2022/11/21(月) - 12:34
雨に濡れたUCIシクロクロスワールドカップ第6戦。最後尾から追い上げたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を退けてマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が勝利。女子ではパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が1分リードで独走勝利した。
スーパープレスティージュ第3戦を終え、シクロクロストップ選手たちはベルギーのフランダース地方にある街オーベレルエイセへと移動。1周3,200m、シクロクロスシーズン屈指の難コースを走るUCIシクロクロスワールドカップ第6戦が開催された。
雨の気温7度。序盤区間の長い登りや、深い轍が刻まれた下り区間など、常にコースは難しいアップダウンを繰り返す。泥の登りを踏むパワーはもちろん、滑りやすいコーナーの処理、タイヤを正確に轍に収めて走るテクニックなど、シクロクロッサーとしての全能力が求められる厳しいコンディションとなった。
女子エリート:下りを味方にしたピーテルスが独走勝利
フルメンバーが出場した女子エリートレースは、スタート直後の落車でルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が弾かれ、後方に沈むという展開で動き出す。するとすぐに、「テクニックで私が有利だと感じていたので、最初の下り区間を先頭で入りたかった」と言うパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がするすると抜け出した。
その言葉通り圧倒的な下りスピードを披露したピーテルスがリードを築き、ライバル関係にあるフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は「寒さで脚と手が動かなかった。特に脚はとても重く感じたのでマイペースに切り替えた」と追う姿勢を取らない。こうして早くも1周目前半からピーテルスの独走態勢が始まった。
轍にタイヤをはめ、身体でバランスを取らなければならない下り区間に手を焼きつつも、U23のW杯ランキングリーダージャージを着るピーテルスが独走。冴えない表情のファンエンペルが2番手、前戦で優勝したシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3番手。遥か彼方後方からは「ひどいスタートだったけれど、吹っ切れたので楽しみながら走れた」と言うブラントが追い上げてくる。
「もっと接近戦になると思っていたので少し驚いた」と振り返るピーテルスが、レースの大半を独走してフィニッシュ。2位は「コンディションが悪かった割には満足」と言うファンエンペル、3位はファンアンローイ。ブラントは4位に入り、悪コンディションのレースでトップコンディションに戻っていることをアピールした。
男子エリート:ピドコックを退け、ファントーレンハウトが勝利
男子エリートには「ワウトやマチューと比べて早めにロードシーズンを終えたのでシクロクロス移行に十分な時間があった。昨日よりもミスを減らして臨みたい」と言う世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も連戦。しかしスタート直後にチェーンを落とし、最後尾からの追い上げを強いられてしまう。
ナミュール要塞での欧州選手権制覇など、タフコンディションのレースに強いマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がシリーズランキング首位のエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と共にレースを引っ張る。ピドコックは強烈な追い上げで2周目にはラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)のいる3位グループまで追いつき、その周の後半には先頭2人をも捉えてしまった。
世界王者と欧州王者、そしてW杯ランキングリーダーという、特別ジャージ着用者3名が先頭グループを形成。ピドコックは休むことなくハイペースを貫き、絶好調とはいえないイゼルビットが脱落。ファントーレンハウトからも5秒ほどのリードを得た世界王者だったが、テクニカル区間の安定感が際立つファントーレンハウトはピドコックの登りペースに苦しみながらも、長い追走の末に再合流を果たした。
先頭グループの後ろでは偉大な父を持つティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がエリートレースでの3位争いを繰り広げ、ファンデルハールやローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)らが失速したイゼルビットを追い抜いていく。
先頭2人の均衡が崩れたのは全7周回中の6周目だった。コース序盤の長い登坂区間でピドコックがアタックしてリードを稼いだものの、S字の轍下りを終えた先で勢い余って落車してしまう。「泥に覆われた石畳で後輪を滑らせ、そのはずみでシューズが壊れてしまった」と言うピドコックを尻目にファントーレンハウトが12,3秒のリードを稼ぎ出した。
背後を確認しながら踏む欧州王者に対し、パワー区間で上回る世界王者は登りのたびにリードを縮めたものの、テクニカル区間でのミスを繰り返したため両者の差は急激な増減を繰り返す。ピドコックの脚をもってしても状況をひっくり返すことができなかった。
「僕はテクニカル区間で優位だったけれど、登りでトムについていくのはかなり厳しかった。いいバトルだったと思う」と言うファントーレンハウトが3秒差で逃げ切る。「イギリスのCXレースと同じようなコンディションだったので昨日よりも走れたけれど、ミスが大きかった。自己採点は8/10」と残念がるピドコックが2位、3位は「序盤は身体が反応しなくて苦しんだ。3位だったけれどレース内容は最悪」と振り返るファンデルハールだった。
スーパープレスティージュ第3戦を終え、シクロクロストップ選手たちはベルギーのフランダース地方にある街オーベレルエイセへと移動。1周3,200m、シクロクロスシーズン屈指の難コースを走るUCIシクロクロスワールドカップ第6戦が開催された。
雨の気温7度。序盤区間の長い登りや、深い轍が刻まれた下り区間など、常にコースは難しいアップダウンを繰り返す。泥の登りを踏むパワーはもちろん、滑りやすいコーナーの処理、タイヤを正確に轍に収めて走るテクニックなど、シクロクロッサーとしての全能力が求められる厳しいコンディションとなった。
女子エリート:下りを味方にしたピーテルスが独走勝利
フルメンバーが出場した女子エリートレースは、スタート直後の落車でルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が弾かれ、後方に沈むという展開で動き出す。するとすぐに、「テクニックで私が有利だと感じていたので、最初の下り区間を先頭で入りたかった」と言うパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がするすると抜け出した。
