2023/01/09(月) - 16:33
砂のゾンホーフェンで開催されたCX W杯第12戦。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がコンディショニングに悩むマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)を置き去りにした。
シクロクロスの最高峰シリーズ戦、UCIシクロクロスワールドカップの第12戦が開催されたのはベルギーのリンブルグ州にあるゾンホーフェン。コクサイデと並び、あるいはそれをも上回るほどのサンドセクションが名物であり、“De Kuil”(直訳で"溝")と呼ばれ称されるすり鉢状の砂の傾斜地に張り巡らされるコースには数千人もの観客が詰めかける。
砂斜面の直滑降/直登が定番だったものの、今年はコース改修によって砂のオフキャンバー区間が増加。トップ選手すらも手を焼く難易度最高レベルのコースに仕上げられた。
女子エリート:ファンアンローイがコクサイデ続く砂レース連勝
女子エリートレースには現在勝利を分け合っている三強(ファンエンペル、ピーテルス、ファンアンローイ)のほか、アルカンシエルを着るマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)も含め、トップ選手がずらりと集結。膝故障を抱え、さらにスタート前に体調不良を訴えていたフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がホールショットを奪ったものの、先頭で突入した砂のダウンヒルで激しく前転。さらに別の下り区間でも轍を外して前転し、完全にレースリズムを失ってしまった。
最多勝ランキング首位を突き進むファンエンペルの脱落によって、この日の優勝争いはパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の2人に。しかし、コクサイデで勝利したファンアンローイがスムーズに走るその背後で、やはり同じ砂下りでピーテルスが前転。「タフだったけど、いい流れに乗れて正しいラインを選ぶことができた。大きな自信を持ってレースを走れた」と振り返るファンアンローイが、そのままフィニッシュまで続く独走に持ち込んだ。
「もちろん苦しんだけれど、他のレースよりも追い込まずに走れた」と、優勝インタビューで語るファンアンローイ。2002年生まれの20歳は未だ世界選手権の出場カテゴリーを決めていないが、この日3位以降であればU23を選ぶはずだった。ライバル2人を抑えたことでエリートカテゴリー出場を再検討する、とも。
この日ピーテルスが2位に入り、4位グループから抜け出したファンエンペルが3位。「最初の落車であちこちを痛めたけれど、アドレナリンと素晴らしい観客の応援で3位に戻ることができた。少し身体を休めて、膝がどうなるか注視していきたい」と話している。
男子エリート:ファンアールトが再びファンデルプールを下す
トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)不在のこの日、やはり注目はワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の直接対決。
今季、ここまで2人が戦った8レースのうちファンアールトは5勝。過去このコースで3勝しているファンデルプールが(ファンアールトは1勝)一矢報いることができるかどうかが焦点だったものの、従来ファンデルプールの独壇場だったテクニカルコースでもファンアールトの優勢は変わらなかった。
砂を得意とするローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)らも振り落とされ、2人が先頭グループを形成したものの、60分のうち20分が経過した砂区間でファンデルプールが前転してしまう。背後のファンアールトも足止めを食らったものの、すぐにラインを切り替えてペースを戻す。「自分のあるべきレベルに達していない」と言うファンデルプールは独走体制に入ったファンアールトに再び追いつくことはできなかった。
砂区間で圧倒的な安定感を披露したファンアールトが、実に1分半ものリードを築いて勝利した。「正直結果には驚いているけれど、誰にとっても(過密レース期間は)大変だ。僕自身何度かタフレースを走ったから本来のアタックはできなかった。休息を入れて回復に専念しないといけない」とベルギー王者は言う。
そして、ファンアールトはベルギー選手権に100%出場しないことも明言。「国内選手権には出ないけれど、トレーニングを積んで別のジャージ(アルカンシエル)を狙いたい」と話している。
一方のファンデルプールは落胆の2位。「普段の僕のパフォーマンスではないことは誰の目にも明らかだ。ワウトはもちろん強いけれど、もう少し長く彼とレースしないといけない。高強度のインターバルが僕の背中に負担をかけている。翌日にはスペインに渡ってトレーニングを行うんだ。世界選手権に向けて100%の準備ができるように全力を尽くしたい」と話している。
シクロクロスの最高峰シリーズ戦、UCIシクロクロスワールドカップの第12戦が開催されたのはベルギーのリンブルグ州にあるゾンホーフェン。コクサイデと並び、あるいはそれをも上回るほどのサンドセクションが名物であり、“De Kuil”(直訳で"溝")と呼ばれ称されるすり鉢状の砂の傾斜地に張り巡らされるコースには数千人もの観客が詰めかける。
砂斜面の直滑降/直登が定番だったものの、今年はコース改修によって砂のオフキャンバー区間が増加。トップ選手すらも手を焼く難易度最高レベルのコースに仕上げられた。
女子エリート:ファンアンローイがコクサイデ続く砂レース連勝
女子エリートレースには現在勝利を分け合っている三強(ファンエンペル、ピーテルス、ファンアンローイ)のほか、アルカンシエルを着るマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)も含め、トップ選手がずらりと集結。膝故障を抱え、さらにスタート前に体調不良を訴えていたフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がホールショットを奪ったものの、先頭で突入した砂のダウンヒルで激しく前転。さらに別の下り区間でも轍を外して前転し、完全にレースリズムを失ってしまった。
