2022/10/28(金) - 16:28
10月27日に2023年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションが行われ、バスクのビルバオで開幕する第110回大会のコース全貌が明らかになった。僅か22kmの個人タイムトライアル1つに対し、合計8つの山岳ステージが含まれる、クライマー向きのレイアウトだ。
今年1月に発表された通り、グランデパール(開幕地)はバスク最大の都市であるビルバオ。そこからフランスに入国してピレネー山脈を越え、中央山塊からジュラ山脈、アルプス山脈とフランスを西から東へ横断するように進む110回ツール・ド・フランス。7月1日(土)から23日(日)の日程で行われる大会を締めくくるのはもちろんパリ・シャンゼリゼ。合計距離は2022年大会より76km長い3,404kmだ。
ステージカテゴリー内訳
平坦ステージ:8
丘陵ステージ:4
山岳ステージ:8(山頂フィニッシュ:4)
個人タイムトライアル:1
2023年大会で特筆すべきは全21ステージを通して個人タイムトライアルが1度しか登場しないこと。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が初制覇した2020年も個人TTは1つ(36.2km)だったが、本大会は22kmと更に短い。そのためTT能力を武器とするレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は個人TTが3つ登場する(合計距離70.6km)ジロ・デ・イタリアに照準を定める可能性が高い。
第1ステージは短くも急勾配な坂の多いバスクを象徴するような丘陵ステージ。最後は5%登坂の頂上にフィニッシュするため、パンチャーやスピードに長けたクライマー、軽量スプリンターにマイヨジョーヌ獲得にチャンスがありそうだ。その後2日間のバスクでの戦いを経て、フランス入国後の第6ステージに、ピレネー山脈を舞台とした大会最初の山岳フィニッシュが訪れる。
大会1週目のクライマックスは中央山塊に移動して行われる第9ステージだ。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の祖父レイモン・プリドールが亡くなった地であるサン・レオナール・ド・ノブラを出発し、数々の名勝負を生み、1988年以来の登場となるピュイ・ド・ドーム(距離13.3km/平均7.7%)を登り詰める184kmの山岳ステージだ。
クレルモン・フェランで迎える1度目の休息日を経て、山岳ばかりの第2週にスプリンターの出番は少ない。丘陵、平坦、丘陵ステージの後はジュラ山脈の超級山岳グランコロンビエ峠(距離17.4km/平均7.1%)を含む山岳ステージが3日連続(第13、14、15ステージ)で登場。ここでマイヨジョーヌの争いが本格的に動き出す。
クイーンステージと目されているのは、今大会最高標高地点であるコル・デ・ラ・ロズ(2,304m)が登場する第17ステージだ。コース序盤から中盤にかけて3つのカテゴリー山岳をクリアして、フィニッシュ地点は最大勾配24%のロズ峠(距離28.4km/平均6%)を越えた先。山頂フィニッシュには分類されていないものの、最後のクールシュヴェルも最大18%を登坂する過酷なステージとなる。
第3週目は前述した大会唯一の個人タイムトライアル(22km)で幕を開ける。コース終盤にはベルナール・イノーが1980年の世界選手権で優勝アタックを決めたコート・ド・ドマンシー(距離2.5km/平均9.4%)が待ち受けるため、独走力に加え登坂力も求められる。そして5つのカテゴリー山岳を超える第20ステージの最終山岳決戦でマイヨジョーヌの行方が決定する。400kmと比較的距離の短い移動後に迎える最終日は、例年通りパリ・シャンゼリゼ通りにフィニッシュするスプリンター向きの平坦ステージだ。
近年稀に見る短さのタイムトライアルに加え、3週間満遍なく山岳ステージが散りばめられた本大会は正真正銘「クライマー向き」のツールとなった。
コースプレゼンテーションに出席したポガチャルやマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)ら有力選手のコメントは別途紹介予定。
今年1月に発表された通り、グランデパール(開幕地)はバスク最大の都市であるビルバオ。そこからフランスに入国してピレネー山脈を越え、中央山塊からジュラ山脈、アルプス山脈とフランスを西から東へ横断するように進む110回ツール・ド・フランス。7月1日(土)から23日(日)の日程で行われる大会を締めくくるのはもちろんパリ・シャンゼリゼ。合計距離は2022年大会より76km長い3,404kmだ。
ステージカテゴリー内訳
平坦ステージ:8
丘陵ステージ:4
山岳ステージ:8(山頂フィニッシュ:4)
個人タイムトライアル:1
2023年大会で特筆すべきは全21ステージを通して個人タイムトライアルが1度しか登場しないこと。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が初制覇した2020年も個人TTは1つ(36.2km)だったが、本大会は22kmと更に短い。そのためTT能力を武器とするレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)やプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は個人TTが3つ登場する(合計距離70.6km)ジロ・デ・イタリアに照準を定める可能性が高い。
