ルクセンブルクを巡るステージレースが開幕。世界選手権の予行演習とも呼べる大会の初日を、フランス代表入りが決まっているヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)が制した。



ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)などが参戦ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)などが参戦 photo:CorVos
ツール・ド・ルクセンブルク2022コースマップツール・ド・ルクセンブルク2022コースマップ (c)skodatour.lu9月13日から17日までの5日間で開催されるツール・ド・ルクセンブルク(正式名称はシュコダ・ツール・ド・ルクセンブルク、UCI2.Pro)は、2,586㎡と神奈川県、もしくは佐賀県と同じくらいの面積を持つ小国ルクセンブルクを舞台にしたステージレース。

1935年に初開催され、シュレク兄弟やボブ・ユンゲルス(AG2Rシトロエン)を輩出したルクセンブルク全土を複雑に駆け巡る歴史ある同大会。最高標高が560mというルクセンブルクゆえに難関山岳が登場せず、短距離登坂が多く組み込まれるコースでは毎年登坂力に優れるパンチャーが総合上位を占めてきた。

ブエルタ・ア・エスパーニャとロード世界選手権に挟まれた時期に開催されるため、世界選手権の最後の足ならしとして参加する選手も多数。UCIワールドチームは6、UCIプロチームが9参加し、ブエルタでステージ優勝を上げたばかりのヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)やマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)といった面々が参戦中だ。

グルパマFDJやトレック・セガフレードが集団をコントロールグルパマFDJやトレック・セガフレードが集団をコントロール photo:CorVos
"トラクター"ティム・デクレルク(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が集団をペースメイク photo:CorVos
フィニッシュ手前で1級山岳(といっても距離1.8km/平均7.9%の丘)を越え、下りを経てそのままキルシュベルグ(距離1.6km/平均6.3%)の丘にフィニッシュする第1ステージは、レース後半の逃げ吸収後にグルパマFDJ勢がアタックを継続。元国内チャンピオンのケヴィン・ジェニエ(ルクセンブルク)の攻撃が飲み込まれると、そのカウンターでヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)が飛び出した。

「ケヴィンの攻撃で全員が苦しんでいるのを見て、今がチャンスと思った」と振り返るマドゥアスは、そのままフィニッシュまでの登坂区間を独走してオープニングステージ勝利。9日前のツール・ド・ドゥーで勝利した勢いそのままに2連勝を飾った。

後続を引き離してフィニッシュするヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)後続を引き離してフィニッシュするヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
8秒遅れの3位争いでマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)が先着8秒遅れの3位争いでマッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)が先着 photo:CorVos
リーダージャージを獲得したヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)リーダージャージを獲得したヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos
先のツール・ド・フランス第16ステージで2位に甘んじていたマドゥアスはリーダージャージも獲得。「先日の勝利が自信になっていたよ。今キャリアの中でも一番調子が良くて、世界選手権に向けても良い感触だ。できる限りこのリーダージャージを守りたい」と、火曜日に発表された世界選手権メンバー入りを果たしたマドゥアスは話している。
ツール・ド・ルクセンブルク2022第1ステージ結果
1位 ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) 4:00:25
2位 バックス・シュールト(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:03
3位 クレマン・ベルテ(フランス、AG2Rシトロエン) +0:07
4位 マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) +0:08
5位 フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)
個人総合成績
1位 ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) 4:00:15
2位 バックス・シュールト(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) +0:07
3位 クレマン・ベルテ(フランス、AG2Rシトロエン) +0:13
4位 マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) +0:18
5位 フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)
その他の特別賞
山岳賞 ジル・グレダース(ベルギー、ビンゴール・パウェルスソース WB)
ポイント賞 ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)
ヤングライダー賞 クレマン・ベルテ(フランス、AG2Rシトロエン)