無数の登りを越えるワンデーレース「フォーン・アルデシュ・クラシック」で、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)がダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)との一騎打ちを制す。昨年夏からの不調を払拭する復活勝利を飾った。



ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)をはじめ、強豪クライマーが集結した photo:CorVos

2月25日(土)に第23回フォーン・アルデシュ・クラシック(1.Pro)が開催された。2001年に初回大会が行われた南仏を舞台とするワンデーレースは、フランスのトラック会社フォーンが冠スポンサーを務める翌日のドローム・クラシック(1.Pro)の兄弟レースであり、共に春のクラシックに向けた前哨レースという位置づけとなっている。

山間の街ギレルナール・グランジュを発着点とするレースには無数の山岳が登場するため、その総獲得標高差は3,000mオーバー。毎年勝負所となるのは残り27km地点から始まるサン・ロマン・ド・ルウ(距離6.3km/平均7.1%)で、フィニッシュ手前6km地点には「地獄の谷」という異名を持つヴァル・デンフェ(距離1.5km/平均10.3%)が登場する。

レミ・カヴァニャ(フランス、スーダル・クイックステップ)ら2人が逃げグループを形成 photo:CorVos

スタートラインにはロマン・バルデ(フランス、チームDSM)やダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)などフランスのトップクライマーたちが集結。その他にも”激坂職人”マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)や昨年からの不調を引きずるジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が出場した。

レースはジュリアン・シモン(トタルエネルジー)とレミ・カヴァニャ(スーダル・クイックステップ)というフランス人2名による逃げを、グルパマFDJやトレック・セガフレードが追う展開に。最大5分差を築いたを先頭の2人だったが、残り36kmでその差はゼロになり、サン・ロマン・ド・ルウの登りでクイックステップが高速牽引でプロトンの人数を絞りにかかった。

そして頂上手前4kmの急勾配区間でアラフィリップが飛び出し、唯一ゴデュが追従する。2名はローテーションを回しながら登りで奪った1分差をキープしてフラムルージュ(残り1km地点)を通過。フランスを代表する2人によるマッチスプリントを、加速力で上回るアラフィリップが制した。

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)とダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)によるマッチスプリント photo:CorVos

復活勝利を飾ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

「とても良い気分だし、最後に勝利を挙げてからかなり時間が空いたように感じる」と語るように、アラフィリップにとって昨年7月のツール・ド・ワロニー以来となる勝利。「それ以降多くの困難に見舞われたものの、自分の調子が徐々に上がっているのを感じていた。だから今日、勝利という役割を果たすことができて本当に嬉しいよ」とアラフィリップは喜んだ。

アラフィリップは翌日のドローム・クラシック(1.Pro)に出場し、ストラーデビアンケ(3月4日)より昨年は未勝利と悔しい結果に終わった春のクラシックに臨む予定だ。

フォーン・アルデシュ・クラシック2023表彰台:2位ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)、1位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)、3位マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
フォーン・アルデシュ・クラシック2023結果
1位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) 4:22:50
2位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)
3位 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) +0:31
4位 ヴィクトル・ラフェ(フランス、コフィディス)
5位 ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) +0:43
6位 フェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン)
7位 ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
8位 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) +0:51
9位 ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) +0:54
10位 ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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