2022/09/10(土) - 15:08
トレックがFuel EXのフルモデルチェンジを発表。同社のMTBラインアップの中核を担うトレイルバイクが更なるロングストローク化と最新ジオメトリー、そして幅広い調整機能を獲得し、あらゆるシーンに対応するバーサタイルな一台へと進化した。
登りもこなせ、下りはもちろんアグレッシブに。細分化するMTBカテゴリーの中でも、ド真ん中に位置するのがトレイルバイクと呼ばれるモデル群だ。150mm前後のサスペンションストロークに、登りと下りどちらもこなせるジオメトリーを組み合わせることで、トレイルヘッドへのアプローチからゲレンデダウンヒルまで楽しめる懐の広さが魅力のカテゴリーだ。
幅広いラインアップでMTBの楽しみ方すべてをカバーするトレックが、そのカテゴリーに用意するのがFuel EX。今回トレックはFuel EXを刷新し、更にハードなダウンヒルセクションを楽しめるバイクとしてリビルドした。
最もわかりやすいのが、トラベル量の増加だろう。前作がフロント140mm/リア130mmというスペックだったのに対し、今作はフロント150mm/リア140mmとそれぞれ10mmずつロングストローク化を果たしている。下りでのキャパシィが増加し、安心感のあるダウンヒルが楽しめるように進化した。
同時にジオメトリーも刷新されている。ヘッドアングルは前作の66度から64.5度とほぼ一昔前のエンデューロバイク並みに寝かされ、高速域でも安定感あるハンドリングを実現。一方でシートアングルを2度立たせることで登りのペダリング効率を改善している。
更に、様々な状況にアジャストできるような豊富なジオメトリー調整機能を備えていることも新型Fuel EXの特徴だ。ジオメトリー調整機構としては、2つが用意されている。
1つは、トレックのフルサスバイクでおなじみのMinoLink。ロッカーアームに搭載されたフリップチップにより、ヘッドアングルを0.5度、BBドロップを8mm上下させることが出来る。
もう一つがヘッドアングルの調整機能。別売りの角度調整用ヘッドパーツを使用することで、±1度でヘッドアングルを調整可能となっている。これらを組み合わせることで、最小63.5度、最大66度の間でヘッドアングルを設定できるようになった。
3つのヘッドアングルと2つのMinoLinkの設定により、計6種類のジオメトリーを選択可能になり、トレイルの特性に合わせた柔軟な対応力をFuel EXは身に着けた。ちなみにどういったセッティングが最適か悩んだ際は、製品ページのジオメトリーツールを参考にするとよいだろう。
また、新しいFuel EXはフロント29インチ、リア27.5インチのマレット仕様にも対応する。マレットにする際はMinoLinkをハイに設定することと、160mmストロークのフォークへの交換が推奨されている。なお、XSサイズは前後27.5インチを前提とした設計となっている。
そして、Fuel EXの調整機能はジオメトリーだけではない。リアショックとフレームとの間に設置されたフリップチップを入れ替えることで、リアサスのレバレッジカーブを変化させることが出来る。
レバレッジカーブとは、リアサスペンションが圧縮された際にどれだけリアアクスルが上下に動くかを示すもの。新型Fuel EXでは、よりリニア(線形)なLESSポジションと、プログレッシブ(漸進的)なMOREポジションが用意される。
リニアなレバレッジカーブはよりしなやかに衝撃を吸収する一方で、大きな衝撃でボトムアウトしやすい。一方、プログレッシブ寄りの設定では、細かな追従性には劣るものの奥で踏ん張りが効くようになる。体重や技量、コースによってセッティング出来る他、コイルスプリングのショックにもマッチするというメリットもある。
現在主流となるエアサスは、空気をばねとして使用するため、圧縮されていくにつれて硬くなっていく特性がある。つまり、本質的にプログレッシブなスプリング特性を持っているため、リニアなレバレッジカーブをもったリンケージと組み合わせると、しっかりとストロークしつつ踏ん張りの効いたシステムとなる。
一方、コイルスプリングはストローク中にスプリングレートが変化することはなく常に一定の入力に対しては一定の量圧縮される、つまりリニアな特性を持っている。ゆえに、リンケージである程度のプログレッシブな特性を確保しボトムアウトへの抵抗を追加することで、より扱いやすくなる。
