2022/09/07(水) - 08:31
最終登坂でログリッチが仕掛け、エヴェネプールはパンクし、ログリッチはスプリント中の接触で落車。荒れた展開の末にピーダスンが勝利した、波乱のブエルタ・ア・エスパーニャ最終週初日をレポート。
9月6日(火)第16ステージ
サンルカル・デ・バラメダ〜トマレス 189.4km(平坦)
最後の休息日を終え、第77回ブエルタ・ア・エスパーニャがスペイン南部のアンダルシア州で再始動。サンルカル・デ・バラメダからトマレスを目指して北上する189.4kmコースはカテゴリー山岳が一つもないほぼ真っ平なスプリントステージ。残り3km地点から始まる緩い登り勾配をクリアしなければならないため、優勝候補は「登れるスプリンター」マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)やブライアン・コカール(フランス、コフィディス)といった面々。
この日はスタートフラッグが振られると共に飛び出したルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)とアンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)をメイン集団が見送り、あっさりと2人逃げが決まる。平均スピード39km/h弱という、休息日明けの平坦ステージらしいスローペースのまま距離を消化することとなる。
逃げグループを形成した2名
アンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)
ルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
三つ編みで知られるベテランのマテと、今大会既に500km近くを逃げグループ内で過ごすなど、積極的な走りが光るオカミカ(逃げ距離ランキング首位)。スペインを代表する地元密着型プロチームに所属する2名逃げに対し、タイム差が4分差まで広がったタイミングでメイン集団のコントロールがスタート。先述した優勝候補2名を擁するトレック・セガフレードとコフィディスがメンバーを出し合いつつ、平穏な雰囲気で後半戦へと入っていった。
レース開始後3時間を過ぎてようやく平均スピードは40km/hを超え、残り28.5km地点の中間スプリントではマテが先着。1分後方まで詰め寄ったメイン集団先頭を獲ったのはピーダスンで、ポイントランキングのリードをさらに伸ばしている。
スプリントに向けて徐々に加速するメイン集団は、タイム差調整を経て残り14km地点で2人を飲み込み「グルッポ・コンパット」。第11テージで勝利したカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がパンクで勝負権を失う中、各チームは少ないアシストを使って位置取りを繰り広げる。すると、残り3kmを切って始まる緩斜面勾配(平均2.1%)で総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が一気に加速した。
総合首位レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)との1分34秒差を縮めるべく踏んだログリッチのサプライズアタック。慌てて飛びついたパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)だけがその背中を捉える中、中継カメラはパンクで遅れるエヴェネプールの姿を捉える(残り3km以内のアクシデントのため救済措置適用)。
あちこちでドラマが巻き起こる中、逃げるログリッチとアッカーマンには、登坂を終えた先の平坦区間でピーダスンとダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)の3人がなんとか追いついた。
救済措置によってエヴェネプール入り扱いとなる後続グループとタイム差を稼ぐためにログリッチが漢の一本牽き。その背後で4人のスプリンターが静かな位置取り争いを繰り広げつつ、最後のS字コーナーを抜けてゴール前へとなだれ込む。
2番手ピーダスンが真っ先に踏み込んで先行する中、スプリンター勢についていこうと背後に滑り込んだログリッチはファンポッペルもしくはライトとハスって激しく転倒してしまう。そのまま力強く踏み込んだピーダスンが第13ステージに続く今大会2勝目をマークし、8秒遅れて後続グループ(エヴェネプール入り扱い)がフィニッシュ。大きなダメージを受けたログリッチはふらつきながらも再乗車してフィニッシュラインを越え、すぐコース脇に座り込んだ。
荒れに荒れた最終盤。ログリッチは救済措置適用によって、同じく救済措置を受けたエヴェネプールから8秒差フィニッシュ扱いとなったものの、左膝と左肘を中心に負った傷は深く、ダメージは明らか。チームは深夜にログリッチの検査が終わったと説明しているものの、怪我の状況は明らかにしていない。レースに残るか否かは翌日朝に決定するという。
本調子でこそないものの、第2週目後半からタイム差挽回を続けてきたログリッチに、限りなく赤に近いリタイア黄色信号が点灯。ゆっくりとフィニッシュまでたどり着き、ログリッチの様子を心配していたエヴェネプールは当初狙っていたというステージ優勝のチャンスとリードを8秒失ったものの、無事に3週目初日を終えることとなった。
9月6日(火)第16ステージ
サンルカル・デ・バラメダ〜トマレス 189.4km(平坦)
最後の休息日を終え、第77回ブエルタ・ア・エスパーニャがスペイン南部のアンダルシア州で再始動。サンルカル・デ・バラメダからトマレスを目指して北上する189.4kmコースはカテゴリー山岳が一つもないほぼ真っ平なスプリントステージ。残り3km地点から始まる緩い登り勾配をクリアしなければならないため、優勝候補は「登れるスプリンター」マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)やブライアン・コカール(フランス、コフィディス)といった面々。
この日はスタートフラッグが振られると共に飛び出したルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)とアンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)をメイン集団が見送り、あっさりと2人逃げが決まる。平均スピード39km/h弱という、休息日明けの平坦ステージらしいスローペースのまま距離を消化することとなる。
逃げグループを形成した2名
アンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)
ルイス・マテ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
三つ編みで知られるベテランのマテと、今大会既に500km近くを逃げグループ内で過ごすなど、積極的な走りが光るオカミカ(逃げ距離ランキング首位)。スペインを代表する地元密着型プロチームに所属する2名逃げに対し、タイム差が4分差まで広がったタイミングでメイン集団のコントロールがスタート。先述した優勝候補2名を擁するトレック・セガフレードとコフィディスがメンバーを出し合いつつ、平穏な雰囲気で後半戦へと入っていった。
レース開始後3時間を過ぎてようやく平均スピードは40km/hを超え、残り28.5km地点の中間スプリントではマテが先着。1分後方まで詰め寄ったメイン集団先頭を獲ったのはピーダスンで、ポイントランキングのリードをさらに伸ばしている。
スプリントに向けて徐々に加速するメイン集団は、タイム差調整を経て残り14km地点で2人を飲み込み「グルッポ・コンパット」。第11テージで勝利したカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がパンクで勝負権を失う中、各チームは少ないアシストを使って位置取りを繰り広げる。すると、残り3kmを切って始まる緩斜面勾配(平均2.1%)で総合2位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が一気に加速した。
