2022/09/12(月) - 08:38
シーズン最後のグランツールであるブエルタ・ア・エスパーニャが閉幕。マドリードでフィニッシュした最終第21ステージをフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が制し、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が第77代総合優勝者に輝いた。
9月11日(日)第21ステージ
ラス・ロサス〜マドリード 96.7km(平坦)
第77回ブエルタ・ア・エスパーニャが20日間という長きにわたる戦いを終え、終着地マドリードに到着。過酷な旅路を乗り越えた134名がマドリード郊外のラス・ロサスに集結し、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)は輝かしいキャリアをプロトンの仲間が作った花道を通ってスタートラインへ。
現地時間17時26分、22歳にしてキャリア初のグランツール総合優勝を確定させたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)たちを先頭にゆったりとスタートを切る。記念撮影や乾杯を楽しみながら、互いの健闘を祝福しながら、スローペースでマドリードの周回コースを目指した。
マドリードの周回コースに入るとバルベルデが一人加速し、集団を抜け出してパレードラン。ブエルタ出場回数は16回、2009年は総合優勝、ステージ優勝は2003年から2019年までのうちに実に12回。2019年は世界王者として走った母国最大のレースで、42歳の大ベテランが鈴なりの観客からの声援をしばらく独り占めにした。
バルベルデが吸収されると本格的なレースが幕開けた。2度目のフィニッシュライン通過時に用意された中間スプリントのボーナスタイムを獲得すべく、アシストに導かれた総合上位陣がバトルを繰り広げる。総合2位エンリク・マス(スペイン、モビスター)が先頭通過して-3秒を獲得。総合7位カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)は、総合タイム差で僅か1秒差の総合6位テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)を逆転すべくもがいたものの、DSMのアシストがボーナスタイムを潰したため目論見は成功しなかった。
続いてジュリアス・ヨハンセン(デンマーク、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)とオーストラリア王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)がアタックして逃げを決める。21歳&22歳の若手コンビは12秒リードで最終周回突入の鐘を聴いたものの、スプリントを見据える大集団が着実に距離を縮めていった。
距離を縮められてもなおハイスピードを維持する先頭2人に対し、メイン集団はアシスト選手を使い潰しながら追走。残り1kmを切って2人は捉えられ、続いてパスカル・アッカーマン(ドイツ)を最後尾に従えたUAEチームエミレーツが主導権を握る。バイクまで緑で揃えたマイヨプントスのマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)はアッカーマンの後方をしっかりとキープ。UAE対トレックの構図のまま最終スプリントへとなだれ込んだ。
アッカーマンの最終発射台フアン・モラノ(コロンビア)が一気に踏み込み、アシストから解き放たれたピーダスンが左側から対抗。モラノの高速リードアウトによってアッカーマンは先頭に立てず、ピーダスンの追い上げを確認していたモラノはそのままスプリントを続けてフィニッシュした。
フィニッシュ後に頭を抱えたモラノは「まだこの結果を受け入れきれていないんだ。本当に嬉しいよ。今日は本当に調子が良くて、追い上げていたピーダスンを退けてアッカーマンを発射するためにスピードを上げ続けたんだ。ブエルタの最後で素晴らしい勝利を挙げることができて最高の気分」と嬉しさをコメント。フェルナンド・ガビリアの、そして今シーズン後半はアッカーマンの最終発射台としてペアを組んでいたモラノが自身初のグランツールステージ優勝をマークした。UAEにとっては第5ステージのマルク・ソレル(スペイン)に続く大会2勝目で、シーズン通算勝利数は41に達している。
そして、少し遅れてフィニッシュラインを切ったエヴェネプールが総合優勝を手にした。「ようやく正式な総合優勝者になることができた。昨日既に感極まっていたが、今日は安全にレースを終えることができた。完璧なレースかつ最大限楽しむことができた」と言うエヴェネプール。当日組み上げられた真っ赤なチャンピオンバイクに乗った新チャンピオンが、駆けつけたフィアンセと喜びを分かち合い、そして赤ライン入り特別チームジャージを着たクイックステップの仲間たちと歓喜の合唱を響かせた。
「ベルギーのファンや、僕の一番のサポーターであるフィアンセ、そして3週間に渡って戦い続けてくれたチームメイトに感謝し、そして共に戦った2人のライバル(マスとアユソ)を祝福したい。スペイン自転車界の未来は明るいと思う」と、ライトアップされた表彰台でスピーチしたエヴェネプール。ジュニア時代から無敵状態を築き、19歳で現チーム入りして以降も、大怪我を経ながら破竹の快進撃を続ける22歳が、ついにグランツールのリーダージャージを掴み取った。
途中ボーナスタイム-3秒を獲得したマスが総合2位となり、19歳アユソが総合3位でマドリードの表彰台に登壇。19歳での総合表彰台登壇はブエルタ史上最も若く、全グランツールを合わせても史上2番目に若い登壇者となった。
マイヨプントスはステージ3勝を挙げ、レース中も積極的に中間スプリントポイントを積み重ね続けたピーダスンが文句なしの受賞。マイヨモンターニャは同じくステージ3勝を挙げたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が射止める。総合敢闘賞は山岳ステージで連日アタックを続けたソレルで、ソレルとアユソ、そしてモラノたちUAEチームエミレーツがチーム総合成績最優秀賞を獲得している。
9月11日(日)第21ステージ
ラス・ロサス〜マドリード 96.7km(平坦)
第77回ブエルタ・ア・エスパーニャが20日間という長きにわたる戦いを終え、終着地マドリードに到着。過酷な旅路を乗り越えた134名がマドリード郊外のラス・ロサスに集結し、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)は輝かしいキャリアをプロトンの仲間が作った花道を通ってスタートラインへ。
現地時間17時26分、22歳にしてキャリア初のグランツール総合優勝を確定させたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)たちを先頭にゆったりとスタートを切る。記念撮影や乾杯を楽しみながら、互いの健闘を祝福しながら、スローペースでマドリードの周回コースを目指した。
マドリードの周回コースに入るとバルベルデが一人加速し、集団を抜け出してパレードラン。ブエルタ出場回数は16回、2009年は総合優勝、ステージ優勝は2003年から2019年までのうちに実に12回。2019年は世界王者として走った母国最大のレースで、42歳の大ベテランが鈴なりの観客からの声援をしばらく独り占めにした。
バルベルデが吸収されると本格的なレースが幕開けた。2度目のフィニッシュライン通過時に用意された中間スプリントのボーナスタイムを獲得すべく、アシストに導かれた総合上位陣がバトルを繰り広げる。総合2位エンリク・マス(スペイン、モビスター)が先頭通過して-3秒を獲得。総合7位カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)は、総合タイム差で僅か1秒差の総合6位テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)を逆転すべくもがいたものの、DSMのアシストがボーナスタイムを潰したため目論見は成功しなかった。