新型Fuel EXの完成車にはコイルサスが組み合わされたパッケージこそ用意されていないものの、フレーム自体は大型のコイルサスを搭載できる空間が確保されているという。ベテランライダーに好まれるコイルショックの特性を十二分に引き出すセッティングが可能というのは、嬉しいポイントなのではないだろうか。
シートチューブは内径34.9mmとされ、より頑丈でストローク量が大きなドロッパーポストを使用可能。ダウンチューブには内蔵ストレージが用意されており、トレイルライドで必要なモノを収めておくことが出来る。ケーブルは汚れづらい内装式とされているが、フレーム内にしっかりとケーブルガイドが造作されているため交換作業も容易だという。
フレームを保護するプロテクターもしっかり装備されている。ダウンチューブ裏にはフルレングスのプラスチック製ガードがボルト留めされており、岩などのヒットからフレームを守ってくれるほか、ピックアップトラックでの搬送時にもテールゲートからダメージを受けづらい。更に、チェーンステーガードはもちろん、メインピボットにはマッドフラップが配置されている。
また、クラッシュ時にサスペンションのクラウンがフレームにヒットしないよう、ダウンチューブは後方にオフセットしたデザインに。この設計により、ハンドルストッパーのKnock Blockテクノロジーは搭載されていない。
新型Fuel EXは3種類のパッケージで国内展開を開始する。トップモデルとなるのがFuel EX 9.8。OCLV MountainカーボンフレームにシマノXT、フォックスのPerformance36とFloatXを組み合わせた一台。更にホイールにもボントレガーのカーボンホイールを組み合わせたハイエンドな一台だ。
セカンドグレードとなるのがシマノ SLX/XT組みのFuel EX 9.7。同じくOCLV MountainカーボンフレームにフォックスのRhythm 36、Float Xを組み合わせている。ボトムを担うのがAlpha Platinumアルミフレームを採用するFuel EX 8。XTをメインコンポーネントに、フォックスのRhythm 36、Float Xを組み合わせた。
価格はそれぞれFuel EX 9.8が878,900円、Fuel EX 9.7が658,900円、Fuel EX 8が548,900円(全て税込)となっている。なおプロジェクトワンの受注開始日は未定とのことだ。
トレック Fuel EX 9.8
フレーム:OCLV Mountainカーボン、内蔵ストレージ、140mmトラベル
フォーク:Fox Performance 36、150mm
リアショック:Fox Performance Float X
ホイール:Bontrager Line Elite 30、OCLVカーボン、Rapid Drive 108
ドライブトレイン:Shimano XT M8100
ブレーキ:Shimano XT M8120
カラー:Deep Smoke
サイズ:S、M、ML
価格:878,900円(税込)
トレック Fuel EX 9.8
フレーム:OCLV Mountainカーボン、内蔵ストレージ、140mmトラベル
フォーク:Fox Rhythm 36、150mm、150mm
リアショック:Fox Performance Float X
ホイール:Bontrager Line Comp 30、Rapid Drive 108
ドライブトレイン:Shimano SLX/XT
ブレーキ:Shimano Deore M6120
サイズ:XS、S、M、ML
カラー:Crimson
価格:658,900円(税込)
トレック Fuel EX 8
フレーム:Alpha Platinumアルミ、内蔵ストレージ、140mm
フォーク:Fox Rhythm 36、150mm、150mm
リアショック:Fox Performance Float X
ホイール:Bontrager Line Comp 30、Rapid Drive 108
ドライブトレイン:Shimano XT M8100
ブレーキ:Shimano Deore M6120
サイズ:XS、S(27.5/29)、M、ML、L
