ツアー・オブ・ブリテン第5ステージは今大会3度目のスプリントに持ち込まれ、ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利。同日の夜にイギリスのエリザベス女王が死去したため、レースは中止となりゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)の総合優勝が決定した。
ロビンフッドのトレードマークである緑のバケット帽を被ったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
バケット帽を被り笑顔を見せるニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
スポートフラーンデレン・バロワーズはチーム全員が被る photo:CorVos
イングランド北部のウェスト・ブリッジフォードを出発し、蛇行しながら北のマンスフィールドを目指すツアー・オブ・ブリテン(2.Pro)5日目。途中に2つの3級山岳と3つの中間スプリントが用意されているが、平坦基調のスプリンター向けのステージだ。
ワールドチームが積極的にレースを動かした前日とは異なり、この日は定石通り地元イギリスのコンチネンタルチームが逃げに選手を送った。そこにプロチームから唯一入ったジョエル・ニコラウ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)を含む4名が逃げグループを形成した。
ジョエル・ニコラウ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)ら4名が逃げを打った photo:AJ Bell Tour of Britain
リーダーチームのモビスターがコントロールを担うメイン集団に対し最大5分半のリードを稼いだニコラウたちは、順調にロビンフッドの生息地と言われるノッティンガムシャーを突き進む。しかしイネオス・グレナディアーズがプロトンのペースアップを敢行すると、そのタイム差は一気に縮小。残り10kmで逃げ集団は吸収された。
最終盤でコースを間違え数名の選手が勝負から脱落するアクシデントがありながら、イネオスが引き続き牽引した集団はスプリントになだれ込む。そして「最高のリードアウトだった」と仲間を称えたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の言葉とは裏腹に、勝利したのは単独でスプリントに臨んだジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)だった。
イネオスと並ぶようにトレインを組んだグレートブリテンナショナルチームのサミュエル・ワトソンやスタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、ビンゴール・パウェルスソースWB)をトップスピードで上回ったメーウスが、今季初勝利を掴み取った。
スプリントで先頭に立つジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) photo:AJ Bell Tour of Britain
第5ステージを制したジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
「終盤でも脚が残っていたのでそれほどリスクを取らずに位置を上げることができた。スプリントは完璧で、飛び出すタイミングも適切だった。表彰台の一番高みに戻ってくることができて本当に嬉しいよ」と、約1年振りとなる勝利をメーウスはそう喜んだ。
レース終了後の現地時間午後6時30分、イギリス王室はエリザベス2世が死去したことを発表した。それを受けレース主催者は、追悼の言葉とともに翌第6ステージのキャンセルを発表。さらに数時間後には大会そのものの中止を伝えた。そのため第5ステージ終了時にリーダージャージを着用したゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)が総合優勝に輝き、その他の特別賞もその時点での着用者が獲得することとなっている。
今季初勝利を挙げたジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
リーダージャージを守ったゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)はこの後総合優勝に輝いた photo:CorVos
ポイント賞で首位に立ったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos



イングランド北部のウェスト・ブリッジフォードを出発し、蛇行しながら北のマンスフィールドを目指すツアー・オブ・ブリテン(2.Pro)5日目。途中に2つの3級山岳と3つの中間スプリントが用意されているが、平坦基調のスプリンター向けのステージだ。
ワールドチームが積極的にレースを動かした前日とは異なり、この日は定石通り地元イギリスのコンチネンタルチームが逃げに選手を送った。そこにプロチームから唯一入ったジョエル・ニコラウ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)を含む4名が逃げグループを形成した。

リーダーチームのモビスターがコントロールを担うメイン集団に対し最大5分半のリードを稼いだニコラウたちは、順調にロビンフッドの生息地と言われるノッティンガムシャーを突き進む。しかしイネオス・グレナディアーズがプロトンのペースアップを敢行すると、そのタイム差は一気に縮小。残り10kmで逃げ集団は吸収された。
最終盤でコースを間違え数名の選手が勝負から脱落するアクシデントがありながら、イネオスが引き続き牽引した集団はスプリントになだれ込む。そして「最高のリードアウトだった」と仲間を称えたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の言葉とは裏腹に、勝利したのは単独でスプリントに臨んだジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)だった。
イネオスと並ぶようにトレインを組んだグレートブリテンナショナルチームのサミュエル・ワトソンやスタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、ビンゴール・パウェルスソースWB)をトップスピードで上回ったメーウスが、今季初勝利を掴み取った。


「終盤でも脚が残っていたのでそれほどリスクを取らずに位置を上げることができた。スプリントは完璧で、飛び出すタイミングも適切だった。表彰台の一番高みに戻ってくることができて本当に嬉しいよ」と、約1年振りとなる勝利をメーウスはそう喜んだ。
レース終了後の現地時間午後6時30分、イギリス王室はエリザベス2世が死去したことを発表した。それを受けレース主催者は、追悼の言葉とともに翌第6ステージのキャンセルを発表。さらに数時間後には大会そのものの中止を伝えた。そのため第5ステージ終了時にリーダージャージを着用したゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター)が総合優勝に輝き、その他の特別賞もその時点での着用者が獲得することとなっている。



ツアー・オブ・ブリテン2022第5ステージ結果
1位 | ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:21:46 |
2位 | サミュエル・ワトソンやスタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、ビンゴール・パウェルスソースWB) | |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
4位 | サミュエル・ワトソン(イギリス、グレートブリテン) | |
5位 | アーロン・ファンパウク(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) |
個人総合成績
1位 | ゴンサロ・セラーノ(スペイン、モビスター) | 20:53:01 |
2位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:03 |
3位 | オマール・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | 0:07 |
4位 | ベンジャミン・ペリー(カナダ、WiVサンゴッド) | |
5位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、イスラエル・プレミアテック) | 0:10 |
その他の特別賞
ポイント賞 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
山岳賞 | マティス・パースヘンス(オランダ、ビンゴール・パウェルスソースWB) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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