その言葉通り圧倒的な下りスピードを披露したピーテルスがリードを築き、ライバル関係にあるフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)は「寒さで脚と手が動かなかった。特に脚はとても重く感じたのでマイペースに切り替えた」と追う姿勢を取らない。こうして早くも1周目前半からピーテルスの独走態勢が始まった。
轍にタイヤをはめ、身体でバランスを取らなければならない下り区間に手を焼きつつも、U23のW杯ランキングリーダージャージを着るピーテルスが独走。冴えない表情のファンエンペルが2番手、前戦で優勝したシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が3番手。遥か彼方後方からは「ひどいスタートだったけれど、吹っ切れたので楽しみながら走れた」と言うブラントが追い上げてくる。
「もっと接近戦になると思っていたので少し驚いた」と振り返るピーテルスが、レースの大半を独走してフィニッシュ。2位は「コンディションが悪かった割には満足」と言うファンエンペル、3位はファンアンローイ。ブラントは4位に入り、悪コンディションのレースでトップコンディションに戻っていることをアピールした。
男子エリート:ピドコックを退け、ファントーレンハウトが勝利
男子エリートには「ワウトやマチューと比べて早めにロードシーズンを終えたのでシクロクロス移行に十分な時間があった。昨日よりもミスを減らして臨みたい」と言う世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も連戦。しかしスタート直後にチェーンを落とし、最後尾からの追い上げを強いられてしまう。
ナミュール要塞での欧州選手権制覇など、タフコンディションのレースに強いマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)がシリーズランキング首位のエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)と共にレースを引っ張る。ピドコックは強烈な追い上げで2周目にはラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)のいる3位グループまで追いつき、その周の後半には先頭2人をも捉えてしまった。
世界王者と欧州王者、そしてW杯ランキングリーダーという、特別ジャージ着用者3名が先頭グループを形成。ピドコックは休むことなくハイペースを貫き、絶好調とはいえないイゼルビットが脱落。ファントーレンハウトからも5秒ほどのリードを得た世界王者だったが、テクニカル区間の安定感が際立つファントーレンハウトはピドコックの登りペースに苦しみながらも、長い追走の末に再合流を果たした。
先頭グループの後ろでは偉大な父を持つティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がエリートレースでの3位争いを繰り広げ、ファンデルハールやローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)らが失速したイゼルビットを追い抜いていく。
先頭2人の均衡が崩れたのは全7周回中の6周目だった。コース序盤の長い登坂区間でピドコックがアタックしてリードを稼いだものの、S字の轍下りを終えた先で勢い余って落車してしまう。「泥に覆われた石畳で後輪を滑らせ、そのはずみでシューズが壊れてしまった」と言うピドコックを尻目にファントーレンハウトが12,3秒のリードを稼ぎ出した。
背後を確認しながら踏む欧州王者に対し、パワー区間で上回る世界王者は登りのたびにリードを縮めたものの、テクニカル区間でのミスを繰り返したため両者の差は急激な増減を繰り返す。ピドコックの脚をもってしても状況をひっくり返すことができなかった。
「僕はテクニカル区間で優位だったけれど、登りでトムについていくのはかなり厳しかった。いいバトルだったと思う」と言うファントーレンハウトが3秒差で逃げ切る。「イギリスのCXレースと同じようなコンディションだったので昨日よりも走れたけれど、ミスが大きかった。自己採点は8/10」と残念がるピドコックが2位、3位は「序盤は身体が反応しなくて苦しんだ。3位だったけれどレース内容は最悪」と振り返るファンデルハールだった。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第6戦 男子エリート結果
1位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:05:42 |
2位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:03 |
3位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:37 |
4位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) | +1:09 |
5位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:30 |
6位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:31 |
7位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:36 |
8位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:02 |
9位 | イェンス・アダムス(ベルギー) | +2:35 |
10位 | ケヴィン・クーン(スイス、トルマンスCXチーム) | +3:03 |
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第6戦 女子エリート結果
1位 | パック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 52:44 |
2位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:03 |
3位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:36 |
4位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:51 |
5位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:56 |
6位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) | +2:09 |
7位 | クララ・ホンシンガー(アメリカ、EFエデュケーション・ティブコSVB) | +2:16 |
8位 | エレーヌ・クラウツェル(フランス、ASバイクレーシング) | +2:32 |
9位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、777) | +3:03 |
10位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:06 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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