2023/01/30(月) - 11:20
世界選手権まで残り1週間。フランス開催のシクロクロスW杯最終ラウンドで、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が圧勝して弾みをつけた。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が勝利したX2Oバドカマートロフェー第6戦の翌日、フランスのブザンソンでは世界選手権前の最終レースとなるUCIワールドカップ第14戦が開催。今季のUCIワールドカップ最終戦でもあるこのレースに、多くのトップ選手が2日連続参戦を果たした。
緩やかな丘陵地に引かれたコースは、草地と泥がほぼ乾いたスピードコース。決定的な差がつきにくいレイアウトであり、男女レース共にロードレースのような集団走行とアタック合戦が展開されることとなった。
女子:チェーントラブルをいとわずピーテルスが圧勝
先週スペインで開催されたワールドカップでW杯総合優勝を決めたフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)は前日のX2Oトロフェーに参戦し、このW杯をキャンセル。そのため、ファンエンペルと良きライバル関係を築くオランダ王者パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がこの日のレースを支配した。
ピーテルスは1周目にチェーントラブルに見舞われたが、20秒以上の遅れをすぐさま挽回して先頭集団に復帰する。やがて自らペースを上げてメンバーを絞り込み、そして決定打となるアタックを放った。
「追走でかなりエネルギーを使ったけれど、先頭集団の人数が多かったので回復できた」と言うピーテルスは、そのままハイペースを維持して後続との差を広げていく。シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)も不在のこの日、アンマリー・ワースト(オランダ、777)らは若きオランダ女王に追いつくことはできなかった。
余裕を感じさせながら周回をこなしたピーテルスが圧勝。世界選手権に向けてファンエンペルが土曜日、ピーテルスが日曜日にそれぞれ勝利とオッズを高めた状態で大一番を迎えることとなった。
男子:ファンデルプールが圧勝で大一番に弾み「オッズは互角。日曜日に最高の脚を披露したい」
世界選手権に向けてファンアールトが脚を休めた一方、この日は前日レースをスキップしたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が参戦。祖父レイモン・プリドールの母国であり、「UCIポイントを貯めて世界選手権の1列目スタート獲得」を目論む元世界王者はこの日、自ら攻めることなく冷静に序盤戦を消化していった。
フランス王者のクレマン・ヴァントゥリーニ(AG2Rシトロエン)が積極的にレースを引っ張り、強豪勢がたっぷり含まれた10名以上の先頭グループが形成される。ランキングリーダーのローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)はスタートで出遅れたが、暫くして合流に成功する。
ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム)がペースメイクしてレース時間1/3を消化すると、絶えず2番手をキープしていたファンデルプールが動く。登り勾配で一気に加速し、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)らを引き離す。「リードを奪いにくいコースだったので、序盤は静かに走り、タイミングを見てキツい部分でアタック。すぐに差が生まれたのでフィニッシュまで自分のペースで走ることができた」と言うファンデルプールは、ファステストラップを叩き出しながらリードを積み重ね続けた。
異次元のペースで逃げ続けたファンデルプールが、大歓声を受けてフィニッシュラインへ。手を振ってファンの応援に応えつつ最良の形で界選手権前最終レースを締め括った。
この週末2日間の2レースで、ファンアールトとファンデルプールがそれぞれライバル不在のレースで1勝ずつ。「タフで短いトレーニングセッションを行い、身体を回復させて世界選に向かう。日曜日に今シーズン最高の脚を見せたいと思っているよ」と言うファンデルプールは、「ワウトとの勝負は50-50だと思う。今シーズンの勝率では彼が上回っているけれど、今のフィジカルが互角であることは既に証明されている」と、来る大一番に向けてコメントを残している。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が勝利したX2Oバドカマートロフェー第6戦の翌日、フランスのブザンソンでは世界選手権前の最終レースとなるUCIワールドカップ第14戦が開催。今季のUCIワールドカップ最終戦でもあるこのレースに、多くのトップ選手が2日連続参戦を果たした。
緩やかな丘陵地に引かれたコースは、草地と泥がほぼ乾いたスピードコース。決定的な差がつきにくいレイアウトであり、男女レース共にロードレースのような集団走行とアタック合戦が展開されることとなった。
女子:チェーントラブルをいとわずピーテルスが圧勝
先週スペインで開催されたワールドカップでW杯総合優勝を決めたフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)は前日のX2Oトロフェーに参戦し、このW杯をキャンセル。そのため、ファンエンペルと良きライバル関係を築くオランダ王者パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がこの日のレースを支配した。
ピーテルスは1周目にチェーントラブルに見舞われたが、20秒以上の遅れをすぐさま挽回して先頭集団に復帰する。やがて自らペースを上げてメンバーを絞り込み、そして決定打となるアタックを放った。