最多勝ランキング首位を突き進むファンエンペルの脱落によって、この日の優勝争いはパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)の2人に。しかし、コクサイデで勝利したファンアンローイがスムーズに走るその背後で、やはり同じ砂下りでピーテルスが前転。「タフだったけど、いい流れに乗れて正しいラインを選ぶことができた。大きな自信を持ってレースを走れた」と振り返るファンアンローイが、そのままフィニッシュまで続く独走に持ち込んだ。
「もちろん苦しんだけれど、他のレースよりも追い込まずに走れた」と、優勝インタビューで語るファンアンローイ。2002年生まれの20歳は未だ世界選手権の出場カテゴリーを決めていないが、この日3位以降であればU23を選ぶはずだった。ライバル2人を抑えたことでエリートカテゴリー出場を再検討する、とも。
この日ピーテルスが2位に入り、4位グループから抜け出したファンエンペルが3位。「最初の落車であちこちを痛めたけれど、アドレナリンと素晴らしい観客の応援で3位に戻ることができた。少し身体を休めて、膝がどうなるか注視していきたい」と話している。
男子エリート:ファンアールトが再びファンデルプールを下す
トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)不在のこの日、やはり注目はワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の直接対決。
今季、ここまで2人が戦った8レースのうちファンアールトは5勝。過去このコースで3勝しているファンデルプールが(ファンアールトは1勝)一矢報いることができるかどうかが焦点だったものの、従来ファンデルプールの独壇場だったテクニカルコースでもファンアールトの優勢は変わらなかった。
砂を得意とするローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)らも振り落とされ、2人が先頭グループを形成したものの、60分のうち20分が経過した砂区間でファンデルプールが前転してしまう。背後のファンアールトも足止めを食らったものの、すぐにラインを切り替えてペースを戻す。「自分のあるべきレベルに達していない」と言うファンデルプールは独走体制に入ったファンアールトに再び追いつくことはできなかった。
砂区間で圧倒的な安定感を披露したファンアールトが、実に1分半ものリードを築いて勝利した。「正直結果には驚いているけれど、誰にとっても(過密レース期間は)大変だ。僕自身何度かタフレースを走ったから本来のアタックはできなかった。休息を入れて回復に専念しないといけない」とベルギー王者は言う。
そして、ファンアールトはベルギー選手権に100%出場しないことも明言。「国内選手権には出ないけれど、トレーニングを積んで別のジャージ(アルカンシエル)を狙いたい」と話している。
一方のファンデルプールは落胆の2位。「普段の僕のパフォーマンスではないことは誰の目にも明らかだ。ワウトはもちろん強いけれど、もう少し長く彼とレースしないといけない。高強度のインターバルが僕の背中に負担をかけている。翌日にはスペインに渡ってトレーニングを行うんだ。世界選手権に向けて100%の準備ができるように全力を尽くしたい」と話している。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第12戦 女子エリート結果
1位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 51:44 |
2位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:37 |
3位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:54 |
4位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:46 |
5位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:10 |
6位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +2:27 |
7位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | +2:41 |
8位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | +2:59 |
9位 | リヌ・ブルキエ(フランス、キャニオン・コレクティブ) | +3:35 |
10位 | ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) | +3:41 |
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第12戦 男子エリート結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 58:49 |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:23 |
3位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:31 |
4位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:02 |
5位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:08 |
6位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:17 |
7位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:37 |
8位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +2:49 |
9位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) | +3:01 |
10位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、デスハフト・ヘンス・マース) | +3:14 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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