急勾配フィニッシュでヴィンゲゴー勝利　粘ったミランが総合首位キープ

ツール・ド・フランス覇者ヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ）の登坂力が炸裂。未舗装路と簡易舗装の激坂バトルを制し、今一度その力を見せつけた。

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民族衣装に身を包んだ女性たちがスタート地点に集った photo:CRO Race
風光明媚なアドリア海沿岸を駆け抜けるクロ・レース（UCI2.1）の第3ステージ。例によって157kmコースの大部分は平坦だが、最後の最後に距離3.5kmの2級山岳を越え、勢いそのままに未舗装路と20%に迫る簡易舗装の激坂区間を経てフィニッシュへともつれ込む。この日はヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク）をエースに据えるユンボ・ヴィスマがレースを支配した。

ユンボ・ヴィスマは逃げグループを終盤に吸収したのちもコントロールを継続。2級山岳を越え、残り2kmを切ると2連勝で波に乗るジョナサン・ミラン（イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス）やチームDSMが先頭を奪ったものの、チームメイトに守られたヴィンゲゴーは先頭に飛び付ける位置をキープして勝負の最終盤区間に突入した。

この日は7名の逃げ集団が形成された photo:CorVos
プロトンはバーレーン・ヴィクトリアスとユンボ・ヴィスマがコントロールを担う photo:CorVos今年のツール・ド・フランスで激闘を繰り広げたヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ）とゲラント・トーマス（イギリス、イネオス・グレナディアーズ） photo:CorVos

硬く締まった未舗装区間をトラブルなく終え、そのまま突入した急勾配の簡易舗装区間ではミランがアタックするも、オマル・フライレ（スペイン、イネオス・グレナディアーズ）やヴィンゲゴー、普段DSMの下部育成チームに所属する19歳のオスカル・オンレー（イギリス、チームDSM）が追従。オンレーのアタックを冷静にチェックし、残り50m地点からスプリントしたヴィンゲゴーがステージ勝利をさらいとった。

「最後はすごくトリッキーだったよ。路面はバンピーだったのでダンシングが難しく、シッティングでリードを奪ったんだ」と言うヴィンゲゴーはツール・ド・フランス以降初レース初勝利。「勝利に興奮しているよ。脚はいい感じだし、総合優勝にこだわっているわけではないけどベストを尽くしていく。これまではシーズン終盤でもベストコンディションを維持するのに苦しんだけれど、今回の勝利で今年は違うことを実感できた。今後のレースに向けて自信がついたよ」と、昨年14位で終えた自身2度目のイル・ロンバルディアを目指すヴィンゲゴーは話している。

オスカル・オンレー（イギリス、チームDSM）の前に出るヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
登坂スプリントを制し、ガッツポーズするヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
総合優勝したツール・ド・フランス以来となる勝利を挙げたヨナス・ヴィンゲゴー（デンマーク、ユンボ・ヴィスマ） photo:CRO Race
粘りに粘り、9秒遅れのステージ5位で終えたミランはヴィンゲゴーに対して1秒差で首位キープ。驚きの走りを披露したオンレーが総合3位に浮上している。