2022/11/12(土) - 20:44
熱戦が繰り広げられたRapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山初日の男女エリートレースをレポート。織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がJCX3連勝を挙げ、女子では小川咲絵(AX cyclocross team)が圧勝した。
女子エリート:"苦手なコース"で小川咲絵が独走勝利
試走時間を挟み、いよいよRapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山初日のエリートレースが始まった。13:40スタートの女子エリートカテゴリー1には、先週の幕張クロス2位小川咲絵(AX cyclocross team)や、オフシーズントレーニングとしてシクロクロスに出場する與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)といった面々が集う。
全日本CX女王の渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)といった面々不在のレースで独走したのは、「先週悔しい思いをしているので絶対勝ちたかった」と言う小川。「苦手なテクニカルコース」と表現する滝沢牧場の特設コースで、1周目から與那嶺を引き離しにかかった。
パワフルかつ丁寧な走りでハイペースを刻む小川のリードは、15秒、30秒、そして1分とラップを重ねるごとに広がっていく。「最初から自分のペースで思いっきり踏みました。滑りやすいところは転ばないようにして、踏めるところはガンガン踏んでいった」と言う小川。2番手與那嶺の後ろには石田唯と大蔵こころの早稲田大学勢が続いたが、1〜4位のポジションは、レースが進むにつれて確固たるものとなっていった。
「まずは明日の2日目。そこでしっかり勝って、次にしっかりと繋げたい」と、狙い通りの独走で今季5勝目をマークした小川は言う。もちろん狙うのは昨年2位に甘んじた全日本選手権のリベンジだが、その開催地は日本最高レベルの深い砂が待つワイルドネイチャープラザ(愛知県稲沢市)。ロードレースをルーツにもつ小川は砂レースを走ったことがなく、11月26日-27日に同会場で開催されるJCF公認レースで予行練習を行い、その後の期間で調整を行うという。
2位に入ったのは、レースとイベントを楽しめたと言う與那嶺。日本唯一の女子ワールドツアー選手にとって来季2023シーズンはパリオリンピック選考の懸かる大切な年。モチベーションを落とさないためにシクロクロスを走り刺激を入れているというが、レーススケジュールの関係で全日本選手権は不出場と言う。3位は石田。9位の小田恵利花(PAXPROJECT)までが同一周回完走者となった。
男子エリート:織田聖が自脚を見せつける 食い下がった小坂光が2位
西日差し込む男子エリートレースのスタートラインに並んだのは70名。昨年のDay1を制した沢田時(チームブリヂストンサイクリング)はツール・ド・おきなわ出場のため不在だが、全日本王者の小坂光(宇都宮ブリッツェン)や織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)など、国内トップ勢がほぼ顔を揃えた。
14:40の号砲と共にダッシュを決めたのは、この野辺山で行われた2017年全日本選手権を制している小坂だ。「相性が良いコースだし、ここ最近のトレーニングでも調子が上がってきているのを感じていて自信があった」と言う全日本王者に続いたのは下馬評通り織田。その後ろは加藤健悟(臼杵レーシング)や中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)、 堀川滉太(NEBcycling)、鈴木来人といった顔ぶれが続く。11年所属したチームを離れ、装い新たに個人参戦する竹之内悠は「自分の出だしがびっくりするぐらい遅かった」とやや後方に飲まれる序盤戦となる。
今季負けなし織田は、この日も力強い走りを披露した。当然のように2連シケインと溝越えを全て飛びきり、パワーが求められる舗装路登坂も重いギアをぐいぐいと踏み込んでリードを築いていく。後輪パンクによって一時小坂に追い抜かれたものの、すぐに追いつき、あまり時間を要さず再び独走態勢に持ち込んだ。
逃げる織田と追う小坂。この2人に匹敵するラップタイムを唯一刻んだのは「途中から新バイクの走り方が分かってきた」と言う竹之内で、中盤には加藤と鈴木グループをパスして3位へと浮上。鈴木と4位争いを繰り広げていた加藤は後輪パンクに見舞われて遅れ、最終的に7位に終わっている。
