2022/09/23(金) - 19:16
最終周回にワールドチームに所属する2名のアタックが決まったロード世界選手権U23ロードレース。エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン)がマティアス・ヴァチェク(チェコ)とのマッチスプリントで勝利し、序盤にパンクに見舞われた留目夕陽は途中リタイアとなった。
優勝候補のオラフ・コーイ(左から2人目)を擁するオランダ photo:CorVos
男子ジュニアの興奮が冷めやらぬままスタートが切られたロード世界選手権男子U23ロードレース。若きアルカンシエルを懸けた戦いの舞台は、ジュニアと共通の1周17.1kmのコースを10周する169.8km。コースには最大勾配14%のマウント・プレサント(距離1.1km/平均7.7%)が含まれているため、その獲得標高差は2,520mと登坂力のない選手を退けるレイアウトだ。
朝からぱらつく程度だった雨は激しさを増し、完全ウェットなコンディションで139名の選手たちがウロンゴン市街地をスタート。濡れた路面の影響もあり優勝候補の1人であるレオ・ヘイター(イギリス)らが序盤から落車し、日本から1人出場した留目夕陽は1周目でパンクに見舞われる。留目はニュートラルサポートによってホイール交換をしたものの、集団復帰は叶わずDNFとなった。
雨の中スタートする139名の選手たち photo:CorVos
1周目にパンクし、ホイール交換するも集団に追いつかなかった留目夕陽 TV image
レース序盤から逃げグループを形成したファビオ・ファンデンボスへ(ベルギー)ら6名 photo:CorVos
オランダやイギリスがプロトン先頭で人数を固め、アルペシン・ドゥクーニンクに所属するファビオ・ファンデンボスへ(ベルギー)ら6名の逃げグループを追う形でレースは展開。その後も下りやテクニカルなコーナーで単独落車が発生しながらも、逃げとプロトンは順調に距離を消化していった。
一度止んだ雨が再び降り始め、3名まで人数を減らした逃げグループのリードは残り35km地点で28秒。しかし最後まで抵抗したマティス・ルベール(フランス)の激走も叶わず、最後から2回目のマウント・プレサントの下りで集団はひと塊へと戻った。
その後、散発的なアタックからマティアス・ヴァチェク(チェコ)やエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン)などワールドチームで走る選手たちを中心とした4名が先行グループを形成。ここに一度は集団に吸収されたルベールが食らいつき、最大23秒のリードを稼ぎフィニッシュを目指した。
一度止んだ雨が、レース中盤に入り再び選手たちを襲った photo:CorVos
終盤で先行したエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン)とマティアス・ヴァチェク(チェコ) photo:CorVos
マッチスプリントを制し、両手を上げるエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン) photo:CorVos
最後のマウント・プレサントに突入した逃げ集団はヴァチェクとフェドロフの2名に絞り込まれる。合流を目指しプロトンからアレクサンドル・バルメール(スイス)やフランスが代わる代わる飛び出すものの、ローテーションを回し突き進む先頭の2人には届かない。
世界トップスプリンターを相手に今季9勝と好調のオラフ・コーイ(オランダ)を含む追走集団は、協調体制を築くことができず、勝負は男子ジュニアに続きマッチスプリントに持ち込まれる。そしてもがきながら踏み込むヴァチェクを突き放したフェドロフが、両手を高々と突き上げ勝利を決めた。
「僕はクライマーではないので、登りが鍵になると思っていた。だがもしそこを(先頭で)越えることができれば、フィニッシュで勝利を掴めると思った」と所属するアスタナカザフスタンのアレクサンドル・ヴィノクロフGMの通訳を通して語ったフェドロフ。「1度、2度、3度目のアタックがようやく決まった。ナショナルチームにとってはもちろん、僕自身にとっても本当に嬉しい勝利だ」と193cmと長身のフェドロフは笑顔を見せた。
同カテゴリーではカザフスタンに2012年のアレクセイ・ルツェンコ以来、10年ぶりの勝利をもたらしたフェドロフ。自身初出場したブエルタ・ア・エスパーニャを完走直後にビッグタイトルを掴み取った。
2位マティアス・ヴァチェク(チェコ)、1位エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン)、3位ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー) photo:CorVos
フェドロフの通訳として現れたアレクサンドル・ヴィノクロフ photo:CorVos
カザフスタンに10年ぶりとなるアルカンシエルをもたらしたエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン) photo:CorVos
