ランカウイ2日目の集団スプリントで先着したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)は危険行為によって降格。コンチネンタルチーム所属のクレイグ・ウィギンス(オーストラリア、ARAプロレーシング・サンシャインコースト)が金星を掴んだ。



笑顔を見せる留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)笑顔を見せる留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos
8日間に渡ってマレーシアを駆け抜けるツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)。今大会最長距離の178.9kmを走る第2ステージは前日にも増してスプリンター向きの平坦ステージであり、6名の逃げに対し、総合リーダーでスプリント2連勝を狙うグレブ・シリツァ(ロシア)擁するアスタナ・カザフスタンがコントロールする状況でレースが進んだ。

残り10kmを切って全ての逃げメンバーを吸収し、アスタナやUAEチームエミレーツなどワールドチーム勢がリードアウトトレインをぶつけながら最終盤へ。結果的にどのチームも主導権を握ることができない混沌とした状況の中、シリツァやヤコブ・マレツコ(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク)らが同時に腰を上げ、スプリント勝負が始まった。

横一列の大集団スプリント。フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がラインをこじ開ける横一列の大集団スプリント。フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がラインをこじ開ける photo:CorVos
スプリントで先着したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)スプリントで先着したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
残り300mを切った時点で中盤に埋もれていたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)は、右端にラインを見つけ、一気に加速して先頭へ。フィニッシュラインまでもがききったモラノがランカウイ初勝利を掴んだ、はずだった。

しかしモラノは、スプリント開始前の位置取り争い中にレイモンド・クレダー(オランダ、チーム右京)を左手で押しのけたため、フィニッシュから暫く時間が経ったのちに集団最後尾順位へと降格に。これを受けてスプリントで2着に入ったクレイグ・ウィギンス(オーストラリア、ARAプロレーシング・サンシャインコースト)が第2ステージ勝者となった。

シリツァは2連勝こそ叶わなかったものの、ボーナスタイムを得てリーダージャージをキープ。集団フィニッシュした留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)は「第二ステージ、無事にフィニッシュ。この環境で走れることに感謝。明日は山岳ステージです」とSNSに綴っている。

リーダージャージを守ったグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)リーダージャージを守ったグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos
翌日第3ステージはランカウイ名物の超級山岳ゲンティン・ハイランドにフィニッシュするクイーンステージ。ここまで2日間、なりを潜めてきた総合争いに期待したい。
ツール・ド・ランカウイ2022第2ステージ結果
1位 クレイグ・ウィギンス(オーストラリア、ARAプロレーシング・サンシャインコースト) 4:09:20
2位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)
3位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)
5位 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ロット・スーダル)
個人総合成績
1位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) 7:52:47
2位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) +0:10
3位 サインバヤル・ジャンバルジャムツ(モンゴル、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)
4位 ピーラポン・チャオチェンクワン(タイ、タイランドコンチネンタルチーム)
5位 マックス・カンター(ドイツ、モビスター) +0:12
その他の特別賞
山岳賞 ムハマド・ザリフ(マレーシア、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)
ポイント賞 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)
チーム総合成績 ウノエックス・プロサイクリング チーム
text:So Isobe