2023/02/21(火) - 10:00
アラブ首長国連邦を舞台にした第5回UAEツアーが開幕。横風分断に翻弄された初日は、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー)との写真判定にもつれ込む僅差の勝負でティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が勝利した。
2月20日(月)、ワールドツアー第3戦となるUAEツアーが開幕した。その舞台となるのはアラビア半島にある中東の国、アラブ首長国連邦。ついに女子レースも始まった大会は今年で第5回目を迎え、7日間のスケジュールには平坦ステージが4つ、チームタイムトライアルが1つ、山岳ステージが2つ設定された。
過去2大会で総合優勝を飾るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は出場を見送ったが、その代わりにUAEからは新加入アダム・イェーツ(イギリス)とツアー・ダウンアンダー覇者ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が揃い踏み。また総合勢としては世界王者レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)などが集結した。
スプリンターではアスタナ・カザフスタンに移籍したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がそのリードアウトを務めるケース・ボル(オランダ)と共に出場。そこにカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー)やティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、成長株のオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)らが激突する。
大会初日はアル・ダフラ城から砂漠道を抜け海辺の街アル・ミルファに至る151km。完全にフラットステージのこの日は「150kmを200%の集中で臨まなければならない」とエヴェネプールが語る通り、終始風がレースを動かすこととなった。
スタート直後に北風が西へと向かう選手たちを襲い、プロトンは僅か3km地点でバラバラに。エヴェネプールに加え、この日の優勝候補であるコーイやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)ら25名の先頭集団が形成される。一方、先頭集団にフアン・モラノ(コロンビア)を除き選手を送り込めなかったUAEチームエミレーツやスーダル・クイックステップが第2集団で追走を強いられることになった。
先頭集団ではイネオス・グレナディアーズの総合エースを担うルーク・プラップ(オーストラリア)がボーナスタイム付きの中間スプリントで合計-5秒を獲得。そし第2集団の追走が実り、残り52kmでカヴェンディッシュやユアンらスプリンターを含む優勝候補たちが先頭と合流を果たした。
その更に後方を行くヴァインやセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)、ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)を含む集団は、先頭のペースが一時緩んだこともあり4分差を1分まで縮めることに成功する。しかし、先頭集団は横風により残り30km地点で再び2つに分裂した。
先頭集団に入ることができたのはエヴェネプールとメルリール、ベルト・ファンレルベルフ(ベルギー)の3名が入ったスーダル・クイックステップ。更にカヴェンディッシュはボルと、ユアンはジャラッド・ドリズナーズ(オーストラリア、ロット・デスティニー)とそれぞれのエースがアシストを携え、13名がローテーションを回した。
一度目のフィニッシュライン(残り13.5km地点)を通過した時点で第2グループとのタイム差は1分30秒まで開き、残り5kmでも1分以上を保ったことで先頭集団の勝利が確定。残り2kmを前にエヴェネプールがアーリーアタックを仕掛けたものの決まらず、勝負は集団スプリントへ。
ファンレルベルフが先頭で最終ストレートに突入し、残り150mでメルリールが発射。メルリールのトップスピードにカヴェンディッシュとコーイは及ばず、しかしその背後についたユアンがフィニッシュ手前で横並びに。メルリールとユアンが同時にハンドルを投げ、ユアンが勝利を確信して右手を上げたものの、15分に及んだ写真判定の結果、メルリールの勝利が伝えられた。
「とても厳しいステージだったが、僕は自分自身とチームメイトを信じていた。ベルト(ファンレルベルフ)の完璧なリードアウトから飛び出し、カレブが迫ってきたものの僕は自分のベストを尽くすだけだった。また横風のなか僕を守ってくれたレムコにも感謝したい。レースはこれから続いていくが、完璧な形でスタートが切れたよ」と、アルペシン・ドゥクーニンクから移籍後初勝利を飾ったメルリールは語った。
サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が先着した第2集団はトップから51秒遅れでフィニッシュ。その集団の中には総合を争うイェーツはもちろん途中で第2集団に追いついたクスやフルサンの姿もあったため、エヴェネプールは初日で早くもタイムを稼ぐことに成功している。
翌日はカリファ・ポートに設定された17.3kmコースのチームタイムトライアル。完全フラットなコースでは、この日も風が勝敗に大きく影響を及ぼすだろう。
2月20日(月)、ワールドツアー第3戦となるUAEツアーが開幕した。その舞台となるのはアラビア半島にある中東の国、アラブ首長国連邦。ついに女子レースも始まった大会は今年で第5回目を迎え、7日間のスケジュールには平坦ステージが4つ、チームタイムトライアルが1つ、山岳ステージが2つ設定された。
過去2大会で総合優勝を飾るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は出場を見送ったが、その代わりにUAEからは新加入アダム・イェーツ(イギリス)とツアー・ダウンアンダー覇者ジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が揃い踏み。また総合勢としては世界王者レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)などが集結した。
