2022/09/06(火) - 18:57
フルーツ王国として知られる山梨県で開催されたやまなしフルーツライド。この時期ならではの山梨産果実、そして甲府盆地の景色を楽しめるロングライドに200人のサイクリストたちが集まった。
首都圏のサイクリストにとって身近にアクセスでき、非日常を味わえる山梨は人気のサイクリングディスティネーションだ。オリンピックのコースにもなり、サイクリスト歓迎ムードに湧く山梨だが、それぞれの地域を代表するようなライドイベントが存在している。
五輪コースとなった富士山麓近辺のエリアであれば、Mt.富士ヒルクライム、八ヶ岳周辺の峡北エリアであればグランフォンド八ヶ岳、富士川流域の峡南エリアであれば南アルプスロングライドなどなど、その地域の特色を活かしたサイクルイベントが開催され、全国のサイクリストたちを迎えてくれれる。
そして、今回取材したやまなしフルーツライドが代表するのは、甲府盆地の東側「峡東」と呼ばれるエリアだ。都内から高速で約1時間、中央道勝沼ICを降りたらもう、そこは一面のフルーツ王国。斜面には桃畑やブドウ棚が広がり、道路脇には観光果樹園が連なっている。そう、峡東地区と呼ばれるエリアは、山梨の中でも一際果樹栽培の盛んな一帯である。
やまなしフルーツライドのメイン会場となるのは、勝沼中央公園。隣接する勝沼中学校のグラウンドに車を停められるし、その向かいにはローソンまである。朝早く、バタバタしがちなロングライドイベントの会場としては、うってつけのロケーションだ。
生憎、朝からしとしとと雨降り模様であるが、3年ぶりに開催されるフルーツライドを逃すまいと、エントリーした皆さんはしっかり準備を済ませている。そう、2019年の開催を最後に、このフルーツライドはコロナ禍で中断、今年も何とかギリギリのタイミングで開催が決定し、急ピッチで準備が進んだのだという。
定員も200名と、これまでに比べれば半数以下の設定となり、エントリー開始後すぐに満員御礼に。定数を減らす大会は多く、またそれ以上に参加者が減少するイベントも少なくないだけに、フルーツライドがいかに多くのファンに支持されていたかが窺えるエピソードだ。
20名ほどを1グループとし、サポートライダー先導のもとスタートしていくのは例年通り。しかし、第1グループがスタートした直後、バラバラッと強い雨が降り注いできた。思わず取材用の一眼カメラをしまうほどの雨だったが、気にする様子も無く第2グループもスタート。多少の雨では、フルーツライドを待ち望んでいた参加者の気持ちは折れないのだ。
コースを大まかに説明すると、甲府盆地を取り囲むような大規模農業道路、通称「フルーツライン」を時計周りに走っていくルーティングとなっている。フルーツラインはその名の通り、果樹園を繋ぐために作られた道。つまり、日当たりの良い斜面に作られた果樹園の間を縫うようなコースで、常に甲府盆地を見下ろす絶景と、パンチの効いたアップダウンが続く70㎞となる。
まず、最初に目指すのは第1エイドとなる「八代ふるさと公園」。笛吹市の八代町にある公園で、甲府盆地を南側から見下ろす絶景スポットを目指し、走り出した。もちろん、スタート地点は見下ろされる側にあり、すなわちスタートからは登り基調になる。
強まったり弱まったりする雨足に翻弄されつつ、桃畑の間を貫く農道を経てフルーツラインへアプローチ。だんだんと右手に見える景色がダイナミックになってくることで、標高を稼いでいることが実感できる。山深い峠とはまた違った趣のヒルクライムで、頑張った分だけすぐにご褒美がもらえるのは初心者にも嬉しいロケーションだといえよう。
いくつか丘を越えるころには雨雲も少しずつ遠くなっていき、いつの間にかジャージも乾いているほどに。例年であれば35度を超える酷暑にあえいでいるところだが、今回は程よいシャワーのおかげもあり、快適な気温でむしろ走りやすい。しかも雨が上がってきたとあれば最高だ。
テンションもかなり上がってきたところで登場するのが、「リニアの見える丘」へ続く激坂だ。勾配14%を超える激坂がいきなり登場し、足を着いて押す人もちらほら。でも、ここを乗り切ればリニア実験線をバックにした絶景が待っている。
激坂を攻略した喜びを噛み締め、記念撮影を兼ねて休憩したら第1エイドはもうすぐそこ。大きな古墳がランドマークの八代ふるさと公園では、早速フルーツライドの名に恥じない大粒のシャインマスカット、桔梗信玄餅クッキー、そして桃ジュースのふるまいが待っていた。
これぞ「やまなしフルーツライド」というエイドステーションのラインアップで、しっかり糖分を補給。古墳に登り甲府盆地を眺めると、次なる目的地のフルーツ公園が見える。まだフルーツライドは始まったばかり。第2エイドを目指して、再び自転車に跨ったのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
