2023/01/02(月) - 08:07
1月1日は恒例のGPスヴェンネイス。フェム・ファンエンペル(オランダ)がユンボ・ヴィスマ移籍後初レースで独走し、男子レースは落車で失速したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を振り切ったエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が久々の勝利をマークした。
ベルギーのバールで開催されたX2Oバドカマートロフェー第4戦は、年明け早々1月1日の恒例レースとして親しまれれている大会。この街ゆかりのシクロクロスレジェンド、スヴェン・ネイス(現バロワーズ・トレック・ライオンズ監督)を称えて「GPスヴェンネイス」と呼ばれ、ネイスの名を冠した常設CXコースを舞台にする。新体制のチームや、新機材、新デザインのジャージが披露される場としてもお馴染みだ。
過去ネイス自身が16回参戦し、12回優勝した本大会。2023年初レースはハードパックと深い泥に覆われた区間が入り混じるパワーコースとなった。
女子エリート:ピーテルス独走 ユンボ・ヴィスマ移籍後レースで初勝利
女子レースでの大きな話題は、今季15レース中実に11勝、2位が4回、DNFが1回という圧倒的な勝率を誇る欧州女王フェム・ファンエンペル(オランダ)が、1月1日付けでパウェルスサウゼン・ビンゴールからユンボ・ヴィスマに移籍したこと。欧州チャンピオンカラーのサーヴェロを駆る20歳は、新体制初日となるこの日も圧倒的な力を誇示した。
ファンエンペルは序盤こそセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)と先頭グループを組んでいたものの、深い轍が刻まれたキャンバー区間で2番手アルバラードがミスしたことをきっかけに独走を開始する。良きライバル関係を築くパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)不在のこの日、欧州女王の独走を止める者はいなかった。
「暫くレースを走らず休息を取っていたので、自分でもこんなにリードできるとは思わなかった。新チームでの初レースなので勝たなければいけなかったけれど、すごく楽しみにしていた。この先はロードシーズンが待っているのでW杯だけに集中したいと思っている」と振り返るファンエンペルが、幸先良く新年初勝利を達成。2位はブラント、3位はコースに手を焼き、何度もミスを重ねたアルバラードだった。
なお、この日はチームDSMからSDワークスに移籍したロレーナ・ウィーベス(オランダ)も、ラース・ボーム監督らと共に参戦し、新ジャージ姿を披露している。
男子エリート:ピドコックは落車で失速 イゼルビットが久々の勝利を挙げる
ファンアールト、ファンデルプール、そしてピドコックの"ビッグスリー"のうち、この日は世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が参戦。ゼネク・スティバル(チェコ)はバイクエクスチェンジのジャージ姿を披露し、さらには梶鉄輝も参戦を果たした。
ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が得意のスタートダッシュを決め、やがてピドコックとパウェルスサウゼン・ビンゴールのマイケル・ファントーレンハウトとエリ・イゼルビットがレースの主導権を握る。
3人の後ろではアルペシン・ドゥクーニンクに移籍したクィンティン・ヘルマンス(ベルギー)や、大声援を受けるスヴェンの息子ティボー・ネイス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)らが4番手グループを組む。2対1の先頭グループでは、3周目にピドコックが猛然とペースアップを行い、軽々と独走態勢に持ち込んだ。
テクニカルなバールのコースで世界王者は軽やかな走りを武器にリードを広げていく。しかし最終周回の下り区間でピドコックはバランスを崩し、ネットに絡め取られるようにコース外へ飛び出してしまう。幸い怪我こそなかったものの、このアクシデントで追走2人の合流を許し、イゼルビットのアタックに反応できず遅れを喫した。
千載一遇のチャンスを得たイゼルビットは、そのまま残る区間を逃げ切ってガッツポーズ。背中の痛みに苦しめられ「シーズンを続けるかどうか紙一重だった」と振り返る元欧州王者が10月末以来の優勝を挙げた。
「"ビッグスリー"の1人を倒すことができて嬉しいよ。毎日痛みを感じながら生活しなければならず、前向きでいるのすら難しかった。気分はいいし、最終ラップで僕をふるい立たせてくれたマイケルにも感謝している」と久々の勝利を喜んだ。
怪我が心配されるピドコックは1分2秒遅れの3位でフィニッシュ。「今は痛みを感じないけれど、膝にあざができているのでこの後が少し心配」と話しつつ、世界選手権に参加しないことについても認めた。
ベルギーのバールで開催されたX2Oバドカマートロフェー第4戦は、年明け早々1月1日の恒例レースとして親しまれれている大会。この街ゆかりのシクロクロスレジェンド、スヴェン・ネイス(現バロワーズ・トレック・ライオンズ監督)を称えて「GPスヴェンネイス」と呼ばれ、ネイスの名を冠した常設CXコースを舞台にする。新体制のチームや、新機材、新デザインのジャージが披露される場としてもお馴染みだ。
過去ネイス自身が16回参戦し、12回優勝した本大会。2023年初レースはハードパックと深い泥に覆われた区間が入り混じるパワーコースとなった。
女子エリート:ピーテルス独走 ユンボ・ヴィスマ移籍後レースで初勝利
女子レースでの大きな話題は、今季15レース中実に11勝、2位が4回、DNFが1回という圧倒的な勝率を誇る欧州女王フェム・ファンエンペル(オランダ)が、1月1日付けでパウェルスサウゼン・ビンゴールからユンボ・ヴィスマに移籍したこと。欧州チャンピオンカラーのサーヴェロを駆る20歳は、新体制初日となるこの日も圧倒的な力を誇示した。
