UCI(国際自転車競技連合)が2023年の男女ロードレースにおける新型コロナウイルス感染症の感染防止プロトコルを更新した。チームに課されていたワクチン接種証明書の提出やワクチン接種又は検査などの要件が解除された。



今回のプロトコル更新にマスクに関する言及はなかった photo:Makoto.AYANO

1月20日より発効されたプロトコルのトピックとしては、チームに課されていたワクチン接種又はPCR検査等の要件がなくなった点が挙げられる。UCIは「今後も疫学的な監視を続ける」と前置きしながらも「国際的な健康状態が改善していることから、チームに課されていたワクチン接種証明書(の提出)やワクチン接種又は検査(抗原検査やPCR検査)などの要件が解除された」と発表した。

本プロトコルが適応されるのは男女UCIワールドツアーに加え、UCIプロシリーズやコンチネンタルレース、UCI世界選手権や各国ナショナル選手権、そして1と2クラスのレース。これによりチームは自主的な検査を除き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以前のチーム運営に戻ることとなった。

またUCIは主催者に対し「大会が開催される前に、その地域の健康リスクの度合いを通知する必要がある」とし、レース運営時には「緑/オレンジ/赤」の3つの健康リスクカテゴリーに応じた対策が取られる。更に開催期間が3週間とより長いグランツールでは、その際の疫学的状況に応じた追加の対策が実施される可能性がある。

今回のプロトコルは発効される直前の1月12日、サントス・ツアー・ダウンアンダーに出場予定だったサイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)がレース前検査でコロナの陽性反応が検出された。しかしオーストラリアは昨年10月より感染者の隔離を不要としていることから、開催地の手順に従い同レースに1月17日より出場するなど新型コロナのレースへの影響は着実に弱まっている。

text:Sotaro.Arakawa