3年ぶりのジャパンカップまであと1ヶ月。海外チームの出場選手発表が都内で行われ、ジュリオ・チッコーネやリゴベルト・ウラン、ティム・ウェレンス、マイケル・ウッズ、ヤコブ・フルサン、ギヨーム・マルタン(フランス)、そして新城幸也と中根英登ら、豪華な布陣が発表された。



ジャパンカップ1ヶ月前となる9月14日に東京都内で開かれた記者発表会ジャパンカップ1ヶ月前となる9月14日に東京都内で開かれた記者発表会 photo:Satoru Kato
宇都宮ブリッツェンの廣瀬佳正代表取締副社長がゲストとして登壇宇都宮ブリッツェンの廣瀬佳正代表取締副社長がゲストとして登壇 photo:Satoru Katoツアー・オブ・ジャパン組織委員会の栗村修委員長「例年に比べて本物の戦いが見られる」ツアー・オブ・ジャパン組織委員会の栗村修委員長「例年に比べて本物の戦いが見られる」 photo:Satoru Kato


コロナ禍の中止を挟み、3年ぶりに10月14日(金)から16日(日)までの3日間日程で復活開催されるジャパンカップ。9月14日(水)、主催者は記者発表会で合計10に及ぶ海外チームの出場選手や、参戦する国内チームなどを公開した。

記者発表会に登壇した宇都宮市の佐藤栄一市長(写真中央)らが「JAPANCUP is BACK」のバナーと共に記念撮影記者発表会に登壇した宇都宮市の佐藤栄一市長(写真中央)らが「JAPANCUP is BACK」のバナーと共に記念撮影 photo:Satoru Kato
日程は10月14日(金)夜に宇都宮市街オリオンスクエアでのチームプレゼンテーション、15日(土)が森林公園特設コースでのアマチュアレースと宇都宮市街でのクリテリウム開催、16日(日)が森林公園特設コースでのジャパンカップサイクルロードレース。3年ぶりとなる開催に宇都宮が沸くことは間違いない。

栗村修さん(ツアー・オブ・ジャパン イベントディレクター)と廣瀬佳正さん(サイクルスポーツマネージメント代表取締役副社長)というお馴染みの2人をゲストにした発表会で、現時点で判明している出場選手が続々発表された。

今年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝を挙げたジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)今年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝を挙げたジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:RCS Sport
ジロ前半戦でマリアローザを着続けたフフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード)ジロ前半戦でマリアローザを着続けたフフアン・ロペス(スペイン、トレック・セガフレード) photo:CorVos2019年大会のクリテリウムを制したエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)2019年大会のクリテリウムを制したエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji


既報の通り、海外出場チームは合計10。UCIワールドチームはトレック・セガフレードとバーレーン・ヴィクトリアス、コフィディス、EFエデュケーション・イージーポスト、イスラエル・プレミアテック、ロット・スーダルの合計6チーム、セカンドディビジョンのUCIプロチームはエウスカルテル・エウスカディとチーム ノボ ノルディスク、そしてUCIコンチネンタルチームはリュブリャナ・グスト・サンティックとトレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチームがその脇を彩る。

2019年大会を制したトレック・セガフレードは、元ジロ・デ・イタリア山岳王のジュリオ・チッコーネ(イタリア)と、今年のジロでマリアローザを着続けた注目株フアン・ロペス(スペイン)を中心に据えて通算3勝目を狙う。過去2度ジャパンカップを制しているバウケ・モレマ(オランダ)の参戦は見送られたものの、ベテランのダリオ・カタルド(イタリア)や参戦経験を持つアントワン・トールク(オランダ)、クリテリウム優勝経験を持つエドワード・トゥーンス(ベルギー)がその脇を固める。チーム力は今大会参加チーム中トップクラスと言えるだろう。

ブエルタでステージ優勝を挙げているリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)ブエルタでステージ優勝を挙げているリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Makoto AYANO
全日本チャンピオンジャージと共に凱旋する新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)全日本チャンピオンジャージと共に凱旋する新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Satoru Kato
来日常連組のEFエデュケーション・イージーポストは、先のブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を挙げたリゴベルト・ウラン(コロンビア)の参戦決定がビッグニュース。ニールソン・ポーレス(アメリカ)などグランツール常連組のほか、中根英登(日本)の凱旋帰国にも注目だ。

全日本チャンピオンジャージをひっさげて凱旋する新城幸也は、山岳アシストのヘルマン・ペルンスタイナー(オーストリア)や若手のヨハン・プリースパイタースン(デンマーク)と共に、2015年の3位に続く表彰台を目指す。

UCIのPROシリーズ最終戦であるジャパンカップは、現在繰り広げられているワールドツアーの残留争いにおいても重要な意味を持つ。ブエルタ終了時点でのランキングにおいて、残留圏外の18位がコフィディス、19位がロット・スーダル、そして20位がイスラエル・プレミアテック。この3チームが全て参戦するため、例年以上に様々な思惑が絡み合うハイレベルなレースになるはずだ。