首都圏のサイクリストにとって身近にアクセスでき、非日常を味わえる山梨は人気のサイクリングディスティネーションだ。オリンピックのコースにもなり、サイクリスト歓迎ムードに湧く山梨だが、それぞれの地域を代表するようなライドイベントが存在している。
五輪コースとなった富士山麓近辺のエリアであれば、Mt.富士ヒルクライム、八ヶ岳周辺の峡北エリアであればグランフォンド八ヶ岳、富士川流域の峡南エリアであれば南アルプスロングライドなどなど、その地域の特色を活かしたサイクルイベントが開催され、全国のサイクリストたちを迎えてくれれる。
そして、今回取材したやまなしフルーツライドが代表するのは、甲府盆地の東側「峡東」と呼ばれるエリアだ。都内から高速で約1時間、中央道勝沼ICを降りたらもう、そこは一面のフルーツ王国。斜面には桃畑やブドウ棚が広がり、道路脇には観光果樹園が連なっている。そう、峡東地区と呼ばれるエリアは、山梨の中でも一際果樹栽培の盛んな一帯である。
やまなしフルーツライドのメイン会場となるのは、勝沼中央公園。隣接する勝沼中学校のグラウンドに車を停められるし、その向かいにはローソンまである。朝早く、バタバタしがちなロングライドイベントの会場としては、うってつけのロケーションだ。
生憎、朝からしとしとと雨降り模様であるが、3年ぶりに開催されるフルーツライドを逃すまいと、エントリーした皆さんはしっかり準備を済ませている。そう、2019年の開催を最後に、このフルーツライドはコロナ禍で中断、今年も何とかギリギリのタイミングで開催が決定し、急ピッチで準備が進んだのだという。
定員も200名と、これまでに比べれば半数以下の設定となり、エントリー開始後すぐに満員御礼に。定数を減らす大会は多く、またそれ以上に参加者が減少するイベントも少なくないだけに、フルーツライドがいかに多くのファンに支持されていたかが窺えるエピソードだ。
20名ほどを1グループとし、サポートライダー先導のもとスタートしていくのは例年通り。しかし、第1グループがスタートした直後、バラバラッと強い雨が降り注いできた。思わず取材用の一眼カメラをしまうほどの雨だったが、気にする様子も無く第2グループもスタート。多少の雨では、フルーツライドを待ち望んでいた参加者の気持ちは折れないのだ。
コースを大まかに説明すると、甲府盆地を取り囲むような大規模農業道路、通称「フルーツライン」を時計周りに走っていくルーティングとなっている。フルーツラインはその名の通り、果樹園を繋ぐために作られた道。つまり、日当たりの良い斜面に作られた果樹園の間を縫うようなコースで、常に甲府盆地を見下ろす絶景と、パンチの効いたアップダウンが続く70㎞となる。
まず、最初に目指すのは第1エイドとなる「八代ふるさと公園」。笛吹市の八代町にある公園で、甲府盆地を南側から見下ろす絶景スポットを目指し、走り出した。もちろん、スタート地点は見下ろされる側にあり、すなわちスタートからは登り基調になる。
強まったり弱まったりする雨足に翻弄されつつ、桃畑の間を貫く農道を経てフルーツラインへアプローチ。だんだんと右手に見える景色がダイナミックになってくることで、標高を稼いでいることが実感できる。山深い峠とはまた違った趣のヒルクライムで、頑張った分だけすぐにご褒美がもらえるのは初心者にも嬉しいロケーションだといえよう。
いくつか丘を越えるころには雨雲も少しずつ遠くなっていき、いつの間にかジャージも乾いているほどに。例年であれば35度を超える酷暑にあえいでいるところだが、今回は程よいシャワーのおかげもあり、快適な気温でむしろ走りやすい。しかも雨が上がってきたとあれば最高だ。
テンションもかなり上がってきたところで登場するのが、「リニアの見える丘」へ続く激坂だ。勾配14%を超える激坂がいきなり登場し、足を着いて押す人もちらほら。でも、ここを乗り切ればリニア実験線をバックにした絶景が待っている。
激坂を攻略した喜びを噛み締め、記念撮影を兼ねて休憩したら第1エイドはもうすぐそこ。大きな古墳がランドマークの八代ふるさと公園では、早速フルーツライドの名に恥じない大粒のシャインマスカット、桔梗信玄餅クッキー、そして桃ジュースのふるまいが待っていた。
これぞ「やまなしフルーツライド」というエイドステーションのラインアップで、しっかり糖分を補給。古墳に登り甲府盆地を眺めると、次なる目的地のフルーツ公園が見える。まだフルーツライドは始まったばかり。第2エイドを目指して、再び自転車に跨ったのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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