CXレースで最も華のある大会、シクロクロス東京2日目は仮装いっぱいのお楽しみレース「90分エンデューロ」やマスターズの精鋭M1レースも開催。男女エリートの観戦に訪れた人も含め9,500人、2日間合計で16,500人の動員で大いに盛り上がった大会を振り返る。


キッズたちのCKクラスも砂浜を走る photo:Makoto AYANO

今年一番の暖かさの春の陽気になるという予報の通り朝から好天に恵まれたChampion System × 弱虫ペダル シクロクロス東京Day2。朝イチのプログラムはキッズたちのCK1・2・3クラス。距離はフルコースから短縮されるものの、大人たち同様の本格的な砂浜と林間を走る難コースで争うレースは、子どもたちにとっても栄誉ある特別なレースだ。

シケインに向かうCK1/2/3の混合レース photo:Makoto AYANO
林間コースのテクニカルさに手を焼く photo:Makoto AYANO



同時出走の混走でのスタートで飛び出したのは興津輝(Dream Seeker Jr.Racing Team)。これを追ったのが横田壮一郎(イオンバイクJr.レーシング)。好走を続けた興津だったがビーチで落車した際にチェーンがスプロケットに噛み込むアクシデント発生。直すのに手間取り、押して走るうちに横田がパス。

海に浸かって写真を撮る井上カメラマン photo:Makoto AYANO
CK混合レースをトップで制した横田壮一郎(イオンバイクJr.レーシング) photo:Makoto AYANO



しかし興津は最後まで抵抗して横田から離されなかったが、最後のホームストレート勝負では離されてしまい、横田が堂々としたウィニングポーズでフィニッシュ。3位は近藤虎流(GRM)。CK2は阿部咲太朗(石神井らいだーす・仮)、CK1は綱島一信(ボンシャンス)が優勝。

仮装ライダーがいっぱい 抱腹絶倒の90分エンデューロ

90分エンデューロのスタートは、シリアスにダッシュをかける人とコミカルな人がミックス photo:Makoto AYANO

この日のレース第2プログラムはシクロクロス東京の人気種目、90分エンデューロだ。チームで走る1時間半の耐久レースだが、こうしたチーム種目はガチでなくお楽しみを入れることがお約束。当然のごとく仮装が大いに期待されるレースだ。

ピンクレディーの片割れとドラえもんとアーニャ

脚線美がセクシーなウマ娘(なオトコ)
仮装レースでおなじみミニオン登場



ガングロのギャルが走る(かなりコワイ)
黒猫さんが走ります



昼にかけて気温が上がるなか、ビールとフード片手の観客たちが集まりだすなか、スタートしていく選手たちは期待を裏切らない姿で登場。5年前にも走ってくれたミニオンの風船の着ぐるみをはじめ、バニーガールにガングロのギャル、セーラー服を着た男子、特攻服を着た熟女、ハッピを着たチーム、クマやウサギ、ドラえもん、ウマ娘、アーニャ、ピンクレディー、魔女の宅急便、メイドさん、コワモテの仮面の人、Tシャツにメッセージを書いただけのお手軽な仮装から手の混んだ着ぐるみまで、ありとあらゆる仮装ライダーたちが次々と登場した。

名札には「ボンド」とあります
「にしむら、何故走らない」って直接本人に言ってください...



クマさんの着ぐるみは暑そうだ....
セーラー服のオトコ



ほのぼのとした空気が流れるライダー交代エリア

ピンクレディーのミーとケイ。「本物は還暦だからちょっと若いんです」とのこと
黒猫?魔女の宅急便のキキ?



シールでチューンしただけの「磯野カツオ」
「しんどい」と文句言いながら歩く特攻服を着たヤンキー娘...



特攻服の背中の「熟女参上・お巡り御免」って(笑) photo:Makoto AYANO

暑さにミニオンの正体が顕になる...
何かの仮装でしょうが、聞き忘れました... (※編集部員注:リコリス・リコイルの錦木千束です(多分)新作アニメ制作発表おめでとうございます)



そのユニークな姿をビール片手に観戦する観客たち。真剣なレースから一転、繰り広げられるコミカルな光景に笑いを誘った。しかしそんな笑いにまじって徐々に驚きが広がったのが弱虫ペダル作者の渡辺航先生の走り。なんとレース途中で着替えて東堂尽八に変身して(2人以上のチームで走るという)レギュレーションをクリアする技を駆使して90分間をたったひとりのソロで走りきってしまったのだ。

ガングロのギャルが渡辺航先生を追う photo:Makoto AYANO

「東映」のハッピを着た人たち
エンデューロを走り終えるとファンサービスにつとめる渡辺航先生



加えて渡辺先生は走り終えるとすぐにブースに戻りファンとの記念撮影やサイン会に臨み、2日めも精力的にファンサービスに努めた。その驚異的な体力とサービス精神、大会のメインスポンサーにもなってしまうという神対応に感嘆の声が聞かれた。

90分間、笑いっぱなしのエンデューロの模様はとにかく写真で御覧ください。それが午後からのマスターズ1と男女エリートレースの前座となるのだから、お台場が盛り上がらないわけがない!

