ルクセンブルク4日目は総合優勝の行方を占う26.1kmの個人タイムトライアル。プロデビュー以来目前で勝利を逃し続けてきたマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)がトップタイムを叩き出し、念願のプロ初勝利と共に総合首位に浮上した。



トップタイムを叩き出したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)トップタイムを叩き出したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
ツール・ド・ルクセンブルク2022第4ステージ コースプロフィールツール・ド・ルクセンブルク2022第4ステージ コースプロフィール image:Skoda Tour LuXembourgロード世界選手権を見据える選手が多数集うツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)4日目は、ドイツとの国境に面するルミシュを舞台とした26.1km個人タイムトライアル。スタート直後に距離1.6km/平均8.8%の急勾配坂を越え、中間計測地点は距離2.1km/平均5%を駆け上がった頂上。その後は平坦かつ直線路がフィニッシュまで続いていく。

本格山岳ステージがないため総合陣にとって重要な個人TTとなったこの日、前半スタートで好タイムを出したのはモルテン・フルゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリング チーム)。成績不振を理由に今年限りで現役引退する24歳のフルゴーは34分18秒(平均45.656km/h)で暫定トップに立ち、長らくホットシートを温めることになった。

その後ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・サムシック)がフルゴーを10秒上回る34分8秒(平均45.879km/h)でトップタイムを更新。しかしその直後、最後から9番目に出走したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)がヴォークランのタイムを3秒更新した。

ステージ11位(41秒遅れ)でフィニッシュしたポイント賞ジャージを着るマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)ステージ11位(41秒遅れ)でフィニッシュしたポイント賞ジャージを着るマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
ステージ10位(39秒遅れ)でフィニッシュしたヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)ステージ10位(39秒遅れ)でフィニッシュしたヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
平均45.946km/h、34分5秒を叩き出した21歳のスケルモース。リーダージャージを着て出走したヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)など総合勢も全員このタイムには及ばず、前日ステージの最終盤で飛び出すも勝利を逃したスケルモースが待望のプロ初勝利を掴んだ。

「この勝利の価値は大きい。今年は勝利をあと一歩のところで逃していた。数え切れないほど何度もね。言葉に出来ないほど嬉しい。最後の向かい風に加え、序盤の急勾配な登りもキツかった。登りでは力を溜め、最後の平坦区間では目を閉じてひたすらに踏み込んだ。子どもの頃の夢が叶った気持ちだよ」と、心境を語るスケルモース。プロになってからトップ10に28度入り(今年だけでも20回)、ようやくとなるプロ1勝目を挙げた。

プロ初勝利と共に総合でも首位に浮上したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)プロ初勝利と共に総合でも首位に浮上したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
総合ランキングが大きくシャッフルされた結果、スケルモースは総合リーダージャージも獲得。また総合2位には区間2位のヴォークランがジャンプアップに成功している。

翌日は1級山岳と超級山岳がそれぞれ2つずつ登場するの大会最終日。だがいずれも登坂距離が2〜5kmと短く、平均勾配も6%と難易度は低い。最後は丘陵地帯に設定された急勾配の丘を含むコースを3周するため、総合優勝を狙うチームがトレック・セガフレードに対し攻勢をかけるはずだ。
ツール・ド・ルクセンブルク2022第4ステージ結果
1位 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) 34:05
2位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・サムシック) 0:03
3位 モルテン・フルゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリング チーム) 0:13
4位 ティボー・ゲルナレック(フランス、アルケア・サムシック) 0:15
5位 シュールト・バックス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 0:25
個人総合成績
1位 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) 13:07:27
2位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、アルケア・サムシック) 0:03
3位 シュールト・バックス(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 0:14
4位 ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) 0:21
5位 ケヴィン・ゲニエッツ(ルクセンブルク、グルパマ・エフデジ) 0:25
その他の特別賞
山岳賞 セバスティアン・モラ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
ポイント賞 マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)
ヤングライダー賞 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)
チーム総合成績 アルケア・サムシック
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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