2023/02/10(金) - 10:45
與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)が出場したUCIワールドツアー第3戦&初開催のUAEツアー・ウィメン。初日スプリントで、昨年までロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)のリードアウトを務めたシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)がウィーベスを下した。
オセアニアのオーストラリアで開幕した2023年UCIウィメンズワールドツアーは欧州を目指し中東へ。アラブ首長国連邦を舞台とするUAEツアーが開催5年目で女子レースを初開催した。
首都アブダビを中心に争われるUAEツアー・ウィメンは全4ステージで行われ、3日目を除き平坦ステージが続く。そのためトップスプリンターが集結し、なかでもチームDSMから今年SDワークスに移籍したロレーナ・ウィーベス(オランダ)や、スポンサーにアピールしたいキアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ)、昨年までウィーベスの最終発射台を担っていたシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)らが注目株だ。
一方、UAEツアーの名物フィニッシュ「ジュベルハフィート」で決する総合成績を狙うのは、ツアー・ダウンアンダーを制したグレース・ブラウン(オーストラリア)とマルタ・カヴァッリ(イタリア)を揃えるFDJ・スエズ。そこにリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)も出場し、與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)も今季2レース目として臨んでいる。
初日はポート・ラシードを出発し、828mの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」や木の形をした人工島「パーム・ジュメイラ」などアブダビの観光名所を通りドバイ・ハーバーにフィニッシュする109km。総獲得標高差207mのフラットステージは北西からの強風の影響もあり、落車が続出する混沌のレースと化した。
スタート直後にマチルダ・ベルトリーニ(イタリア、ビーピンク)が落車し、早速今大会最初のリタイア選手になる。その後も落車は続き、更に横風による集団分断と合流を繰り返しながら、ボーナスタイムが付与される1つ目の中間スプリントをアグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド、キャニオン・スラム)が先頭通過。2つ目をリッパートが先着し、総合優勝を狙う2人がそれぞれ−3秒を獲得した。
逃げらしい逃げが形成されないまま進んだレースは、高い緊張感のままパーム・ジュメイラの脇を通過した。スプリントを狙うUAEチームADQや、総合エースを守りたいモビスターらが集団先頭でポジションを争うなか、残り4kmのトンネルを抜けた直後の落車が発生。巻き込まれたウィーベスはバルバラ・グアリスキ(イタリア、SDワークス)の牽引によって集団復帰を果たしたが、スプリントの脚を削ってしまっていた。
残り2.7kmで10名が絡む落車がありながらも大勢には影響なく、SDワークスのトレインを先頭に集団スプリントに突入する。フィニッシュライン手前150mで飛び出したウィーベスが勝ちパターンに持ち込んだと思いきや、その背後から並んだのはコール。幾度となくウィーベスの勝利をお膳立てしてきたコールが、ハイスピードを維持したままフィニッシュを先頭通過した。
「素晴らしく、でも信じられない勝利。この勝利のために私たちは辛い冬のトレーニングを積み重ねた。リードアウトを落車で失い、混沌のなかでのスプリントだったが、素早く計画を変更することができた。不運の中でも掴んだ美しい勝利。明日も勝利を狙いたい」と、コールは今季初勝利をそう喜んだ。
コールは2020年にNXTGレーシング(現AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)でプロデビューを果たした23歳。チームDSMに加入初年の2022年は同い年ウィーベスのリードアウトとして活躍し、今年はその穴を埋めるべくエースを任された若きスプリンターだ。
一方、落車の影響が出たウィーベスは「力を使わなければならなかった(フィニッシュ直前での)落車は残念。完璧な形で集団に復帰することができ、良いリードアウトを受けたたものの、少しだけ力が足りなかった」とコメントし、「でもあのリードアウトは今後の自信に繋がった。スプリントが予想される明日のチャンスを掴みたい」と意気込みを語った。
オセアニアのオーストラリアで開幕した2023年UCIウィメンズワールドツアーは欧州を目指し中東へ。アラブ首長国連邦を舞台とするUAEツアーが開催5年目で女子レースを初開催した。
首都アブダビを中心に争われるUAEツアー・ウィメンは全4ステージで行われ、3日目を除き平坦ステージが続く。そのためトップスプリンターが集結し、なかでもチームDSMから今年SDワークスに移籍したロレーナ・ウィーベス(オランダ)や、スポンサーにアピールしたいキアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ)、昨年までウィーベスの最終発射台を担っていたシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)らが注目株だ。
一方、UAEツアーの名物フィニッシュ「ジュベルハフィート」で決する総合成績を狙うのは、ツアー・ダウンアンダーを制したグレース・ブラウン(オーストラリア)とマルタ・カヴァッリ(イタリア)を揃えるFDJ・スエズ。そこにリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)も出場し、與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)も今季2レース目として臨んでいる。
