2022/12/30(金) - 09:37
2023年シーズンに向けて各チームが新たに獲得した選手を発表している。なかでもAイェーツやヴァインらを獲得したUAEチームエミレーツの補強が目立ち、東京五輪金メダリストのカラパスはEFへ移籍。注目のカヴェンディッシュはアスタナ加入が確実視されている。
アスタナカザフスタンへの加入がほぼ確実と言われているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス) photo:CorVos
UCI(国際自転車競技連盟)が定める情報解禁日の8月1日以降、2023年を見据え各チームによる選手獲得情報が発表されている。その中でも大きなトピックはツール・ド・フランス最多ステージ勝記録の更新がかかるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の動向だ。移籍合意していたB&Bホテルズ KTMが消滅したカヴェンディッシュは土壇場でアスタナカザフスタン入りが加速し、正式発表はいまだないものの既にスペインのチーム合宿に参加する姿が確認されている。
またアスタナは同じくB&B移籍が報じられていたケース・ボル(オランダ、チームDSM)も獲得し、手薄であるカヴェンディッシュのリードアウトを務める予定だ。
イネオス・グレナディアーズからは共にグランツール総合エースであるリチャル・カラパス(エクアドル)とアダム・イェーツ(イギリス)が退団する。2019年ジロ・デ・イタリア覇者かつ東京五輪金メダリストのカラパスは、長らく総合エースを務めたリゴベルト・ウラン(コロンビア)の代役としてEFエデュケーション・イージーポストに移籍。そのウランは今季限りでの引退示唆から一転、2年契約を結び、チームはもちろんコロンビア人ファンにとっても嬉しい誤算となった。
EFへ移籍するリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
UAEに加入するアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) (c)CorVos
ステージレースで抜群の安定感を誇るイェーツは、今年のストーブリーグで最も豪華な補強を行ったUAEチームエミレーツへ移籍。UAEは来季に向けティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)やフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ドメン・ノヴァク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)など登りに強みのある選手を獲得。更にジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)をロースターに加えるなど、ツール・ド・フランスの総合優勝奪還を目指し、弱点の補強に成功している。
一方でカラパスとイェーツという主戦力を失ったイネオスは、リッチー・ポート(オーストラリア)の引退やパリ〜ルーベ覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ)のユンボ・ヴィスマ、エディ・ダンバー(アイルランド)のバイクエクスチェンジ・ジェイコ移籍など大幅な戦力ダウン。今年ブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝を飾った23歳のクライマーであるテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)を獲得したものの、若手中心の補強に方向転換を図っている。
グルパマFDJは新加入の7名全員が下部チームからの昇格組と、若手育成の充実ぶりをアピールした結果となった。今年のU23リエージュ~バストーニュ~リエージュやU23ジロ・デ・イタリアなどで勝利を挙げたロマン・グレゴワール(フランス)らが中心となり、2023年シーズンはグルパマFDJの若手選手が注目される。
母国チームに移籍するアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
キャリア初のスペイン語圏のチームに移籍するフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
アルケア退団で今後の動向が注目されるナイロ・キンタナ(コロンビア) photo:CorVos
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)は母国ノルウェーのウノエックス・プロサイクリング チームに、35歳としては異例の3年契約で移籍。将来的にワールドチーム昇格を目指すウノエックスにとって最高の指南役を得ることになった。
また同じスプリンターではモビスターがフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)を獲得し、これまでエーススプリンターが希薄だったチームでの活躍が期待される。
また移籍情報ではないものの、ナイロ・キンタナ(コロンビア)がUCIが禁止する鎮静剤トラマドールの検出でアルケア・サムシックを退団。更に同じコロンビア出身のミゲルアンヘル・ロペスは、今年5月に逮捕された人物と関連があったことによってアスタナカザフスタンとの契約を解除された。12月30日現在、両者の新しい所属先は明らかになっていない。
text:Sotaro.Arakawa
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UCI(国際自転車競技連盟)が定める情報解禁日の8月1日以降、2023年を見据え各チームによる選手獲得情報が発表されている。その中でも大きなトピックはツール・ド・フランス最多ステージ勝記録の更新がかかるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の動向だ。移籍合意していたB&Bホテルズ KTMが消滅したカヴェンディッシュは土壇場でアスタナカザフスタン入りが加速し、正式発表はいまだないものの既にスペインのチーム合宿に参加する姿が確認されている。
またアスタナは同じくB&B移籍が報じられていたケース・ボル(オランダ、チームDSM)も獲得し、手薄であるカヴェンディッシュのリードアウトを務める予定だ。
イネオス・グレナディアーズからは共にグランツール総合エースであるリチャル・カラパス(エクアドル)とアダム・イェーツ(イギリス)が退団する。2019年ジロ・デ・イタリア覇者かつ東京五輪金メダリストのカラパスは、長らく総合エースを務めたリゴベルト・ウラン(コロンビア)の代役としてEFエデュケーション・イージーポストに移籍。そのウランは今季限りでの引退示唆から一転、2年契約を結び、チームはもちろんコロンビア人ファンにとっても嬉しい誤算となった。
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ステージレースで抜群の安定感を誇るイェーツは、今年のストーブリーグで最も豪華な補強を行ったUAEチームエミレーツへ移籍。UAEは来季に向けティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)やフェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ドメン・ノヴァク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)など登りに強みのある選手を獲得。更にジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)をロースターに加えるなど、ツール・ド・フランスの総合優勝奪還を目指し、弱点の補強に成功している。
一方でカラパスとイェーツという主戦力を失ったイネオスは、リッチー・ポート(オーストラリア)の引退やパリ〜ルーベ覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ)のユンボ・ヴィスマ、エディ・ダンバー(アイルランド)のバイクエクスチェンジ・ジェイコ移籍など大幅な戦力ダウン。今年ブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝を飾った23歳のクライマーであるテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)を獲得したものの、若手中心の補強に方向転換を図っている。
グルパマFDJは新加入の7名全員が下部チームからの昇格組と、若手育成の充実ぶりをアピールした結果となった。今年のU23リエージュ~バストーニュ~リエージュやU23ジロ・デ・イタリアなどで勝利を挙げたロマン・グレゴワール(フランス)らが中心となり、2023年シーズンはグルパマFDJの若手選手が注目される。
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アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)は母国ノルウェーのウノエックス・プロサイクリング チームに、35歳としては異例の3年契約で移籍。将来的にワールドチーム昇格を目指すウノエックスにとって最高の指南役を得ることになった。
また同じスプリンターではモビスターがフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)を獲得し、これまでエーススプリンターが希薄だったチームでの活躍が期待される。
また移籍情報ではないものの、ナイロ・キンタナ(コロンビア)がUCIが禁止する鎮静剤トラマドールの検出でアルケア・サムシックを退団。更に同じコロンビア出身のミゲルアンヘル・ロペスは、今年5月に逮捕された人物と関連があったことによってアスタナカザフスタンとの契約を解除された。12月30日現在、両者の新しい所属先は明らかになっていない。
text:Sotaro.Arakawa
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