イスラエル・プレミアテックのエースを担うマイケル・ウッズ(カナダ)とヤコブ・フルサン(デンマーク)イスラエル・プレミアテックのエースを担うマイケル・ウッズ(カナダ)とヤコブ・フルサン(デンマーク) photo:CorVos
ロット・スーダルを率いるティム・ウェレンス(ベルギー)ロット・スーダルを率いるティム・ウェレンス(ベルギー) photo:CorVos
ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:CorVos
2019年、モレマとの一騎打ちで敗れ2位に終わったマイケル・ウッズ(カナダ)は、今年イスラエル・プレミアテックのエースとしてヤコブ・フルサン(デンマーク)とのタッグでリベンジを誓う。イスラエルはツール・ド・フランスで涙の逃げ切り優勝を挙げたユーゴ・ウル(カナダ)や、母国の重要選手であるオメル・ゴールドスタイン(イスラエル)など一軍メンバーを揃えてきた。

そのライバルとなるロット・スーダルもまた、エースのティム・ウェレンス(ベルギー)をエースに据えてポイント確保を狙っている。戦力層こそイスラエルに劣るものの、22歳にしてサウジツアーを制したマキシム・ファンヒルス(ベルギー)なども含め、登坂力に優れるメンバーを揃えている。

ランキング18位の初参加コフィディスも登りを走れる一軍メンバーが多数集結。登坂力とパンチ力を兼ね備えるギヨーム・マルタン(フランス)とヴィクトル・ラフェ(フランス)は古賀志林道に適した脚を持つ選手。シモン・ゲシュケ(ドイツ)のアシストワークにも注目したいところだ。

国内チームの出場選手は今後発表される予定(画像は2019ジャパンカップ)国内チームの出場選手は今後発表される予定(画像は2019ジャパンカップ) photo:Makoto.AYANO
海外勢を迎え撃つ国内チームは合計7で、6つのコンチネンタルチーム(チーム右京、宇都宮ブリッツェン、キナンレーシングチーム、愛三工業レーシングチーム、シマノレーシング、那須ブラーゼン)とナショナルチームが参戦(※9月29日国内出場チーム変更)。

特に地元栃木を代表する宇都宮ブリッツェンは例年レースに動きを付けてきただけに、今年も期待したいところ。例年以上に強力な海外勢に対してどこまで食い下がれるかにも注目。出場選手は今後発表される予定だ。


ジャパンカップ2022海外出場チーム
トレック・セガフレード バーレーン・ヴィクトリアス
ダリオ・カタルド(イタリア) 新城幸也(日本)
ジュリオ・チッコーネ(イタリア) フェン・チュンカイ(台湾)
フアン・ロペス(スペイン) ヘルマン・ペルンスタイナー(オーストリア)
ジャコポ・モスカ(イタリア) ヨハン・プリースパイタースン(デンマーク)
エドワード・トゥーンス(ベルギー) スティーブン・ウィリアムズ(イギリス)
アントワン・トールク(オランダ) フィリップ・マチュイユク(ポーランド)
コフィディス EFエデュケーション・イージーポスト
ギヨーム・マルタン(フランス) ジェフェルソン・セペダ(エクアドル)
フランソワ・ビダール(フランス) ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)
シモン・ゲシュケ(ドイツ) 中根英登(日本)
ヴィクトル・ラフェ(フランス) ニールソン・ポーレス(アメリカ)
アクセル・ザングル(フランス) ショーン・クイン(アメリカ)
ハリソン・ウッド(イギリス) リゴベルト・ウラン(コロンビア)
イスラエル・プレミアテック ロット・スーダル
ヤコブ・フルサン(デンマーク) ステフ・クラス(ベルギー)
オメル・ゴールドスタイン(イスラエル) セバスティアン・グリニャール(ベルギー)
カールフレデリック・ハーゲン(ノルウェー) マシュー・ホームズ(イギリス)
ユーゴ・ウル(カナダ) カミル・マウェツキー(ポーランド)
コービン・ストロング(ニュージーランド) マキシム・ファンヒルス(ベルギー)
マイケル・ウッズ(カナダ) ティム・ウェレンス(ベルギー)
エウスカルテル・エウスカディ チーム ノボ ノルディスク
フアンホセ・ロバト(スペイン) ハミッシュ・ビードル(ニュージーランド)
ゴッツォン・マルティン(スペイン) サム・ブランド(イギリス)
ウナイ・クアドラード (スペイン) ローガン・フィッペン(アメリカ)
イバイ・アスラメンディ(スペイン) ピーター・クスター(ハンガリー)
ルイス・マテ(スペイン) ダビ・ロサノ(スペイン)
ペイオ・ゴイコエチェア(スペイン) ヨーナス・ヘンタラ(フィンランド)
リュブリャナ・グスト・サンティック トレンガヌ・ポリゴン・サイクリング・チーム
ディラン・ホプキンス(オーストラリア) ジェローン・マイヤーズ(オランダ)
アダム・ジョーダン(スロベニア) ゴー・チュンファン(シンガポール)
ビクター・ポトチュキ(クロアチア) ジャマール・ヒバトゥラ(インドネシア)
アンゼ・スコック(スロベニア) ムハマド・オスマン(マレーシア)
ファビアン・クラル(スロベニア) イルワンディ・ラカセク(マレーシア)
イェルネイ・ヒリバル(スロベニア) ワン・ハムダン(マレーシア)
国内参戦チーム
※国内チームは、チームブリヂストンサイクリング、マトリックスパワータグに代わり、愛三工業レーシングチームが出場(2022年9月29日更新)

text:So Isobe

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