カラー:Matte Pennyflake
価格:548,900円(税込)
登りもこなせ、下りはもちろんアグレッシブに。細分化するMTBカテゴリーの中でも、ド真ん中に位置するのがトレイルバイクと呼ばれるモデル群だ。150mm前後のサスペンションストロークに、登りと下りどちらもこなせるジオメトリーを組み合わせることで、トレイルヘッドへのアプローチからゲレンデダウンヒルまで楽しめる懐の広さが魅力のカテゴリーだ。
幅広いラインアップでMTBの楽しみ方すべてをカバーするトレックが、そのカテゴリーに用意するのがFuel EX。今回トレックはFuel EXを刷新し、更にハードなダウンヒルセクションを楽しめるバイクとしてリビルドした。
最もわかりやすいのが、トラベル量の増加だろう。前作がフロント140mm/リア130mmというスペックだったのに対し、今作はフロント150mm/リア140mmとそれぞれ10mmずつロングストローク化を果たしている。下りでのキャパシィが増加し、安心感のあるダウンヒルが楽しめるように進化した。
同時にジオメトリーも刷新されている。ヘッドアングルは前作の66度から64.5度とほぼ一昔前のエンデューロバイク並みに寝かされ、高速域でも安定感あるハンドリングを実現。一方でシートアングルを2度立たせることで登りのペダリング効率を改善している。
更に、様々な状況にアジャストできるような豊富なジオメトリー調整機能を備えていることも新型Fuel EXの特徴だ。ジオメトリー調整機構としては、2つが用意されている。
1つは、トレックのフルサスバイクでおなじみのMinoLink。ロッカーアームに搭載されたフリップチップにより、ヘッドアングルを0.5度、BBドロップを8mm上下させることが出来る。
もう一つがヘッドアングルの調整機能。別売りの角度調整用ヘッドパーツを使用することで、±1度でヘッドアングルを調整可能となっている。これらを組み合わせることで、最小63.5度、最大66度の間でヘッドアングルを設定できるようになった。
3つのヘッドアングルと2つのMinoLinkの設定により、計6種類のジオメトリーを選択可能になり、トレイルの特性に合わせた柔軟な対応力をFuel EXは身に着けた。ちなみにどういったセッティングが最適か悩んだ際は、製品ページのジオメトリーツールを参考にするとよいだろう。
また、新しいFuel EXはフロント29インチ、リア27.5インチのマレット仕様にも対応する。マレットにする際はMinoLinkをハイに設定することと、160mmストロークのフォークへの交換が推奨されている。なお、XSサイズは前後27.5インチを前提とした設計となっている。
そして、Fuel EXの調整機能はジオメトリーだけではない。リアショックとフレームとの間に設置されたフリップチップを入れ替えることで、リアサスのレバレッジカーブを変化させることが出来る。
レバレッジカーブとは、リアサスペンションが圧縮された際にどれだけリアアクスルが上下に動くかを示すもの。新型Fuel EXでは、よりリニア(線形)なLESSポジションと、プログレッシブ(漸進的)なMOREポジションが用意される。
リニアなレバレッジカーブはよりしなやかに衝撃を吸収する一方で、大きな衝撃でボトムアウトしやすい。一方、プログレッシブ寄りの設定では、細かな追従性には劣るものの奥で踏ん張りが効くようになる。体重や技量、コースによってセッティング出来る他、コイルスプリングのショックにもマッチするというメリットもある。
現在主流となるエアサスは、空気をばねとして使用するため、圧縮されていくにつれて硬くなっていく特性がある。つまり、本質的にプログレッシブなスプリング特性を持っているため、リニアなレバレッジカーブをもったリンケージと組み合わせると、しっかりとストロークしつつ踏ん張りの効いたシステムとなる。
一方、コイルスプリングはストローク中にスプリングレートが変化することはなく常に一定の入力に対しては一定の量圧縮される、つまりリニアな特性を持っている。ゆえに、リンケージである程度のプログレッシブな特性を確保しボトムアウトへの抵抗を追加することで、より扱いやすくなる。
