9月10日に行われた「秋のしもふさクリテリウム」でQNリーグ第8戦が開催。Nリーグでは宮嵜博己(チームBMレーシング)、Qリーグで岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)がリーダージャージを奪還している。主催者からのレポートで紹介する。



千葉県成田市の下総運動公園で開催されたQNリーグ第8戦「秋のしもふさクリテリウム」千葉県成田市の下総運動公園で開催されたQNリーグ第8戦「秋のしもふさクリテリウム」 photo:Takashi Saito
9月10日(土)、千葉県成田市・下総運動公園で「秋のしもふさクリテリウム」が、素晴らしい秋晴れのもとで開催された。今大会主催である株式会社マトリックスのサイクルロードレース協会東日本が運営するレースは、発足当時から女子や中学生、キッズ向けクラスが設定している。

さらに単独レースとしても運営されており、対象選手達が年間シリーズ戦を目標にして切磋琢磨し大会を盛り上げている。そんな大会とQNリーグはリーグ初年度から提携し、お互いに選手の育成と普及に協力している。

5月にも「春のしもふさクリテリウム」が行なわれており、このレースは秋大会としての開催。1周回約1.5kmの常設コースであり、QリーグとNリーグ中学生女子NWは「レディースクラス」、Nリーグ中学生男子Nは「中学生クラス」と、それぞれの対象レースでリーグポイント獲得のため熱いレース展開が繰り広げられた。

副賞を提供しているアスリチューンなどのブースが並ぶ副賞を提供しているアスリチューンなどのブースが並ぶ photo:QNリーグ事務局Hamster Spinの福田昌弘氏がライドクリニックを実施していたHamster Spinの福田昌弘氏がライドクリニックを実施していた photo:QNリーグ事務局


当日は昼過ぎから風が強くなったが、秋晴れで絶好のコンディション。朝のクリニックには今シーズンもJBCFやJCLレースで連勝を重ねるマトリックスパワータグ所属の狩野智也が指導し、多くの方々がレース攻略レクチャーを受けてレースに備えていた。

クリニック特別講師はHamster Spinでお馴染みの福田昌弘氏が務め、合間に行なわれるコース試走ごとでも随時クリニックを実施する形でレース直前の対策を講じられる体制となっていた。そして会場内にブース出展が多く賑やかなのもこの大会の特徴。QNリーグのポイントリーダー賞でもお馴染みの株式会社隼の「アスリチューン・ブース」では、レース直前や直後のケアに製品開発者でもある三上慶将氏から直接、アドバイスを受けられるのも魅力。この日も朝からさまざまなブースに多くの人が立ち寄る姿が見られた。

朝8時過ぎからスタートした120分エンデューロレースを終えて、最初のクラス別レースが、Nリーグ中学生男子Nが対象となる「中学生」。今回は36人がエントリーし、6周回=9kmのレースは10時40分の定刻にスタートした。

Nリーグ中学生男子には36人がエントリーNリーグ中学生男子には36人がエントリー photo:Takashi Saito
Nリーグリーダーの証「バトルマリンジャージ」を着る工藤(写真左:ブラウ・ブリッツェン)も選手の動きを細かくチェックNリーグリーダーの証「バトルマリンジャージ」を着る工藤(写真左:ブラウ・ブリッツェン)も選手の動きを細かくチェック photo:Takashi Saito
一⻫にきれいにスタートした集団から、序盤に飛び出したのはNリーグ登録の稲葉 恵人。コントロールラインに戻ってからは再び集団に戻るも、その中でNリーグポイントリーダーの工藤健太(ブラウ・ブリッツェン U15)、ランキング上位に付く宮嵜博己(チームBMレーシング)や成瀬 謙汰(ウィンディー筑波)、井上湧心、さらにはシリーズ前戦の対象レースで優勝した宇田川瀬那(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)達が⻁視眈々とお互いをマークしながらレースは進む。

そんなメイン集団のペースは周回ごとに上がっていき、その集団から1人、また1人とドロップアウトしていくなか、リーグのポイントランキング上位選手たちは見事に集団へ残り、最終決戦はゴールスプリントに持ち込まれた。

片手を高々と上げてガッツポーズをする稲葉恵人片手を高々と上げてガッツポーズをする稲葉恵人 photo:Takashi Saito
スプリントは序盤から動きの良かった稲葉が先行し優勝、片手を高々と上げて天を指すゴールシーンで会場が沸き立った。そのすぐ後ろではスプリント合戦となり、4位に滑り込んだ宮嵜がリーグ2位で20ポイントを獲得。合計 100ポイントでポイントリーダーの座に輝き、リーグ第3戦「第1回わたらせクリテリウム」以来となるバトルマリンジャージの獲得を果たした。