こうして表彰台メンバーが選りすぐられ、9周回のほとんどを独走した織田が開幕戦土浦、次戦幕張に続くJCXシリーズ3連勝を達成。「パンクも含めて前半戦は凡ミスが多かったんですが、後半は持ち直してノーミスでいけました。明日も同じ走りをしたい」と2連勝を目指している。
2位となった小坂だが、「トレーニングも順調ですし、ちょっとずつ聖との差を詰められている」とコンディションには満足しているようだ。「何があるか分からないので離されても集中して追い込んだ」と言い「明日はコンディションが違うのでまた楽しみです」とも。3位の竹之内も「(小坂)光より少し遅いくらいのラップタイムを刻めたので良い感じ」と同じく好感触を掴んでいるようだ。
「前を追うというよりも自分の中でどれだけ我慢できるかというレースになってしまった」と言う鈴木が4位で、中島が5位。フルラップ完走は33名だった。
ドライコンディションの高速レースが続いたDay1を終え、Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山はエリートレースにUCIポイントが懸けられたDay2へと向かう。天気予報は概ね曇りだが、男子レース開催中の15時頃から雨模様となる見込みだ。今季国内ビッグレース初の泥レースとなるかどうかに注目が集まる。
女子エリート:"苦手なコース"で小川咲絵が独走勝利
試走時間を挟み、いよいよRapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山初日のエリートレースが始まった。13:40スタートの女子エリートカテゴリー1には、先週の幕張クロス2位小川咲絵(AX cyclocross team)や、オフシーズントレーニングとしてシクロクロスに出場する與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)といった面々が集う。
全日本CX女王の渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)といった面々不在のレースで独走したのは、「先週悔しい思いをしているので絶対勝ちたかった」と言う小川。「苦手なテクニカルコース」と表現する滝沢牧場の特設コースで、1周目から與那嶺を引き離しにかかった。
パワフルかつ丁寧な走りでハイペースを刻む小川のリードは、15秒、30秒、そして1分とラップを重ねるごとに広がっていく。「最初から自分のペースで思いっきり踏みました。滑りやすいところは転ばないようにして、踏めるところはガンガン踏んでいった」と言う小川。2番手與那嶺の後ろには石田唯と大蔵こころの早稲田大学勢が続いたが、1〜4位のポジションは、レースが進むにつれて確固たるものとなっていった。
「まずは明日の2日目。そこでしっかり勝って、次にしっかりと繋げたい」と、狙い通りの独走で今季5勝目をマークした小川は言う。もちろん狙うのは昨年2位に甘んじた全日本選手権のリベンジだが、その開催地は日本最高レベルの深い砂が待つワイルドネイチャープラザ(愛知県稲沢市)。ロードレースをルーツにもつ小川は砂レースを走ったことがなく、11月26日-27日に同会場で開催されるJCF公認レースで予行練習を行い、その後の期間で調整を行うという。
2位に入ったのは、レースとイベントを楽しめたと言う與那嶺。日本唯一の女子ワールドツアー選手にとって来季2023シーズンはパリオリンピック選考の懸かる大切な年。モチベーションを落とさないためにシクロクロスを走り刺激を入れているというが、レーススケジュールの関係で全日本選手権は不出場と言う。3位は石田。9位の小田恵利花(PAXPROJECT)までが同一周回完走者となった。
男子エリート:織田聖が自脚を見せつける 食い下がった小坂光が2位
西日差し込む男子エリートレースのスタートラインに並んだのは70名。昨年のDay1を制した沢田時(チームブリヂストンサイクリング)はツール・ド・おきなわ出場のため不在だが、全日本王者の小坂光(宇都宮ブリッツェン)や織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)など、国内トップ勢がほぼ顔を揃えた。
14:40の号砲と共にダッシュを決めたのは、この野辺山で行われた2017年全日本選手権を制している小坂だ。「相性が良いコースだし、ここ最近のトレーニングでも調子が上がってきているのを感じていて自信があった」と言う全日本王者に続いたのは下馬評通り織田。その後ろは加藤健悟(臼杵レーシング)や中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム)、 堀川滉太(NEBcycling)、鈴木来人といった顔ぶれが続く。11年所属したチームを離れ、装い新たに個人参戦する竹之内悠は「自分の出だしがびっくりするぐらい遅かった」とやや後方に飲まれる序盤戦となる。
