2023/01/01(日) - 17:40
11月23日、お台場エリアを中心に開催された、東京湾を跨ぐレインボーブリッジを封鎖した大規模なサイクルイベント"GRAND CYCLE TOKYO"。同日、ライドとは別に東京都の公共交通機関へロードバイクをそのまま車載するメディア限定ツアーに、YouTubeチャンネル「サイクリストTV」の松尾修作さんが参加したレポートが届きました。
GRAND CYCLE TOKYOは東京五輪のレガシーを後世に残すべく開催された大型サイクリングイベントです。お台場海浜公園をスタートし、湾岸エリアの公道に設けられた特設コースをゆったり走るファンライド。たくさんの人が都心のサイクリングを楽しみました。
目玉は何といってもレインボーブリッジの首都高速道路を封鎖した橋の最上部を走行できること。あいにくの雨模様となりましたが、会場ではロードバイクに乗った自転車愛好家だけでなく、軽快車やレンタルの電動アシスト付き自転車に乗った方々の姿も多く見ることができました。
この日、メディア限定ツアーのメンバーが集ったのは早朝の新橋駅。「新交通ゆりかもめ」に乗って海を渡り、スタート地点にほど近いテレコムセンター駅まで向かいます。当然、ゆりかもめは普段、自転車をそのまま積載する"サイクルトレイン"としては運航していません。イベントに際する限定の企画として、1車両を貸切にした特別運行がツアー向けに用意されました。
ゆりかもめの車内では自転車を養生した壁面に沿って置き、ベルトでしっかりと固定。一般的な電車と比較するとコンパクトな車内ですが、2台設置してもスペースにまだゆとりがあります。窓の外にはこの日、橋上部を走るレインボーブリッジも見えます。止む気配のない雨でどんよりとした気持ちでしたが、非日常の光景が気持ちを前向きにしてくれます。
スタート地点はお台場海浜公園のビーチ脇から。まずはレインボーブリッジへと向かいます。「ETCカードは持ったっけ?」という冗談を交わしながら首都高速のゲートをくぐると、目の前に広がるのは東京都心の眺望! この体験だけでもイベントに参加した甲斐があるのではないでしょうか。
普段、走行することができない東京湾岸アンダー(湾岸道)を通り、現在整備中で普段は立ち入ることができない「海の森公園」までライドできるのも魅力の一つでした。
「ユニコーンガンダム」の立像がそびえ立つお台場・ダイバーシティ東京のフィニッシュ地点でゴールすると、アパレルブランドのビームスがプロデュースした大会オリジナルのサコッシュやTシャツ等のノベルティをゲットできました。周囲の参加者は雨に打たれてはいましたが、「貴重な体験ができた」と皆笑顔で帰路についていたのが印象的でした。
一方、メディアツアーの参加者たちは、次の公共交通機関「都営バス」に乗り込みます。都営バスは129系統の数を誇り、日常の足として都民に親しまれています。もちろん、自転車を積載するサービスは通常無く、今回が初の試みです。
本来は車椅子やベビーカーを載せるスペースに自転車を設置。走行中の揺れや衝撃対策として養生と固定をしっかりと行っていただき、1車両に4台ずつ積載しました。
最後に利用したのは海を隔てた品川エリアをつなぐ「りんかい線」です。東京テレポート駅から海中のトンネルを抜け、品川シーサイド駅に至る2駅間に乗車しました。東京湾の下を抜けるということもあり、コンコースまではやや深く潜る印象で、ロードバイクを押しての駅構内の移動はやや大変でした。
とはいえ、なかなかできない体験にテンション高く乗車。確実に輪行のパッキングをする手間暇よりは簡単でした。車内では自らの手で固定しつつ、補助として手すりから吊り下げたロープでサポート。わずか数分の移動でしたが、興味深い体験となりました。
3つの公共交通機関にロードバイクを載せる体験を経て、メディアツアーは終了しました。「現実的にロードバイクは載せられないのでは?」や「載せる必要のない路線では?」という声があるのは重々承知しており、私もそう思っていた一人。しかし、このような機会があって、さまざまな声を聞いて交通インフラは徐々に整備されていくもの。いまサイクリストから支持されている全国のサイクルトレインも、当初は同じ状況だったのかもしれません。
レインボーライドにメディアツアーと、自転車が都心の主役となった1日。今後、東京がより自転車に対してフレンドリーな街になっていくのではないか。そんな予感を感じさせる有意義な体験でした。