初日はポート・ラシードを出発し、828mの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」や木の形をした人工島「パーム・ジュメイラ」などアブダビの観光名所を通りドバイ・ハーバーにフィニッシュする109km。総獲得標高差207mのフラットステージは北西からの強風の影響もあり、落車が続出する混沌のレースと化した。
スタート直後にマチルダ・ベルトリーニ(イタリア、ビーピンク)が落車し、早速今大会最初のリタイア選手になる。その後も落車は続き、更に横風による集団分断と合流を繰り返しながら、ボーナスタイムが付与される1つ目の中間スプリントをアグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド、キャニオン・スラム)が先頭通過。2つ目をリッパートが先着し、総合優勝を狙う2人がそれぞれ−3秒を獲得した。
逃げらしい逃げが形成されないまま進んだレースは、高い緊張感のままパーム・ジュメイラの脇を通過した。スプリントを狙うUAEチームADQや、総合エースを守りたいモビスターらが集団先頭でポジションを争うなか、残り4kmのトンネルを抜けた直後の落車が発生。巻き込まれたウィーベスはバルバラ・グアリスキ(イタリア、SDワークス)の牽引によって集団復帰を果たしたが、スプリントの脚を削ってしまっていた。
残り2.7kmで10名が絡む落車がありながらも大勢には影響なく、SDワークスのトレインを先頭に集団スプリントに突入する。フィニッシュライン手前150mで飛び出したウィーベスが勝ちパターンに持ち込んだと思いきや、その背後から並んだのはコール。幾度となくウィーベスの勝利をお膳立てしてきたコールが、ハイスピードを維持したままフィニッシュを先頭通過した。
「素晴らしく、でも信じられない勝利。この勝利のために私たちは辛い冬のトレーニングを積み重ねた。リードアウトを落車で失い、混沌のなかでのスプリントだったが、素早く計画を変更することができた。不運の中でも掴んだ美しい勝利。明日も勝利を狙いたい」と、コールは今季初勝利をそう喜んだ。
コールは2020年にNXTGレーシング(現AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)でプロデビューを果たした23歳。チームDSMに加入初年の2022年は同い年ウィーベスのリードアウトとして活躍し、今年はその穴を埋めるべくエースを任された若きスプリンターだ。
一方、落車の影響が出たウィーベスは「力を使わなければならなかった(フィニッシュ直前での)落車は残念。完璧な形で集団に復帰することができ、良いリードアウトを受けたたものの、少しだけ力が足りなかった」とコメントし、「でもあのリードアウトは今後の自信に繋がった。スプリントが予想される明日のチャンスを掴みたい」と意気込みを語った。
UAEツアー・ウィメン2023第1ステージ
1位 | シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) | 2:47:14 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | |
3位 | キアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ) | |
4位 | マリア・コンファロニエーリ(イタリア、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | |
5位 | サラ・ローイ(オーストラリア、キャニオン・スラム) | |
6位 | テレザ・ネウマノバ(チェコ、リブレーシング・エクストラ) | |
7位 | マギー・コールズリスター(カナダ、ZAAFサイクリングチーム | |
8位 | マイヤライン・ファントゥへローフ(オランダ、ヒューマンパワードヘルス) | |
9位 | ベレンティーナ・バシリコ(イタリア、ビーピンク) | |
10位 | ロクサーヌ・フルニエ(フランス、サンミッシェル・オーベル93) |
個人総合成績
1位 | シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) | 2:47:04 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | +0:04 |
3位 | キアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:05 |
4位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | +0:07 |
5位 | ニーナ・ケスレル(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | +0:08 |
6位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) | |
7位 | クリスティーナ・トネッティ(イタリア、トップガールズ・ファッサボルトロ) | +0:09 |
8位 | マリア・コンファロニエーリ(イタリア、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | +0:10 |
9位 | サラ・ローイ(オーストラリア、キャニオン・スラム) | |
10位 | テレザ・ネウマノバ(チェコ、リブレーシング・エクストラ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) |
ヤングライダー賞 | シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) |
チーム総合成績 | セラティツィット・WNTプロサイクリング |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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