続いてジュリアス・ヨハンセン(デンマーク、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)とオーストラリア王者ルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)がアタックして逃げを決める。21歳&22歳の若手コンビは12秒リードで最終周回突入の鐘を聴いたものの、スプリントを見据える大集団が着実に距離を縮めていった。
距離を縮められてもなおハイスピードを維持する先頭2人に対し、メイン集団はアシスト選手を使い潰しながら追走。残り1kmを切って2人は捉えられ、続いてパスカル・アッカーマン(ドイツ)を最後尾に従えたUAEチームエミレーツが主導権を握る。バイクまで緑で揃えたマイヨプントスのマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)はアッカーマンの後方をしっかりとキープ。UAE対トレックの構図のまま最終スプリントへとなだれ込んだ。
アッカーマンの最終発射台フアン・モラノ(コロンビア)が一気に踏み込み、アシストから解き放たれたピーダスンが左側から対抗。モラノの高速リードアウトによってアッカーマンは先頭に立てず、ピーダスンの追い上げを確認していたモラノはそのままスプリントを続けてフィニッシュした。
フィニッシュ後に頭を抱えたモラノは「まだこの結果を受け入れきれていないんだ。本当に嬉しいよ。今日は本当に調子が良くて、追い上げていたピーダスンを退けてアッカーマンを発射するためにスピードを上げ続けたんだ。ブエルタの最後で素晴らしい勝利を挙げることができて最高の気分」と嬉しさをコメント。フェルナンド・ガビリアの、そして今シーズン後半はアッカーマンの最終発射台としてペアを組んでいたモラノが自身初のグランツールステージ優勝をマークした。UAEにとっては第5ステージのマルク・ソレル(スペイン)に続く大会2勝目で、シーズン通算勝利数は41に達している。
そして、少し遅れてフィニッシュラインを切ったエヴェネプールが総合優勝を手にした。「ようやく正式な総合優勝者になることができた。昨日既に感極まっていたが、今日は安全にレースを終えることができた。完璧なレースかつ最大限楽しむことができた」と言うエヴェネプール。当日組み上げられた真っ赤なチャンピオンバイクに乗った新チャンピオンが、駆けつけたフィアンセと喜びを分かち合い、そして赤ライン入り特別チームジャージを着たクイックステップの仲間たちと歓喜の合唱を響かせた。
「ベルギーのファンや、僕の一番のサポーターであるフィアンセ、そして3週間に渡って戦い続けてくれたチームメイトに感謝し、そして共に戦った2人のライバル(マスとアユソ)を祝福したい。スペイン自転車界の未来は明るいと思う」と、ライトアップされた表彰台でスピーチしたエヴェネプール。ジュニア時代から無敵状態を築き、19歳で現チーム入りして以降も、大怪我を経ながら破竹の快進撃を続ける22歳が、ついにグランツールのリーダージャージを掴み取った。
途中ボーナスタイム-3秒を獲得したマスが総合2位となり、19歳アユソが総合3位でマドリードの表彰台に登壇。19歳での総合表彰台登壇はブエルタ史上最も若く、全グランツールを合わせても史上2番目に若い登壇者となった。
マイヨプントスはステージ3勝を挙げ、レース中も積極的に中間スプリントポイントを積み重ね続けたピーダスンが文句なしの受賞。マイヨモンターニャは同じくステージ3勝を挙げたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が射止める。総合敢闘賞は山岳ステージで連日アタックを続けたソレルで、ソレルとアユソ、そしてモラノたちUAEチームエミレーツがチーム総合成績最優秀賞を獲得している。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2022第21ステージ結果
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 2:26:36 |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
7位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | ライオネル・タミニオー(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
9位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | セドリック・ブーレンス(ベルギー、ロット・スーダル) |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 80:26:59 |
2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +2:02 |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:57 |
4位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) | +5:56 |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +7:24 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | +7:45 |
7位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +7:57 |
8位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +10:30 |
9位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +11:04 |
10位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +12:01 |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 409pts |
2位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 186pts |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 138pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 73pts |
2位 | ロバート・スタナード(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 36pts |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 28pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 80:26:59 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:57 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +7:24 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 240:36:32 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +55:35 |
3位 | モビスター | +1:16:52 |
text:So Isobe
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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