総合首位レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)との1分34秒差を縮めるべく踏んだログリッチのサプライズアタック。慌てて飛びついたパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)だけがその背中を捉える中、中継カメラはパンクで遅れるエヴェネプールの姿を捉える(残り3km以内のアクシデントのため救済措置適用)。
あちこちでドラマが巻き起こる中、逃げるログリッチとアッカーマンには、登坂を終えた先の平坦区間でピーダスンとダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)、そしてフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)の3人がなんとか追いついた。
救済措置によってエヴェネプール入り扱いとなる後続グループとタイム差を稼ぐためにログリッチが漢の一本牽き。その背後で4人のスプリンターが静かな位置取り争いを繰り広げつつ、最後のS字コーナーを抜けてゴール前へとなだれ込む。
2番手ピーダスンが真っ先に踏み込んで先行する中、スプリンター勢についていこうと背後に滑り込んだログリッチはファンポッペルもしくはライトとハスって激しく転倒してしまう。そのまま力強く踏み込んだピーダスンが第13ステージに続く今大会2勝目をマークし、8秒遅れて後続グループ(エヴェネプール入り扱い)がフィニッシュ。大きなダメージを受けたログリッチはふらつきながらも再乗車してフィニッシュラインを越え、すぐコース脇に座り込んだ。
荒れに荒れた最終盤。ログリッチは救済措置適用によって、同じく救済措置を受けたエヴェネプールから8秒差フィニッシュ扱いとなったものの、左膝と左肘を中心に負った傷は深く、ダメージは明らか。チームは深夜にログリッチの検査が終わったと説明しているものの、怪我の状況は明らかにしていない。レースに残るか否かは翌日朝に決定するという。
本調子でこそないものの、第2週目後半からタイム差挽回を続けてきたログリッチに、限りなく赤に近いリタイア黄色信号が点灯。ゆっくりとフィニッシュまでたどり着き、ログリッチの様子を心配していたエヴェネプールは当初狙っていたというステージ優勝のチャンスとリードを8秒失ったものの、無事に3週目初日を終えることとなった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2022第16ステージ結果
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 4:45:29 |
2位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | ダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | クィンティン・パシェ(フランス、グルパマFDJ) | +0:08 |
6位 | サムエーレ・バッティステッラ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) | |
7位 | セドリック・ブーレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
8位 | クレモン・ルッソ(フランス、アルケア・サムシック) | |
9位 | へスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH) | |
10位 | ジュリアス・ファンデンベルグ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
35位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:00 |
97位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | +0:08 |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 61:26:26 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +1:26 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +2:01 |
4位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:49 |
5位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +5:16 |
6位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) | +5:24 |
7位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +7:00 |
8位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | +7:05 |
9位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +8:57 |
10位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +11:36 |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 349pts |
2位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 129pts |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 107pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 59pts |
2位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | 30pts |
3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | 22pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 61:26:26 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:49 |
3位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +5:16 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 183:34:41 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 32:02 |
3位 | アスタナ・カザフスタン | 43:56 |
text:So Isobe
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
Amazon.co.jp
Segafredo Zanetti (セガフレード・ザネッティ) インスタント エスプレッソ 1.6g×10P
Segafredo Zanetti
セガフレード・ザネッティ ロゴ入り カプチーノカップ &ソーサー(1客)
セガフレード・ザネッティ