新型Fuel EXの完成車にはコイルサスが組み合わされたパッケージこそ用意されていないものの、フレーム自体は大型のコイルサスを搭載できる空間が確保されているという。ベテランライダーに好まれるコイルショックの特性を十二分に引き出すセッティングが可能というのは、嬉しいポイントなのではないだろうか。
シートチューブは内径34.9mmとされ、より頑丈でストローク量が大きなドロッパーポストを使用可能。ダウンチューブには内蔵ストレージが用意されており、トレイルライドで必要なモノを収めておくことが出来る。ケーブルは汚れづらい内装式とされているが、フレーム内にしっかりとケーブルガイドが造作されているため交換作業も容易だという。
フレームを保護するプロテクターもしっかり装備されている。ダウンチューブ裏にはフルレングスのプラスチック製ガードがボルト留めされており、岩などのヒットからフレームを守ってくれるほか、ピックアップトラックでの搬送時にもテールゲートからダメージを受けづらい。更に、チェーンステーガードはもちろん、メインピボットにはマッドフラップが配置されている。
また、クラッシュ時にサスペンションのクラウンがフレームにヒットしないよう、ダウンチューブは後方にオフセットしたデザインに。この設計により、ハンドルストッパーのKnock Blockテクノロジーは搭載されていない。
新型Fuel EXは3種類のパッケージで国内展開を開始する。トップモデルとなるのがFuel EX 9.8。OCLV MountainカーボンフレームにシマノXT、フォックスのPerformance36とFloatXを組み合わせた一台。更にホイールにもボントレガーのカーボンホイールを組み合わせたハイエンドな一台だ。
セカンドグレードとなるのがシマノ SLX/XT組みのFuel EX 9.7。同じくOCLV MountainカーボンフレームにフォックスのRhythm 36、Float Xを組み合わせている。ボトムを担うのがAlpha Platinumアルミフレームを採用するFuel EX 8。XTをメインコンポーネントに、フォックスのRhythm 36、Float Xを組み合わせた。
価格はそれぞれFuel EX 9.8が878,900円、Fuel EX 9.7が658,900円、Fuel EX 8が548,900円(全て税込)となっている。なおプロジェクトワンの受注開始日は未定とのことだ。
トレック Fuel EX 9.8
フレーム:OCLV Mountainカーボン、内蔵ストレージ、140mmトラベル
フォーク:Fox Performance 36、150mm
リアショック:Fox Performance Float X
ホイール:Bontrager Line Elite 30、OCLVカーボン、Rapid Drive 108
ドライブトレイン:Shimano XT M8100
ブレーキ:Shimano XT M8120
カラー:Deep Smoke
サイズ:S、M、ML
価格:878,900円(税込)
トレック Fuel EX 9.8
フレーム:OCLV Mountainカーボン、内蔵ストレージ、140mmトラベル
フォーク:Fox Rhythm 36、150mm、150mm
リアショック:Fox Performance Float X
ホイール:Bontrager Line Comp 30、Rapid Drive 108
ドライブトレイン:Shimano SLX/XT
ブレーキ:Shimano Deore M6120
サイズ:XS、S、M、ML
カラー:Crimson
価格:658,900円(税込)
トレック Fuel EX 8
フレーム:Alpha Platinumアルミ、内蔵ストレージ、140mm
フォーク:Fox Rhythm 36、150mm、150mm
リアショック:Fox Performance Float X
ホイール:Bontrager Line Comp 30、Rapid Drive 108
ドライブトレイン:Shimano XT M8100
ブレーキ:Shimano Deore M6120
サイズ:XS、S(27.5/29)、M、ML、L
カラー:Matte Pennyflake
価格:548,900円(税込)
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