2022/10/08(土) - 17:49
モニュメントの1つ「イル・ロンバルディア」が本日10月8日に開催される。連覇に挑むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)に対抗するのはヴィンゲゴーやAイェーツ。現役最後のワールドツアーレースに臨むバルベルデやニバリも揃って出場する一戦をプレビューします。
総獲得標高差4,800mオーバー コース前半から難関山岳が登場
今年のワールドツアーを締めくくるイル・ロンバルディア(別名ジロ・ディ・ロンバルディア)が、10月8日(土)に行われる。第1回大会が1905年に開催と歴史深いイタリアのワンデーレースは、自転車選手ならば誰しもが憧れるミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュと並び「モニュメント」と称される一戦だ。
秋に開催されることから「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」とも呼ばれるこのレースは、その名の通りイタリア北部ロンバルディア州が舞台。スタートとフィニッシュ地点が年によって入れ替わることでも知られ、第116回大会は昨年同様にベルガモからコモに向かう253kmで行われる。
総獲得標高差が4,800mに達する過酷なコースは序盤から厳しい山岳が登場する。まずは足慣らしとしてフォルセロ・ディ・ビアンツァーノを越え、直後のパッソ・ディ・ガンダ(距離9.2km/平均7.3%/スタート後40km)を登り詰める。逃げ切り勝利を狙う選手たちにとって、ここが1つ目の仕掛け所となるだろう。
その後も細かいアップダウンを越え、本格的なアタック合戦が予想されるのは残り69.5kmのマドンナ・デル・ギザッロ(距離8.6km/平均6.2%)から。その頂上に立つマドンナ・デル・ギザッロ教会はサイクリストの聖地としてイル・ロンバルディアはもちろんジロ・デ・イタリアでも度々訪れる名所だ。
今大会最大の勝負所は残り22km地点からはじまるチヴィリオだ。徐々に勾配が上がっていく総距離9.2kmの登りは平均勾配7.3%で、勾配が跳ね上がる頂上手前2.5kmから最大勾配15%が登場する。昨年はこの登りでヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)が加速し、その後アタックを決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が初出場で初優勝に輝いた。
ポガチャルの2連覇を阻止するのは誰だ?
ポガチャルは2年連続優勝を狙うべく出場。前哨戦の1つであるジロ・デッレミリアではエンリク・マス(スペイン、モビスター)の登坂アタックに遅れを喫したものの、トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネでは得意のスプリントで勝利するなど好調ぶりをアピール。優勝候補筆頭であることには変わらない。その対抗はツール・ド・フランスの後に休養を挟み、復帰戦として出場したクロ・レースでは区間2勝を挙げたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)。ツールで世界を沸かせた一騎打ちが見れられるか。
昨年は3位で表彰台に上がったアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は、モニュメント制覇を去るチームへの置き土産とできるか。来季よりUAEチームエミレーツに加入するアダムは世界選手権をスキップして初のイル・ロンバルディア制覇に注力する。その一方で、兄弟のサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)はトレーニング中の落車で出場をキャンセル。一足先に今シーズンを終えている。
過去に2連覇を成し遂げているフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)がその翌日に開催されるパリ〜トゥールを選ぶなか、同じ現役最終年であるヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は揃って出場。またチームスカイやミッチェルトン・スコットで活躍し、今年限りで現役を退くミケル・ニエベ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)も出走リストに挙がっている。
チームDSMに移籍してから復活の兆しを掴みつつあるロマン・バルデやブノワ・コスヌフロワ(AG2Rシトロエン)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)らフランス勢の走りにも注目。またアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)とセルヒオ・イギータ(コロンビア)を揃えるボーラ・ハンスグローエも強力なチーム力を有し、今年のブエルタ・ア・エスパーニャでプロ初勝利から区間2勝と勢いのあるジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)の動きも見逃せない。
text:Sotaro.Arakawa
総獲得標高差4,800mオーバー コース前半から難関山岳が登場
今年のワールドツアーを締めくくるイル・ロンバルディア(別名ジロ・ディ・ロンバルディア)が、10月8日(土)に行われる。第1回大会が1905年に開催と歴史深いイタリアのワンデーレースは、自転車選手ならば誰しもが憧れるミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュと並び「モニュメント」と称される一戦だ。
秋に開催されることから「落ち葉のクラシック(クラッシカ・デッレ・フォリエ・モルテ)」とも呼ばれるこのレースは、その名の通りイタリア北部ロンバルディア州が舞台。スタートとフィニッシュ地点が年によって入れ替わることでも知られ、第116回大会は昨年同様にベルガモからコモに向かう253kmで行われる。
総獲得標高差が4,800mに達する過酷なコースは序盤から厳しい山岳が登場する。まずは足慣らしとしてフォルセロ・ディ・ビアンツァーノを越え、直後のパッソ・ディ・ガンダ(距離9.2km/平均7.3%/スタート後40km)を登り詰める。逃げ切り勝利を狙う選手たちにとって、ここが1つ目の仕掛け所となるだろう。
その後も細かいアップダウンを越え、本格的なアタック合戦が予想されるのは残り69.5kmのマドンナ・デル・ギザッロ(距離8.6km/平均6.2%)から。その頂上に立つマドンナ・デル・ギザッロ教会はサイクリストの聖地としてイル・ロンバルディアはもちろんジロ・デ・イタリアでも度々訪れる名所だ。
今大会最大の勝負所は残り22km地点からはじまるチヴィリオだ。徐々に勾配が上がっていく総距離9.2kmの登りは平均勾配7.3%で、勾配が跳ね上がる頂上手前2.5kmから最大勾配15%が登場する。昨年はこの登りでヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)が加速し、その後アタックを決めたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が初出場で初優勝に輝いた。
ポガチャルの2連覇を阻止するのは誰だ?
ポガチャルは2年連続優勝を狙うべく出場。前哨戦の1つであるジロ・デッレミリアではエンリク・マス(スペイン、モビスター)の登坂アタックに遅れを喫したものの、トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネでは得意のスプリントで勝利するなど好調ぶりをアピール。優勝候補筆頭であることには変わらない。その対抗はツール・ド・フランスの後に休養を挟み、復帰戦として出場したクロ・レースでは区間2勝を挙げたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)。ツールで世界を沸かせた一騎打ちが見れられるか。
昨年は3位で表彰台に上がったアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は、モニュメント制覇を去るチームへの置き土産とできるか。来季よりUAEチームエミレーツに加入するアダムは世界選手権をスキップして初のイル・ロンバルディア制覇に注力する。その一方で、兄弟のサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)はトレーニング中の落車で出場をキャンセル。一足先に今シーズンを終えている。
過去に2連覇を成し遂げているフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)がその翌日に開催されるパリ〜トゥールを選ぶなか、同じ現役最終年であるヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)は揃って出場。またチームスカイやミッチェルトン・スコットで活躍し、今年限りで現役を退くミケル・ニエベ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)も出走リストに挙がっている。
チームDSMに移籍してから復活の兆しを掴みつつあるロマン・バルデやブノワ・コスヌフロワ(AG2Rシトロエン)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)らフランス勢の走りにも注目。またアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)とセルヒオ・イギータ(コロンビア)を揃えるボーラ・ハンスグローエも強力なチーム力を有し、今年のブエルタ・ア・エスパーニャでプロ初勝利から区間2勝と勢いのあるジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)の動きも見逃せない。
text:Sotaro.Arakawa
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