ポイントリーダー授与式を前にして宮嵜は「終始、バトルマリンジャージを狙いながら走っていました。ゴールスプリントでは優勝した稲葉選手が先行し、その後ろが詰まってしまいましたが何とか前方へ抜け出して、欲しかったリーダージャージが手に入って良かったです。次の大磯クリテでも頑張ります!」と嬉しそうにコメントした。

Nリーグ中学生男子Nリーダーを再び獲得し笑顔が弾ける宮嵜(チームBMレーシング)Nリーグ中学生男子Nリーダーを再び獲得し笑顔が弾ける宮嵜(チームBMレーシング) photo:Takashi Saito
レース優勝を果たした稲葉(写真左)と、そのコメントを聞きながらリーダーの座を失った 苦い表情の工藤(写真中央)は、次戦でのリベンジを誓ったレース優勝を果たした稲葉(写真左)と、そのコメントを聞きながらリーダーの座を失った 苦い表情の工藤(写真中央)は、次戦でのリベンジを誓った photo:Takashi Saito
一方、レースで優勝を決めた稲葉は「最初から積極的に動いたのが上手くいった。最後の周で少しだけペースが緩んだ瞬間、登りが得意なのでラストの登り坂のところで自分に優位に動けたと思います。この後の大磯クリテ、あと登りの多いツール・ド・はなわでリーダーを狙っていきます」と意気込みを語ってくれた。

この後、キッズの年齢別クラスレースを挟んで、QリーグとNリーグ中学生女子NWが対象の「レディース」が12時6分からスタート。こちらは5周回=7.5kmで競われ、エントリーは11人。

QリーグとNリーグ中学生女子NWが対象の「レディース」には11名が出走QリーグとNリーグ中学生女子NWが対象の「レディース」には11名が出走 photo:Takashi Saito
Qリーグリーダーの岡本香織(Team 一匹狼)と岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)が積極的にレースを展開するQリーグリーダーの岡本香織(Team 一匹狼)と岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)が積極的にレースを展開する photo:Takashi Saito
スタートから積極的な動きとなり、最初の1周回を終えてコントロールラインに戻った時点で、メインの集団は5名に絞られる。その中には、この時点でQリーグリーダーの岡本香織(Team 一匹狼)、その岡本をランキングポイントわずか5ポイント差で追う岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)、昨年のQリーグ総合リーダー廣瀬博子(サイタマサイクルプロジェクト)、リーグ初年度に中学生女子で大活躍した筒井楓(SPORTSKID ZYYX)が含まれる。

後半もメイン集団の5人は先頭を目まぐるしく変えながら動き、最終周回のゴール少し手前で筒井と岡本が抜け出し2人のスプリントに。結果、僅差で筒井が先行して優勝。岡本は2位となったが、リーグポイント28Pを獲得し第5戦「第2回わたらせクリテリウム」以来、再びアメジストジャージを手に入れることができた。

岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)がアメジストジャージを奪還岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)がアメジストジャージを奪還 photo:Takashi Saito
優勝した根本はリ ーダーに返り咲いた岡本の健闘を称えた優勝した根本はリ ーダーに返り咲いた岡本の健闘を称えた photo:Takashi Saito
ポイントリーダー授与式で岡本は「筒井選手は速かったので積極的に動いてみましたが、ゴールスプリントで仕掛けたのが(自分のタイミングが)遅かったです。次の大磯クリテこそ優勝を狙っていきたいと思います!」と力強いコメントをくれた。

さらに、そんな岡本をランキングポイントわずか3ポイント差で追う根本は「若い選手の走りが良くて、付いていきながら最後のスプリントに追いつきたかったが届かなかった。次戦は勝ちます!」とリーダーに返り咲いた岡本の健闘を称えた。

左からQリーグポイントリーダーの岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)、Nリーグポイントリーダーの宮嵜博己(チームBMレーシング)、NWリーグポイントリーダーの大矢彩雲(ブラウブリッツェン U15)左からQリーグポイントリーダーの岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)、Nリーグポイントリーダーの宮嵜博己(チームBMレーシング)、NWリーグポイントリーダーの大矢彩雲(ブラウブリッツェン U15) photo:QNリーグ事務局
また、QNリーグシリーズ戦は今後、10月16日(日)に神奈川県中郡の大磯プリンスホテル特設クリテリウムコースにて開催の「大磯クリテリウム」で9戦が開催される。各リーグのポイントリーダージャージ争いにも注目していきたい。日程など詳しい情報はQNリーグHP内の紹介ページを参照してほしい。

レポートは主催者より
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