ファンエンペルは序盤こそセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)と先頭グループを組んでいたものの、深い轍が刻まれたキャンバー区間で2番手アルバラードがミスしたことをきっかけに独走を開始する。良きライバル関係を築くパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)不在のこの日、欧州女王の独走を止める者はいなかった。
「暫くレースを走らず休息を取っていたので、自分でもこんなにリードできるとは思わなかった。新チームでの初レースなので勝たなければいけなかったけれど、すごく楽しみにしていた。この先はロードシーズンが待っているのでW杯だけに集中したいと思っている」と振り返るファンエンペルが、幸先良く新年初勝利を達成。2位はブラント、3位はコースに手を焼き、何度もミスを重ねたアルバラードだった。
なお、この日はチームDSMからSDワークスに移籍したロレーナ・ウィーベス(オランダ)も、ラース・ボーム監督らと共に参戦し、新ジャージ姿を披露している。
男子エリート:ピドコックは落車で失速 イゼルビットが久々の勝利を挙げる
ファンアールト、ファンデルプール、そしてピドコックの"ビッグスリー"のうち、この日は世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が参戦。ゼネク・スティバル(チェコ)はバイクエクスチェンジのジャージ姿を披露し、さらには梶鉄輝も参戦を果たした。
ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が得意のスタートダッシュを決め、やがてピドコックとパウェルスサウゼン・ビンゴールのマイケル・ファントーレンハウトとエリ・イゼルビットがレースの主導権を握る。
3人の後ろではアルペシン・ドゥクーニンクに移籍したクィンティン・ヘルマンス(ベルギー)や、大声援を受けるスヴェンの息子ティボー・ネイス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)らが4番手グループを組む。2対1の先頭グループでは、3周目にピドコックが猛然とペースアップを行い、軽々と独走態勢に持ち込んだ。
テクニカルなバールのコースで世界王者は軽やかな走りを武器にリードを広げていく。しかし最終周回の下り区間でピドコックはバランスを崩し、ネットに絡め取られるようにコース外へ飛び出してしまう。幸い怪我こそなかったものの、このアクシデントで追走2人の合流を許し、イゼルビットのアタックに反応できず遅れを喫した。
千載一遇のチャンスを得たイゼルビットは、そのまま残る区間を逃げ切ってガッツポーズ。背中の痛みに苦しめられ「シーズンを続けるかどうか紙一重だった」と振り返る元欧州王者が10月末以来の優勝を挙げた。
「"ビッグスリー"の1人を倒すことができて嬉しいよ。毎日痛みを感じながら生活しなければならず、前向きでいるのすら難しかった。気分はいいし、最終ラップで僕をふるい立たせてくれたマイケルにも感謝している」と久々の勝利を喜んだ。
怪我が心配されるピドコックは1分2秒遅れの3位でフィニッシュ。「今は痛みを感じないけれど、膝にあざができているのでこの後が少し心配」と話しつつ、世界選手権に参加しないことについても認めた。
X2Oバドカマートロフェー2022-2023第3戦男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:00:35 |
2位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:11 |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:02 |
4位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:08 |
5位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +1:56 |
6位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:01 |
7位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:21 |
8位 | キャメロン・メイソン(イギリス、トリニティレーシング) | +2:29 |
9位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:55 |
10位 | ティモ・キーリッヒ(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +3:35 |
X2Oバドカマートロフェー2022-2023第3戦女子エリート結果
1位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 50:48 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:00 |
3位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +2:27 |
4位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:12 |
5位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +3:20 |
6位 | クララ・ホンシンガー(アメリカ、EFエデュケーション・ティブコ-SVB) | +3:36 |
7位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +3:42 |
8位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・ティブコ-SVB) | +4:54 |
9位 | マーガリー・ロシェット(カナダ、スペシャライズド・フィードバックスポーツ) | +5:45 |
10位 | マディガン・ムンロー(アメリカ) | +6:26 |
text:So Isobe
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