気に1分半リードを稼ぐ。後方ではアタックと吸収が繰り返され、2連覇を狙うロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)やこれが現役最後のストラーデビアンケとなったアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)らプロトンが追走した。
セクター6「モンテ・アペルティ(全長0.8km)」を前にフォークナーがスウィンケルスを引き離して独走に持ち込む。昨年のジロ・デ・イタリア・ドンネでも独走から勝利を飾ったフォークナーのスピードは、単独になって落ちるどころか1分46秒まで拡げてセクター7「コッレ・ピンツート(全長2.4km)」に突入した。
後方ではシクロクロスのオランダ王者かつ、世界選手権2位のプック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がロードレース2戦目とは思えない積極的なアタックを披露。しかしこの動きは決め手に欠き、アルカンシエルを纏うファンフルーテンがシッティングで加速するとコペッキーら6名以外をふるい落とした。
フォークナーを1分差で追う先鋭集団からデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が飛び出し、逃げ出した馬と並走するシーンも。そして最後の未舗装路セクターであるレ・トルフェ(全長1.1km)の登りでコペッキーがフォレリングに合流し、この動きにシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ)やファンフルーテン、ドイツ王者リアヌ・リッパート(モビスター)が遅れを喫した。
SDワークスのフォレリングとコペッキーはローテーションを回しながらフォークナーを視界に捉えると、最大勾配16%のサンタカテリーナ通りの石畳坂で吸収。フォークナーがフォレリングの進路を塞ぐようにコース右側へ追いやる隙に、コペッキーが逆側から先頭へ。しかし脚の残し具合で上回るフォレリングがフォークナーをかわしコペッキーの背後についた。
2人が頂上に到着し、残すはカンポ広場7フィニッシュラインまで続く勾配7%のダウンヒル。フォレリングがコペッキーの2連覇を差し出す、あるいはコペッキーがフォレリングに初制覇を譲ると思われたワンツーフィニッシュの行方は、チームメイト2人によるスプリントバドルへ。そしてハンドルを投げ合う接戦を、写真判定の結果フォレリングが勝利した。
オランダのファンフルーテンやマリアンヌ・フォス(ユンボ・ヴィスマ)の後継者と期待される、フォレリングが掴んだ大きな勝利。「最後の最後まで興奮するレースとなった。ロッタ(コペッキー)と私はいつもやり合う仲で、常に限界を超えて戦い、お互いの力を認め合いっている。フィニッシュ直後はどちらが勝ったのかわからず複雑な感情もあったが、ロッタがすぐに”あなたの勝ち。おめでとう”と声を掛けてくれた。とても良いレースで私たちの間にネガティブな感情はない」とフォレリングは喜びと共に、コペッキーとの不和を一蹴した。
一方、2連覇を逃したコペッキーは「デミ(フォレリング)とはフィニッシュまで言葉を交わすことはなかった。しかし私たちはプロ選手で、お互い勝利を欲していた。だからフィニッシュまで争うことができてよかったと思ってる。何よりも大事なことは、SDワークスの勝利なのだからね」と語っている。
SDワークスの大会2連覇で締めくくられたストラーデビアンケ・ドンネは、フォークナーが3位に入り表彰台へ。またルドヴィグと共に2分1秒遅れでフィニッシュしたファンフルーテンは5位でクラシック2戦目を終えている。
ストラーデビアンケ・ドンネ2023結果
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 3:50:35 |
2位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | |
3位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、ジェイコ・アルウラー) | +0:18 |
4位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) | +2:01 |
5位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | |
6位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +2:15 |
7位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +2:16 |
8位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | +2:27 |
9位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +2:36 |
10位 | ファイファー・ジョルジ(イギリス、チームDSM) | +2:39 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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