今季負けなし織田は、この日も力強い走りを披露した。当然のように2連シケインと溝越えを全て飛びきり、パワーが求められる舗装路登坂も重いギアをぐいぐいと踏み込んでリードを築いていく。後輪パンクによって一時小坂に追い抜かれたものの、すぐに追いつき、あまり時間を要さず再び独走態勢に持ち込んだ。
逃げる織田と追う小坂。この2人に匹敵するラップタイムを唯一刻んだのは「途中から新バイクの走り方が分かってきた」と言う竹之内で、中盤には加藤と鈴木グループをパスして3位へと浮上。鈴木と4位争いを繰り広げていた加藤は後輪パンクに見舞われて遅れ、最終的に7位に終わっている。
こうして表彰台メンバーが選りすぐられ、9周回のほとんどを独走した織田が開幕戦土浦、次戦幕張に続くJCXシリーズ3連勝を達成。「パンクも含めて前半戦は凡ミスが多かったんですが、後半は持ち直してノーミスでいけました。明日も同じ走りをしたい」と2連勝を目指している。
2位となった小坂だが、「トレーニングも順調ですし、ちょっとずつ聖との差を詰められている」とコンディションには満足しているようだ。「何があるか分からないので離されても集中して追い込んだ」と言い「明日はコンディションが違うのでまた楽しみです」とも。3位の竹之内も「(小坂)光より少し遅いくらいのラップタイムを刻めたので良い感じ」と同じく好感触を掴んでいるようだ。
「前を追うというよりも自分の中でどれだけ我慢できるかというレースになってしまった」と言う鈴木が4位で、中島が5位。フルラップ完走は33名だった。
ドライコンディションの高速レースが続いたDay1を終え、Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山はエリートレースにUCIポイントが懸けられたDay2へと向かう。天気予報は概ね曇りだが、男子レース開催中の15時頃から雨模様となる見込みだ。今季国内ビッグレース初の泥レースとなるかどうかに注目が集まる。
Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山2022 男子エリートDay1
1位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 1:04:20 |
2位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェン) | +0:27 |
3位 | 竹之内悠 | +1:25 |
4位 | 鈴木来人 | +1:59 |
5位 | 中島渉(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +2:14 |
6位 | 堀川滉太(NEBcycling) | +2:47 |
7位 | 加藤 健悟(臼杵レーシング) | +3:08 |
8位 | アレクサンダー・ジェームス(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | +3:45 |
9位 | 比護任(イナーメ信濃山形) | +4:12 |
10位 | 重田兼吾(TeamCUORE) | +4:19 |
Rapha+弱虫ペダル スーパークロス野辺山2022 女子エリートDay1
1位 | 小川咲絵(AX cyclocross team) | 48:03 |
2位 | 與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) | +2:21 |
3位 | 石田唯(早稲田大学) | +2:56 |
4位 | 大蔵こころ(早稲田大学) | +4:28 |
5位 | 鵜飼知春(and more) | 5:13 |
6位 | 西形舞(TRC PANAMA REDS) | +5:24 |
7位 | 川崎路子(PAXPROJECT) | +5:30 |
8位 | 安藤沙弥(SHIDO-WORKS) | +6:15 |
9位 | 小田恵利花(PAXPROJECT) | +6:22 |
10位 | 吉岡梨紗(PAXPROJECT) | -1lap |
text:So.Isobe
photo:Kei Tsuji/Rapha+弱虫ペダル Super Cross Nobeyama
photo:Kei Tsuji/Rapha+弱虫ペダル Super Cross Nobeyama