初日に続く集団スプリントで争われたツアー・オブ・ブリテン第2ステージ。ケース・ボル(オランダ、チームDSM)がジェイク・スチュワート(イギリス、イギリスナショナルチーム)との接戦を制し今シーズン初勝利を挙げた。



MTB世界選手権からの連戦となったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)MTB世界選手権からの連戦となったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
リッチー・ポート(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)の現役ラストレースとして注目を集めているイギリス最大のステージレース「ツアー・オブ・ブリテン(2.Pro)」。第2ステージはスコットランドのホーイックからダンスに向かう175.2kmkmで争われた。

コースの最後に3つの3級山岳が連続して登場し、平坦路にフィニッシュするこの日は地元のコンチネンタルチームなどから6名がエスケープ。それをリーダチームのイスラエル・プレミアテックとイネオス・グレナディアーズが追い、残り20kmで吸収した。

スコットランドのホーイックを出発する選手たちスコットランドのホーイックを出発する選手たち photo:AJ Bell Tour of Britain
序盤から形成された6名による逃げグループ序盤から形成された6名による逃げグループ photo:AJ Bell Tour of Britain
この日最後の3級山岳でドイツ王者ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)やディラン・トゥーンス(ベルギー、イスラエル・プレミアテック)がとアタックを繰り出すものの、ポートやマグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)の牽引によって決まらない。そして勝負は前日同様集団スプリントになだれ込んだ。

残り1kmからトレインを組み主導権を握ったのはエーススプリンターのケース・ボル(オランダ)を擁するチームDSM。そこに来季グルパマFDJへの昇格が決まっているサミュエル・ワトソン(イギリスナショナルチーム)が、一足先に(2020年〜)グルパマFDJ入りし、今大会はイギリスナショナルチームの一員として出場しているジェイク・スチュワートを引き上げた。

最終ストレートに先頭で入ったスチュワートに対し、残り75mでボルが背後から飛び出す。前日勝者のコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)の前でハンドルを投げあったボルとスチュワートの勝負は、写真判定の結果ボルに軍配が上がった。

写真判定に持ち込まれる僅差を制したケース・ボル(オランダ、チームDSM)写真判定に持ち込まれる僅差を制したケース・ボル(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
今季初勝利を挙げたケース・ボル(オランダ、チームDSM)今季初勝利を挙げたケース・ボル(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
「残り300mから背後につくべき選手を探し、全力で踏み込みフィニッシュラインめがけてハンドルを投げた。勝利できて最高の気分だよ」と今季初勝利を挙げたボルは語った。「追い風区間(最終ストレートに入る前)で既に限界に達していたのだが、自分を信じて踏み続けた。僕たちチームは明日からもモチベーション高く臨む予定だ」とも。

翌日はレース序盤に1級山岳(距離4.1km/平均7.8%)が登場する丘陵ステージ。しかしその後はなだらかな丘と平坦路が続くため、三度集団スプリントが予想される。
ツアー・オブ・ブリテン2022第2ステージ結果
1位 ケース・ボル(オランダ、チームDSM) 4:08:35
2位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グレートブリテン)
3位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)
4位 スタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、ビンゴール・パウェルスソースWB)
5位 ルーク・ランパーティ(アメリカ、トリニティレーシング)
個人総合成績
1位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) 8:44:58
2位 ジェイク・スチュワート(イギリス、グレートブリテン) 0:08
3位 オマル・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)
4位 アンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング) 0:10
5位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 0:14
その他の特別賞
ポイント賞 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)
山岳賞 ジェイコブ・スコット(イギリス、WiVサンゴッド)
チーム総合成績 スポートフラーンデレン・バロワーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos