2022/11/14(月) - 13:24
UCIワールドカップ初登場のコースで展開された高速バトル。男女共に好勝負が繰り広げられ、シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)とローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)が勝利を掴んだ。
女子エリート:ファンエンペルに黒星、20歳ファンアンローイがビッグレース初勝利
Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山の同日、オランダのベークス・ベルゲンにあるサファリパーク公園を舞台にUCIシクロクロスワールドカップ第5戦が開催。元世界トップ選手のリシャール・グローネンダールがデザインした新登場コースは、湖周辺の砂区間と僅かなアップダウンがある森林区間を繋いだハイスピードレイアウト。男女エリートカテゴリー共に好勝負が繰り広げられた。
女子エリートレースには手首骨折で戦線を離れていた前世界女王ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレース復帰。現世界女王マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)や、前々日に久々の勝利を挙げたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)といった面々が、現在W杯4連勝中のフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)など、女子レースを席巻しているオランダの若手勢と高速レースを繰り広げた。
この日はファンエンペルがスタートから飛ばし、ライバルのパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とアルバラードを引き連れて先頭パックを形成。コンディションを上げ続けているフォスやカータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)、シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)といった面々が後続グループに入った。
レース中盤にはピーテルスがペースを上げて独走体制に持ち込もうとしたものの、ファンエンペルが追走し、アルバラードは轍に前輪を取られて落車してしまう。何度も一騎討ちを繰り広げているピーテルスとファンエンペルが先頭パックを組む中、後方からは「タイム差が縮まっていることを聞いていた」と言うファンアンローイが長い追走の末に合流し、最終周回突入と共に猛然とアタック。「少し反応が遅すぎた」と悔やむ2人を置き去りにした。
4,5秒という僅かなリードだったものの、「2人はシケインをバニーホップできるので、そこまでに差をつけておきたかった」と言うファンアンローイはノーミスでテクニカル区間をこなしてフィニッシュへ。強烈なスプリントで追い込む2人から逃げ切り、自身初となるW杯優勝を掴み取った。
「W杯を含めてTV中継のあるビッグレースで勝つのは初めて。今年は表彰台に登れたらと思っていたけれど、それ以上の結果になった。今後また勝つためにすごく大切な1勝」と20歳の勝者は語る。今季W杯初黒星のファンエンペルが2位、スプリントで敗れたピーテルスが3位。アルカンシエルを着るフォスは30秒遅れの5位に入り、ロードシーズン後の遅いCXシーズンインながら、世界選手権に向けたコンディショニングが順調であることをアピールしている。
男子エリート:高速バトルはスプリントで決着 スウェークがW杯2連勝
男子エリートレースはケヴィン・クーン(スイス、トルマンスシクロクロスチーム)のダッシュが決まり、好調ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)や新欧州王者マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)らが数珠繋ぎで連なる展開で進行。ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレースを引っ張る後ろでは3番手クーンが落車し、その影響でファンデルハールとスウェークが先行する形となる。
先頭2人にはファントーレンハウトが追いつき、好調の3名が早くも2周目に抜け出した。やがて後方からはチームDSMからバロワーズ・トレック・ライオンズに移籍したヨリス・ニューウェンハイス(オランダ)が合流。2020年と2021年にツール・ド・フランスを走り、今年はブエルタ・ア・エスパーニャを走った26歳は、チームメイトのファンデルハールのために積極的にレースを引っ張り続けた。
次なる展開に向け、ややスピードを落とした先頭グループには「スタートでペダルを外し、追いつくのにだいぶ力を使ってしまった」と言うW杯ランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が全8周回中の6周目に合流を果たす。しかし疲れのためか落車や細かいミスが重なり勝負に絡むことは難しかった。スウェークがアタックして抜け出しを試みたものの、ファントーレンハウトとファンデルハールは独走を許さない。ファンデルハールが最速ラップタイムを7周目に叩き出すなど、レースペースは終盤にかけて上がる一方だった。
スプリントに持ち込みたくないファントーレンハウトのアタックは不発に終わり、イゼルビットとニューウェンハイスも3名の背中を捕らえて終盤区間を駆け抜け、スウェークを先頭にゴールスプリントになだれ込む。「フィニッシュまで遠かったけれど、ペースを思いっきり上げていたので追い抜かれないはず」と踏み続けたスウェークがファントーレンハウトとファンデルハールを振り切った。
ヨーロッパ選手権こそ取りこぼしたものの、直近4レースで実に3勝。「ほとんど僕のキャリアでベストと呼べる状態だけど、まだ100%ではない。コースは自分向きだった」と、第4戦に続くW杯2連勝を飾ったスウェークは言う。3レース連続の2位に甘んじたファンデルハールは「シケインをバニーホップできず、それで先頭グループの主導権を失ってしまった。最後はエリ(イゼルビット)にも絡まれて対処しなければならず余計な力を使ってしまった。ローレンスはスプリントで強かったけれど、僕も同じくらいの伸びだったから残念だ」と悔やんでいる。
女子エリート:ファンエンペルに黒星、20歳ファンアンローイがビッグレース初勝利
Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山の同日、オランダのベークス・ベルゲンにあるサファリパーク公園を舞台にUCIシクロクロスワールドカップ第5戦が開催。元世界トップ選手のリシャール・グローネンダールがデザインした新登場コースは、湖周辺の砂区間と僅かなアップダウンがある森林区間を繋いだハイスピードレイアウト。男女エリートカテゴリー共に好勝負が繰り広げられた。
女子エリートレースには手首骨折で戦線を離れていた前世界女王ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレース復帰。現世界女王マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)や、前々日に久々の勝利を挙げたセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)といった面々が、現在W杯4連勝中のフェム・ファンエンペル(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)など、女子レースを席巻しているオランダの若手勢と高速レースを繰り広げた。
この日はファンエンペルがスタートから飛ばし、ライバルのパック・ピーテルス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とアルバラードを引き連れて先頭パックを形成。コンディションを上げ続けているフォスやカータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス)、シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)といった面々が後続グループに入った。
レース中盤にはピーテルスがペースを上げて独走体制に持ち込もうとしたものの、ファンエンペルが追走し、アルバラードは轍に前輪を取られて落車してしまう。何度も一騎討ちを繰り広げているピーテルスとファンエンペルが先頭パックを組む中、後方からは「タイム差が縮まっていることを聞いていた」と言うファンアンローイが長い追走の末に合流し、最終周回突入と共に猛然とアタック。「少し反応が遅すぎた」と悔やむ2人を置き去りにした。
4,5秒という僅かなリードだったものの、「2人はシケインをバニーホップできるので、そこまでに差をつけておきたかった」と言うファンアンローイはノーミスでテクニカル区間をこなしてフィニッシュへ。強烈なスプリントで追い込む2人から逃げ切り、自身初となるW杯優勝を掴み取った。
「W杯を含めてTV中継のあるビッグレースで勝つのは初めて。今年は表彰台に登れたらと思っていたけれど、それ以上の結果になった。今後また勝つためにすごく大切な1勝」と20歳の勝者は語る。今季W杯初黒星のファンエンペルが2位、スプリントで敗れたピーテルスが3位。アルカンシエルを着るフォスは30秒遅れの5位に入り、ロードシーズン後の遅いCXシーズンインながら、世界選手権に向けたコンディショニングが順調であることをアピールしている。
男子エリート:高速バトルはスプリントで決着 スウェークがW杯2連勝
男子エリートレースはケヴィン・クーン(スイス、トルマンスシクロクロスチーム)のダッシュが決まり、好調ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)や新欧州王者マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)らが数珠繋ぎで連なる展開で進行。ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がレースを引っ張る後ろでは3番手クーンが落車し、その影響でファンデルハールとスウェークが先行する形となる。
先頭2人にはファントーレンハウトが追いつき、好調の3名が早くも2周目に抜け出した。やがて後方からはチームDSMからバロワーズ・トレック・ライオンズに移籍したヨリス・ニューウェンハイス(オランダ)が合流。2020年と2021年にツール・ド・フランスを走り、今年はブエルタ・ア・エスパーニャを走った26歳は、チームメイトのファンデルハールのために積極的にレースを引っ張り続けた。
次なる展開に向け、ややスピードを落とした先頭グループには「スタートでペダルを外し、追いつくのにだいぶ力を使ってしまった」と言うW杯ランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が全8周回中の6周目に合流を果たす。しかし疲れのためか落車や細かいミスが重なり勝負に絡むことは難しかった。スウェークがアタックして抜け出しを試みたものの、ファントーレンハウトとファンデルハールは独走を許さない。ファンデルハールが最速ラップタイムを7周目に叩き出すなど、レースペースは終盤にかけて上がる一方だった。
スプリントに持ち込みたくないファントーレンハウトのアタックは不発に終わり、イゼルビットとニューウェンハイスも3名の背中を捕らえて終盤区間を駆け抜け、スウェークを先頭にゴールスプリントになだれ込む。「フィニッシュまで遠かったけれど、ペースを思いっきり上げていたので追い抜かれないはず」と踏み続けたスウェークがファントーレンハウトとファンデルハールを振り切った。
ヨーロッパ選手権こそ取りこぼしたものの、直近4レースで実に3勝。「ほとんど僕のキャリアでベストと呼べる状態だけど、まだ100%ではない。コースは自分向きだった」と、第4戦に続くW杯2連勝を飾ったスウェークは言う。3レース連続の2位に甘んじたファンデルハールは「シケインをバニーホップできず、それで先頭グループの主導権を失ってしまった。最後はエリ(イゼルビット)にも絡まれて対処しなければならず余計な力を使ってしまった。ローレンスはスプリントで強かったけれど、僕も同じくらいの伸びだったから残念だ」と悔やんでいる。
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第5戦 男子エリート結果
UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第5戦 女子エリート結果
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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