text&photo:Shusaku Matsuo
GRAND CYCLE TOKYOは東京五輪のレガシーを後世に残すべく開催された大型サイクリングイベントです。お台場海浜公園をスタートし、湾岸エリアの公道に設けられた特設コースをゆったり走るファンライド。たくさんの人が都心のサイクリングを楽しみました。
目玉は何といってもレインボーブリッジの首都高速道路を封鎖した橋の最上部を走行できること。あいにくの雨模様となりましたが、会場ではロードバイクに乗った自転車愛好家だけでなく、軽快車やレンタルの電動アシスト付き自転車に乗った方々の姿も多く見ることができました。
この日、メディア限定ツアーのメンバーが集ったのは早朝の新橋駅。「新交通ゆりかもめ」に乗って海を渡り、スタート地点にほど近いテレコムセンター駅まで向かいます。当然、ゆりかもめは普段、自転車をそのまま積載する"サイクルトレイン"としては運航していません。イベントに際する限定の企画として、1車両を貸切にした特別運行がツアー向けに用意されました。
ゆりかもめの車内では自転車を養生した壁面に沿って置き、ベルトでしっかりと固定。一般的な電車と比較するとコンパクトな車内ですが、2台設置してもスペースにまだゆとりがあります。窓の外にはこの日、橋上部を走るレインボーブリッジも見えます。止む気配のない雨でどんよりとした気持ちでしたが、非日常の光景が気持ちを前向きにしてくれます。
スタート地点はお台場海浜公園のビーチ脇から。まずはレインボーブリッジへと向かいます。「ETCカードは持ったっけ?」という冗談を交わしながら首都高速のゲートをくぐると、目の前に広がるのは東京都心の眺望! この体験だけでもイベントに参加した甲斐があるのではないでしょうか。
普段、走行することができない東京湾岸アンダー(湾岸道)を通り、現在整備中で普段は立ち入ることができない「海の森公園」までライドできるのも魅力の一つでした。
「ユニコーンガンダム」の立像がそびえ立つお台場・ダイバーシティ東京のフィニッシュ地点でゴールすると、アパレルブランドのビームスがプロデュースした大会オリジナルのサコッシュやTシャツ等のノベルティをゲットできました。周囲の参加者は雨に打たれてはいましたが、「貴重な体験ができた」と皆笑顔で帰路についていたのが印象的でした。
一方、メディアツアーの参加者たちは、次の公共交通機関「都営バス」に乗り込みます。都営バスは129系統の数を誇り、日常の足として都民に親しまれています。もちろん、自転車を積載するサービスは通常無く、今回が初の試みです。
本来は車椅子やベビーカーを載せるスペースに自転車を設置。走行中の揺れや衝撃対策として養生と固定をしっかりと行っていただき、1車両に4台ずつ積載しました。
最後に利用したのは海を隔てた品川エリアをつなぐ「りんかい線」です。東京テレポート駅から海中のトンネルを抜け、品川シーサイド駅に至る2駅間に乗車しました。東京湾の下を抜けるということもあり、コンコースまではやや深く潜る印象で、ロードバイクを押しての駅構内の移動はやや大変でした。
とはいえ、なかなかできない体験にテンション高く乗車。確実に輪行のパッキングをする手間暇よりは簡単でした。車内では自らの手で固定しつつ、補助として手すりから吊り下げたロープでサポート。わずか数分の移動でしたが、興味深い体験となりました。
3つの公共交通機関にロードバイクを載せる体験を経て、メディアツアーは終了しました。「現実的にロードバイクは載せられないのでは?」や「載せる必要のない路線では?」という声があるのは重々承知しており、私もそう思っていた一人。しかし、このような機会があって、さまざまな声を聞いて交通インフラは徐々に整備されていくもの。いまサイクリストから支持されている全国のサイクルトレインも、当初は同じ状況だったのかもしれません。
レインボーライドにメディアツアーと、自転車が都心の主役となった1日。今後、東京がより自転車に対してフレンドリーな街になっていくのではないか。そんな予感を感じさせる有意義な体験でした。
text&photo:Shusaku Matsuo
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