第1ステージは短くも急勾配な坂の多いバスクを象徴するような丘陵ステージ。最後は5%登坂の頂上にフィニッシュするため、パンチャーやスピードに長けたクライマー、軽量スプリンターにマイヨジョーヌ獲得にチャンスがありそうだ。その後2日間のバスクでの戦いを経て、フランス入国後の第6ステージに、ピレネー山脈を舞台とした大会最初の山岳フィニッシュが訪れる。
大会1週目のクライマックスは中央山塊に移動して行われる第9ステージだ。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の祖父レイモン・プリドールが亡くなった地であるサン・レオナール・ド・ノブラを出発し、数々の名勝負を生み、1988年以来の登場となるピュイ・ド・ドーム(距離13.3km/平均7.7%)を登り詰める184kmの山岳ステージだ。
クレルモン・フェランで迎える1度目の休息日を経て、山岳ばかりの第2週にスプリンターの出番は少ない。丘陵、平坦、丘陵ステージの後はジュラ山脈の超級山岳グランコロンビエ峠(距離17.4km/平均7.1%)を含む山岳ステージが3日連続(第13、14、15ステージ)で登場。ここでマイヨジョーヌの争いが本格的に動き出す。
クイーンステージと目されているのは、今大会最高標高地点であるコル・デ・ラ・ロズ(2,304m)が登場する第17ステージだ。コース序盤から中盤にかけて3つのカテゴリー山岳をクリアして、フィニッシュ地点は最大勾配24%のロズ峠(距離28.4km/平均6%)を越えた先。山頂フィニッシュには分類されていないものの、最後のクールシュヴェルも最大18%を登坂する過酷なステージとなる。
第3週目は前述した大会唯一の個人タイムトライアル(22km)で幕を開ける。コース終盤にはベルナール・イノーが1980年の世界選手権で優勝アタックを決めたコート・ド・ドマンシー(距離2.5km/平均9.4%)が待ち受けるため、独走力に加え登坂力も求められる。そして5つのカテゴリー山岳を超える第20ステージの最終山岳決戦でマイヨジョーヌの行方が決定する。400kmと比較的距離の短い移動後に迎える最終日は、例年通りパリ・シャンゼリゼ通りにフィニッシュするスプリンター向きの平坦ステージだ。
近年稀に見る短さのタイムトライアルに加え、3週間満遍なく山岳ステージが散りばめられた本大会は正真正銘「クライマー向き」のツールとなった。
コースプレゼンテーションに出席したポガチャルやマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)ら有力選手のコメントは別途紹介予定。
ツール・ド・フランス2023ステージリスト
ステージ | 日時 | スタート〜フィニッシュ | 距離 |
---|---|---|---|
第1ステージ | 7月1日(土) | ビルバオ〜ビルバオ | 182km(丘陵) |
第2ステージ | 7月2日(日) | ビトリア・ガステイス〜サン・セバスティアン | 209km(丘陵) |
第3ステージ | 7月3日(月) | アモレビエタ・エチャノ〜バイヨンヌ | 185km(平坦) |
第4ステージ | 7月4日(火) | ダクス〜ノガロ | 182km(平坦) |
第5ステージ | 7月5日(水) | ポー〜ラランス | 165km(山岳) |
第6ステージ | 7月6日(木) | タルブ〜コテレ・カムバスク | 145km(山岳/山頂) |
第7ステージ | 7月7日(金) | モン・ド・マルサン〜ボルドー | 170km(平坦) |
第8ステージ | 7月8日(土) | リブルヌ〜リモージュ | 201km(丘陵) |
第9ステージ | 7月9日(日) | サン・レオナール・ド・ノブラ〜ピュイ・ド・ドーム | 184km(山岳/山頂) |
休息日 | 7月10日(月) | クレルモン・フェラン | |
第10ステージ | 7月11日(火) | ビュルカニア〜イソワール | 167km(丘陵) |
第11ステージ | 7月12日(水) | クレルモン・フェラン〜ムーラン | 180km(平坦) |
第12ステージ | 7月13日(木) | ロアンヌ〜ベルビル・アン・ボジョレー | 169km(丘陵) |
第13ステージ | 7月14日(金) | シャティオン・シュル・シャロンヌ〜グランコロンビエ | 138km(山岳/山頂) |
第14ステージ | 7月15日(土) | アンヌマス〜モルジンヌ | 152km(山岳) |
第15ステージ | 7月16日(日) | レ・ゲット・レ・ポート・デュ・ソレイユ〜サンジェルベ・モンブラン | 180km(山岳/山頂) |
休息日 | 7月17日(月) | サンジェルベ・モンブラン | |
第16ステージ | 7月18日(火) | パッシー〜コンブルー | 22km(個人TT) |
第17ステージ | 7月19日(水) | サンジェルベ・モンブラン〜クールシュヴェル | 166km(山岳) |
第18ステージ | 7月20日(木) | ムティエ〜ブールカン・ブレス | 186km(丘陵) |
第19ステージ | 7月21日(金) | モワラン・アン・モンターニュ〜ポリニー | 173km(平坦) |
第20ステージ | 7月22日(土) | ベルフォール〜ル・マルクシュタイン | 133km(山岳) |
第21ステージ | 7月23日(日) | サンカンタン・アン・イヴリーヌ〜パリ・シャンゼリゼ | 115km(平坦) |
text:Sotaro.Arakawa
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