90分エンデューロの優勝はチャンピオンシステムテストチーム ビール掛けが豪快すぎます photo:Makoto AYANO

マスターズM1クラスはイナーメ生田目修が制する

ビーチへと飛び出していくマスターズCM1クラス photo:Makoto AYANO

元気なシニア世代を象徴するマスターズM1クラスはある意味市民シクロクロッサーの頂点の戦いでもある。40、50、60歳を超えても若い世代に劣るどころか円熟味さえ感じられるハイレベルなレースだ。

スタートから飛び出した生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) photo:Makoto AYANO

最後尾からビーチの折返しまでにフル乗車で一気に3位まで上がった矢野大介(Rapha Cycling Club) photo:Makoto AYANO
テクニックを見せた山中真(GT Bicycles 人力車) photo:Makoto AYANO



会社の同僚を応援しに来たそうです。羨ましい photo:Makoto AYANO
徐々に追い上げる太田好政(AX cyclocoss team) photo:Makoto AYANO



スタートから飛び出したのは生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス)。追ったのはMTBライダーでもある山中真(GT Bicycles 人力車)や太田好政(AX cyclocoss team)。ランニングを得意とし、フィジカルの強さで定評のある生田目は大きな差をもって逃げるが、太田が徐々にペースを上げ山中をパス。しかし最終的には23秒までしか詰められず、生田目が逃げ切り勝利をガッツポーズで喜んだ。

CM1を制した生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) photo:Makoto AYANO

生田目修のコメント
「砂に苦戦しました。波打ち際の路面状況が刻一刻と変わってラインができてきて、ここまで変わるとは思わなかったです。追走してくる太田さんが一枚上手で、抜かれないかと怯えていました。しかしきつかった。しかしこれだけ多くの観客の皆さんが居て応援されると頑張れますね。声援の力って凄い。全日本選手権で負けた悔しさをここで晴らせました。来シーズンに向けていい締めくくりになりました」。

午後からの男女エリートレースで盛り上がりは最高潮に達し、この日観戦に訪れた人を含めると9,500人、2日間合計で16,500人の動員で大いに盛り上がった。5年ぶりの開催という長いブランクが有りながら、レースを終えてみれば5年前に迫る雰囲気に包まれた。

JCX シリーズ総合表彰 首位の賞金は20万円

JCX年間ランキング男子 首位の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、2位の沢田時、3位は小坂光(ともに宇都宮ブリッツェン) photo:Makoto AYANO

男女エリートレースの表彰のあとにはJCXシリーズ戦の総合表彰式が行われた。2022−2023シーズンのJCX対象シリーズ戦は全10戦で、日本各地で開催されたレースの取得ポイントの総合で争われる。男子の総合トップは今季出るレースすべてで連戦連勝を重ねた織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)。すでに第6・7戦の終了時で逆転できない差をもって首位を決定していた。2位は沢田時、3位は小坂光(ともに宇都宮ブリッツェン)。

JCXシリーズ総合ランキング首位の小川咲絵(AX cyclocross team)と3位の石田唯(早稲田大学) photo:Makoto AYANO

女子トップは小川咲絵(AX cyclocross team)、2位渡部春雅(明治大学)、3位
石田唯(早稲田大学)で、男女とも総合トップに賞金20万円がAJOCC影山善明理事から手渡された。

シクロクロス東京2日目CM1 結果
1位 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) 33:49
2位 太田好政(AX cyclocoss team) +23
3位 山中真(GT Bicycles 人力車) +1:12
4位 羽鳥和重(Cycleclub3UP.) +1:22
5位 中島由裕 +2:25
6位 岡田紀彦(アルゼンチンペソしかないよ) +2:25
7位 山本誠一(DEVOTION) +2:39
8位 松尾遊(Champion System Japan Test Team) +3:06
9位 矢野大介(Rapha Cycling Club) +3:15
10位 小田島貴弘(maillot SY-Nak) +3:28
text&photo:Makoto AYANO

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