一方、途中棄権となった留目はレース直後にSNSを更新。「一周目でパンク。日本のチームカーは走ってなくシマノカーでホイールを交換してもらったがその時点で集団、車はもういなくなってました。力を出す前で何もかも終わりました。期待に応えられませんでした。悔しいですが気持ち切らさずまたコツコツと頑張ります。言葉が出ません」と、心の内を綴っている。
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男子ジュニアの興奮が冷めやらぬままスタートが切られたロード世界選手権男子U23ロードレース。若きアルカンシエルを懸けた戦いの舞台は、ジュニアと共通の1周17.1kmのコースを10周する169.8km。コースには最大勾配14%のマウント・プレサント(距離1.1km/平均7.7%)が含まれているため、その獲得標高差は2,520mと登坂力のない選手を退けるレイアウトだ。
朝からぱらつく程度だった雨は激しさを増し、完全ウェットなコンディションで139名の選手たちがウロンゴン市街地をスタート。濡れた路面の影響もあり優勝候補の1人であるレオ・ヘイター(イギリス)らが序盤から落車し、日本から1人出場した留目夕陽は1周目でパンクに見舞われる。留目はニュートラルサポートによってホイール交換をしたものの、集団復帰は叶わずDNFとなった。
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オランダやイギリスがプロトン先頭で人数を固め、アルペシン・ドゥクーニンクに所属するファビオ・ファンデンボスへ(ベルギー)ら6名の逃げグループを追う形でレースは展開。その後も下りやテクニカルなコーナーで単独落車が発生しながらも、逃げとプロトンは順調に距離を消化していった。
一度止んだ雨が再び降り始め、3名まで人数を減らした逃げグループのリードは残り35km地点で28秒。しかし最後まで抵抗したマティス・ルベール(フランス)の激走も叶わず、最後から2回目のマウント・プレサントの下りで集団はひと塊へと戻った。
その後、散発的なアタックからマティアス・ヴァチェク(チェコ)やエフゲニー・フェドロフ(カザフスタン)などワールドチームで走る選手たちを中心とした4名が先行グループを形成。ここに一度は集団に吸収されたルベールが食らいつき、最大23秒のリードを稼ぎフィニッシュを目指した。
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最後のマウント・プレサントに突入した逃げ集団はヴァチェクとフェドロフの2名に絞り込まれる。合流を目指しプロトンからアレクサンドル・バルメール(スイス)やフランスが代わる代わる飛び出すものの、ローテーションを回し突き進む先頭の2人には届かない。
世界トップスプリンターを相手に今季9勝と好調のオラフ・コーイ(オランダ)を含む追走集団は、協調体制を築くことができず、勝負は男子ジュニアに続きマッチスプリントに持ち込まれる。そしてもがきながら踏み込むヴァチェクを突き放したフェドロフが、両手を高々と突き上げ勝利を決めた。
「僕はクライマーではないので、登りが鍵になると思っていた。だがもしそこを(先頭で)越えることができれば、フィニッシュで勝利を掴めると思った」と所属するアスタナカザフスタンのアレクサンドル・ヴィノクロフGMの通訳を通して語ったフェドロフ。「1度、2度、3度目のアタックがようやく決まった。ナショナルチームにとってはもちろん、僕自身にとっても本当に嬉しい勝利だ」と193cmと長身のフェドロフは笑顔を見せた。
同カテゴリーではカザフスタンに2012年のアレクセイ・ルツェンコ以来、10年ぶりの勝利をもたらしたフェドロフ。自身初出場したブエルタ・ア・エスパーニャを完走直後にビッグタイトルを掴み取った。
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一方、途中棄権となった留目はレース直後にSNSを更新。「一周目でパンク。日本のチームカーは走ってなくシマノカーでホイールを交換してもらったがその時点で集団、車はもういなくなってました。力を出す前で何もかも終わりました。期待に応えられませんでした。悔しいですが気持ち切らさずまたコツコツと頑張ります。言葉が出ません」と、心の内を綴っている。
ロード世界選手権2022男子U23ロードレース
1位 | エフゲニー・フェドロフ(カザフスタン) | 3:57:08 |
2位 | マティアス・ヴァチェク(チェコ) | +0:01 |
3位 | ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー) | +0:03 |
4位 | マディス・ミーケルズ(エストニア) | |
5位 | オラフ・コーイ(オランダ) | |
6位 | パヴェル・ビットナー(チェコ) | |
7位 | マシュー・ディンハム(オーストラリア) | |
8位 | ポール・ペノエ(フランス) | |
9位 | マテフ・ゴベカール(スロベニア) | |
10位 | イェンノ・べアクムース(ベルギー) | |
DNF | 留目夕陽 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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