SuperSix EVOやTopstone、Scalpelなどあらゆるカテゴリーのバイクを展開するキャノンデール。独自のクランクセットやコックピットをHollowGramシリーズとして展開しており、中でも近年カーボンホイールは力を入れている存在。そのラインアップに加わったバリュープライスホイール"HollowGram R 45"を紹介する。



キャノンデール HollowGram R 45キャノンデール HollowGram R 45 photo:Makoto AYANO
アメリカ三大ブランドの一角として高い知名度を持つキャノンデール。アーバンバイクからレースバイクまで、ロードからMTBまで幅広いラインアップを展開するブランドであり、SuperSix EVOを筆頭に数々の名車を生み出してきた名門だ。そして、理想を追求すべく独自設計の専用品や規格を次々とリリースするチャレンジ精神を持ち合わせている。

例えば、オフロード用サスペンションのLeftyや、AiオフセットやBB30といったフレーム設計はキャノンデールの手によるもの。対応するパーツも自社開発を行い、HollowGramクランクやハンドル/ステムなどはお馴染みの存在となってきた。

外幅32mmのワイドリムによって、タイヤとの段差を小さくしている外幅32mmのワイドリムによって、タイヤとの段差を小さくしている photo:Makoto AYANO
HollowGramシリーズはエアロロード"SYSTEMSIX"のコックピット(ハンドルバー)とホイールの発表を機に一つのシリーズとして確立。特にキャノンデールのエアロダイナミクスへの知見が盛り込まれたホイールは単体販売が行われ、キャノンデールユーザー以外からも徐々に注目を集める存在となってきた。

そんなホイールラインアップにエントリーカーボンモデルのHollowGram R 45が加わる。前後合計で120,000円(前50,000円:後70,000円、いずれも税込)という驚くべきプライスタグをひっさげ、近年競争が激化する10万円台ホイールカテゴリーに参戦。完成車のアルミホイールからアップグレードを考えるユーザーのための有力な選択肢となる一本だ。

内幅21mmのチューブレスレディリムが採用されている内幅21mmのチューブレスレディリムが採用されている (c)キャノンデール
リムハイトは近年オールラウンドモデルとして定着した45mmで、エアロダイナミクスと軽量性のバランスを整えた高さと、エアロ化が進む最新のフレームのルックスにマッチする。内幅21mm、外幅32mmとトレンドを押さえたワイド設計で、28mmや30mmチューブレスタイヤとのマッチングを考えている。

HollowGram R45にはダブルバテッドのストレートプルスポークが採用され、エントリーグレードながら高い剛性を実現している。エンド幅はフロント:100x12mm、リア:142x12mmで、センターロックのみの展開。フリーボディはシマノ仕様だ。重量は前後合計で1,730g。

フォーミュラハブにストレートプルのスポークが組み合わせられるフォーミュラハブにストレートプルのスポークが組み合わせられる photo:Makoto AYANO
HollowGramロゴは控えめにあしらわれている。ニップルはインターナル仕様だHollowGramロゴは控えめにあしらわれている。ニップルはインターナル仕様だ photo:Makoto AYANO
キャノンデールからリリースされたエントリーグレードのカーボンホイールHollowGram R45。現代のロードバイクトレンドを捉えた意欲作をテストした。



-編集部インプレッション

「存在意義を感じるキャノンデールの意欲作」磯部聡(シクロワイアード編集部)

「力を入れて開発していることが伝わる」磯部聡(シクロワイアード編集部)「力を入れて開発していることが伝わる」磯部聡(シクロワイアード編集部) photo:Makoto AYANO
エントリーカーボンホイールの完成度が本当に高い。ここ最近感じていたその思いが、HollowGram R45のテストを通してさらに確固たるものになりました。

一昔前の安いホイールは軽いけど剛性が足りなかったり、剛性が高いのに重かったり。でも、HollowGram R45は"ここが弱いな"という不満を感じません。安かろう悪かろうではなく、リム、スポーク、組み方までしっかりと考え抜かれたホイールで、全体的な"しっかり感"は20万円や30万円台のモデルに通ずるものがありますね。

もちろん上位グレードと比較すればリム重量やハブの精密感など劣る部分はありますが、税込12万円と考えれば何も問題になりません。登りで勢いがなくなったら重さを感じるけれど、剛性があるのでダンシングでもへたらず推進力に繋がっています。ボリュームある45mmハイトのリムは、中速〜高速域でもちゃんと"ディープリムホイールらしい走り"を叶えてくれます。

「これが12万円。歓迎すべき意欲作」磯部聡(シクロワイアード編集部)「これが12万円。歓迎すべき意欲作」磯部聡(シクロワイアード編集部) photo:Makoto AYANO
スペックを見ても内幅21mmのチューブレスリムというトレンドを押さえた設計だし、同価格のライバル製品と比べれば剛性を稼げるストレートプルスポーク/ハブという大きな武器もある。テストで感じた高い剛性はこの設計が活きているのでしょう。

何よりもホイールとしてカッコいいのが良いですね。ロゴも控えめだし、キャノンデール以外のバイクにだって何の問題なく合わせられる。こんなホイールを12万円で手に入れられるというのは歓迎すべきことです。価格を抑えつつアップグレードを目指す上では本当に良き選択肢になるでしょう。

インプレッションライダーのプロフィール

磯部聡(シクロワイアード編集部)磯部聡(シクロワイアード編集部) 磯部聡(シクロワイアード編集部)

CWスタッフ歴12年、参加した海外ブランド発表会は20回超を数えるテック担当。ロードの、あるいはグラベルのダウンヒルを如何に速く、そしてスマートにこなすかを探求してやまない。



キャノンデール HollowGram R 45
リムタイプ:チューブレスレディ、ディスクブレーキ
リムハイト:45mm
リム内幅:21mm
リム外幅:32mm
エンド幅:フロント100x12mm、リア142x12mm
ハブ:フォーミュラ、センターロックディスク、シマノフリー
スポーク:グランドフォルツァ ダブルバテッドスポーク
重量:1,730g(ペア)
価格:フロント50,000円、リア70,000円(税込)

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