「追走でかなりエネルギーを使ったけれど、先頭集団の人数が多かったので回復できた」と言うピーテルスは、そのままハイペースを維持して後続との差を広げていく。シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)も不在のこの日、アンマリー・ワースト(オランダ、777)らは若きオランダ女王に追いつくことはできなかった。
余裕を感じさせながら周回をこなしたピーテルスが圧勝。世界選手権に向けてファンエンペルが土曜日、ピーテルスが日曜日にそれぞれ勝利とオッズを高めた状態で大一番を迎えることとなった。
男子:ファンデルプールが圧勝で大一番に弾み「オッズは互角。日曜日に最高の脚を披露したい」
世界選手権に向けてファンアールトが脚を休めた一方、この日は前日レースをスキップしたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が参戦。祖父レイモン・プリドールの母国であり、「UCIポイントを貯めて世界選手権の1列目スタート獲得」を目論む元世界王者はこの日、自ら攻めることなく冷静に序盤戦を消化していった。
フランス王者のクレマン・ヴァントゥリーニ(AG2Rシトロエン)が積極的にレースを引っ張り、強豪勢がたっぷり含まれた10名以上の先頭グループが形成される。ランキングリーダーのローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)はスタートで出遅れたが、暫くして合流に成功する。
ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム)がペースメイクしてレース時間1/3を消化すると、絶えず2番手をキープしていたファンデルプールが動く。登り勾配で一気に加速し、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)らを引き離す。「リードを奪いにくいコースだったので、序盤は静かに走り、タイミングを見てキツい部分でアタック。すぐに差が生まれたのでフィニッシュまで自分のペースで走ることができた」と言うファンデルプールは、ファステストラップを叩き出しながらリードを積み重ね続けた。
異次元のペースで逃げ続けたファンデルプールが、大歓声を受けてフィニッシュラインへ。手を振ってファンの応援に応えつつ最良の形で界選手権前最終レースを締め括った。
この週末2日間の2レースで、ファンアールトとファンデルプールがそれぞれライバル不在のレースで1勝ずつ。「タフで短いトレーニングセッションを行い、身体を回復させて世界選に向かう。日曜日に今シーズン最高の脚を見せたいと思っているよ」と言うファンデルプールは、「ワウトとの勝負は50-50だと思う。今シーズンの勝率では彼が上回っているけれど、今のフィジカルが互角であることは既に証明されている」と、来る大一番に向けてコメントを残している。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第14戦 女子エリート結果
1位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 45:21 |
2位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +0:37 |
3位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +0:43 |
4位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・ティブコSVB) | +1:02 |
5位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | +1:09 |
6位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、トルマンスCXチーム) | +1:10 |
7位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・フリスタッズ) | |
8位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:11 |
9位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、ASバイクレーシング) | +1:18 |
10位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:24 |
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第14戦 男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 1:01:33 |
2位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +0:49 |
3位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:52 |
4位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rシトロエン) | |
5位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:53 |
6位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | |
7位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) | +1:00 |
8位 | ヘルベン・クイペルス(ベルギー) | +1:03 |
9位 | ミカエル・ボロシュ(チェコ) | +1:04 |
10位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:17 |
text:So.Isobe
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