平均50km/hを超える圧倒的なスピードで駆け抜けたソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)がロード世界選手権U23タイムトライアルで勝利。男子エリートを制したフォスに続いてノルウェー勢が強さを見せつけた。日本の留目夕陽は21位だった。



2周目に入りペースアップを図ったソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)2周目に入りペースアップを図ったソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー) photo:CorVos
ロード世界選手権2022 男子U23個人タイムトライアルコースマップ&プロフィールロード世界選手権2022 男子U23個人タイムトライアルコースマップ&プロフィール image:wollongong2022.com.au前日の男女エリートよりも3kmほど短い14.6kmのコースを約2周する、全長28.8kmで行われた男子U23タイムトライアル。男子エリートを制したトビアス・フォス(ノルウェー)が「テクニカルでトリッキー」というように、コースには多くの直角コーナーや急勾配の丘が登場。独走力だけではなく、ペース配分やバイクコントロールなど様々な要素が求められるレイアウトで争われた。

フィニッシュラインを1度通過するため44名の選手が5組に分かれてスタート。第1ウェーブから好タイムが連続するなか、U23男子で4連覇中のデンマーク代表カールフレデリック・べヴォルトが平均時速50kmに迫るタイムで駆け抜け、34分53秒というトップタイムをマークした。

このべヴォルトから早々にホットシートを奪ったのはレオ・ヘイター(イギリス)。今年8月よりイネオス・グレナディアーズに加入したヘイターは、3ヶ所の中間計測すべてでトップタイムを叩き出し34分37秒(平均49.918km/h)でフィニッシュ。しかし、そのタイムを全体の29番目に出走したソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)が更新した。

前半組でトップタイムを出し、長らくホットシートに座ったレオ・ヘイター(イギリス)前半組でトップタイムを出し、長らくホットシートに座ったレオ・ヘイター(イギリス) photo:CorVos
ヴァーレンショルト17秒及ばなかったアレック・セガールト(ベルギー)ヴァーレンショルト17秒及ばなかったアレック・セガールト(ベルギー) photo:CorVos観戦のためオーストラリアにやってきたトム・デュムラン観戦のためオーストラリアにやってきたトム・デュムラン photo:CorVos

雄叫びを上げ喜ぶソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)雄叫びを上げ喜ぶソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー) photo:CorVos
ウノエックス・プロサイクリングチームに所属するヴァーレンショルトは第1計測こそヘイターの6秒遅れだったものの、2周目に入ると驚異的なペースアップを敢行。平均時速50kmを超えるスピードを最後まで維持し、ヘイターのタイムを24秒上回る34分13秒を叩き出した。このタイムにアレック・セガールト(ベルギー)が肉薄する走りを見せたものの16秒及ばず、ヴァーレンショルトが男子U23のタイムトライアル王者に輝いた。

「勝利の秘訣はプレイステーションでF1のゲームをたくさんやったから。そこで学んだコーナリングが実際の走りに活かされた。このコースはコーナーが鍵になると分かっていたし、何よりトビアス(フォス)からコツを聞いていたんだ」と語るヴァーレンショルト。「トビアスのアドバイスは”登りのために力を溜め、下りで脚の回復に努めろ”というものだった。また2周目に向けて力を溜めてペース配分に気をつけた。とても良いレースになったよ」。

これでノルウェーは前日のフォスに続くタイムトライアル2連勝。U23カテゴリーの個人TTでヴァーレンショルトは、1998年に優勝したトル・フースホフト以来24年ぶりとなるノルウェー人王者となった。

また、U23の日本TT王者として臨んだ留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)は1周目こそ良いペースを刻んだものの後半に失速。トップから2分20秒遅れの21位でフィニッシュしている。

21位でフィニッシュした留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)21位でフィニッシュした留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) photo:CorVos
2位:アレック・セガールト(ベルギー)、1位:ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)、3位:	レオ・ヘイター(イギリス)2位:アレック・セガールト(ベルギー)、1位:ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)、3位: レオ・ヘイター(イギリス) photo:CorVos
ロード世界選手権2022男子U23個人タイムトライアル結果
順位 名前 タイム 平均スピード
1位 ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー) 0:34:13 50.502km/h
2位 アレック・セガールト(ベルギー) +0:17 50.087km/h
3位 レオ・ヘイター(イギリス) +0:25 49.894km/h
4位 ローガン・カリー(ニュージランド) +0:33 49.703km/h
5位 ミヒェル・ヘスマン(ドイツ) +0:39 49.560km/h
6位 カールフレデリック・べヴォルト(デンマーク) +0:40 49.537km/h
7位 エディ・ル・ユイットゥーズ(フランス) +0:51 49.278km/h
8位 ラウル・ガルシア(スペイン) +1:03 48.998km/h
9位 マティアス・ヴァチェク(チェコ) +1:04 48.975km/h
10位 ロレンゾ・ミレージ(フランス) +1:05 48.952km/h
21位 留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) +2:20 47.278km/h
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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