スプリンターではアスタナ・カザフスタンに移籍したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がそのリードアウトを務めるケース・ボル(オランダ)と共に出場。そこにカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー)やティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、成長株のオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)らが激突する。
大会初日はアル・ダフラ城から砂漠道を抜け海辺の街アル・ミルファに至る151km。完全にフラットステージのこの日は「150kmを200%の集中で臨まなければならない」とエヴェネプールが語る通り、終始風がレースを動かすこととなった。
スタート直後に北風が西へと向かう選手たちを襲い、プロトンは僅か3km地点でバラバラに。エヴェネプールに加え、この日の優勝候補であるコーイやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)ら25名の先頭集団が形成される。一方、先頭集団にフアン・モラノ(コロンビア)を除き選手を送り込めなかったUAEチームエミレーツやスーダル・クイックステップが第2集団で追走を強いられることになった。
先頭集団ではイネオス・グレナディアーズの総合エースを担うルーク・プラップ(オーストラリア)がボーナスタイム付きの中間スプリントで合計-5秒を獲得。そし第2集団の追走が実り、残り52kmでカヴェンディッシュやユアンらスプリンターを含む優勝候補たちが先頭と合流を果たした。
その更に後方を行くヴァインやセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)、ヤコブ・フルサン(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)を含む集団は、先頭のペースが一時緩んだこともあり4分差を1分まで縮めることに成功する。しかし、先頭集団は横風により残り30km地点で再び2つに分裂した。
先頭集団に入ることができたのはエヴェネプールとメルリール、ベルト・ファンレルベルフ(ベルギー)の3名が入ったスーダル・クイックステップ。更にカヴェンディッシュはボルと、ユアンはジャラッド・ドリズナーズ(オーストラリア、ロット・デスティニー)とそれぞれのエースがアシストを携え、13名がローテーションを回した。
一度目のフィニッシュライン(残り13.5km地点)を通過した時点で第2グループとのタイム差は1分30秒まで開き、残り5kmでも1分以上を保ったことで先頭集団の勝利が確定。残り2kmを前にエヴェネプールがアーリーアタックを仕掛けたものの決まらず、勝負は集団スプリントへ。
ファンレルベルフが先頭で最終ストレートに突入し、残り150mでメルリールが発射。メルリールのトップスピードにカヴェンディッシュとコーイは及ばず、しかしその背後についたユアンがフィニッシュ手前で横並びに。メルリールとユアンが同時にハンドルを投げ、ユアンが勝利を確信して右手を上げたものの、15分に及んだ写真判定の結果、メルリールの勝利が伝えられた。
「とても厳しいステージだったが、僕は自分自身とチームメイトを信じていた。ベルト(ファンレルベルフ)の完璧なリードアウトから飛び出し、カレブが迫ってきたものの僕は自分のベストを尽くすだけだった。また横風のなか僕を守ってくれたレムコにも感謝したい。レースはこれから続いていくが、完璧な形でスタートが切れたよ」と、アルペシン・ドゥクーニンクから移籍後初勝利を飾ったメルリールは語った。
サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が先着した第2集団はトップから51秒遅れでフィニッシュ。その集団の中には総合を争うイェーツはもちろん途中で第2集団に追いついたクスやフルサンの姿もあったため、エヴェネプールは初日で早くもタイムを稼ぐことに成功している。
翌日はカリファ・ポートに設定された17.3kmコースのチームタイムトライアル。完全フラットなコースでは、この日も風が勝敗に大きく影響を及ぼすだろう。
UAEツアー2023第1ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:17:35 |
2位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー) | |
3位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) | |
4位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | ニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ケース・ボル(オランダ、アスタナ・カザフスタン) |
個人総合成績
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:17:25 |
2位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー) | +0:04 |
3位 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) | +0:05 |
4位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) | +0:06 |
5位 | ニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:07 |
6位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:08 |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:10 |
9位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ケース・ボル(オランダ、アスタナ・カザフスタン) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
ヤングライダー賞 | ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | スーダル・クイックステップ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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