2022/09/01(木) - 09:09
ブエルタ11日目にスター選手2名がリタイアする波乱。大集団スプリントをでカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がキャリア初のグランツールステージ優勝を挙げ、エースがリタイアした悔しさを晴らしている。
8月31日(水)第11ステージ
エルポソ・アリメンタシオン〜カボ・デ・ガタ 191.2km(平坦)
第3ステージ以来、8日ぶりにスプリンターたちにチャンスが回ってきた。現役最後のグランツールとなるアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)の生まれ故郷ムルシアから南下して、バレアス海に面したビーチリゾート地カボ・デ・ガタでフィニッシュを迎える。
海岸線の細かいアップダウンこそあれど、ステージを通しての獲得標高差は1,600m弱。前日の個人タイムトライアルで好走した総合5位サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)新型コロナウイルス陽性によってレース離脱というニュースが流れる中、鼻息を荒くしたスプリンター勢を含むプロトンがムルシアを旅立った。
第2週に2回用意されたスプリントステージの1回目。バルベルデゆかりの地をスタートすると、時間を要さずに3名が飛び出して逃げグループを組む。総合成績に全く関係ない3名をあっさりと見送ったプロトンはペースを落とし、タイム差が4分前後まで広がったタイミングでコントロールを開始した。
逃げグループを形成した3名
ヴォイチェフ・レパ(チェコ、エキポ・ケルンファルマ)
イェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH)
ジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
スペイン籍のUCIプロチームに所属するチェコ人とオランダ人選手が1名ずつ入った、少し変わった国際色豊かな逃げ。スプリンターチームがタイム差を2分程度に縮めてコントロールする中、後半戦の強風区間で路面に浮いた砂に車輪を取られた落車が断続的に発生した。
逃げグループ内では市街地区間のコーナーでレパが落車(すぐに再乗車して逃げグループに復帰)し、メイン集団前方ではジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)が落車に巻き込まれ、そのまま救急車に乗り込むアクシデントが発生。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)の最終山岳アシストとして尽力してきた世界王者のリタイアはプロトンに大きな衝撃をもたらした(詳しくは別記事で紹介します)。
残り52km、タイム差はちょうど1分。そんなタイミングで逃げグループからは、踏めなくなったレバとボウを置き去りにしてボルが独走を開始した。「レースを活性化させるのはワイルドカード枠チームの役目。向かい風だったのでリードを築くのは難しかったけれど、最後まで挑戦し続けた」と言うボルは一時的にリードを広げたものの、やはり1対大集団ではあまりにも分が悪かった。
26kmを残して粘り続けたボルが吸収され、ここからスプリンターとスプリンターチームが本格的なペースアップを開始する。残り10km地点の中間スプリントポイントはマイヨプントスを着るマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が先着し、各チームが横並びでスプリントトレインをぶつけ合った末に主導権を握ったのはバイクエクスチェンジ・ジェイコだった。
横風吹きさらしの直線路を、バイクエクスチェンジが斜め隊列を組みながら引っ張り続ける。残り1kmを切ってもなおリードは崩れることがなく、突破口を突くべくジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)が早いタイミングでスプリントを開始。それに合わせたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が加速したものの、肝心のパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)が後ろについておらず、失速。そんな混乱をよそに、一時的にポジションを奪われながらも仕掛け時を待ったカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が右側から伸びた。
ダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック)を発射台にし、力強く加速したグローブスがダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)とティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を抑えて先着。メキメキと実力を伸ばす23歳の新鋭スプリンターが、キャリア初出場のグランツールで価値ある1勝をマークした。
Sイェーツ離脱を埋める、グローブスの勝利。「今朝ニュースを聞いてチーム全員は本当にがっかりしたよ。でも、この勝利はそれを取り返すものになった。本当にこの勝利が嬉しいけれど、彼がここにいてくれたらなお良かった」とグローブスは話している。
翌日は19km地点から1級山岳ペニャス・ブランカスを登り詰める山頂フィニッシュ。首位エヴェネプールはここまで圧倒的なレース運びを見せているが、タイム差短縮を狙うライバル勢がどう挑むかに期待したい。
8月31日(水)第11ステージ
エルポソ・アリメンタシオン〜カボ・デ・ガタ 191.2km(平坦)
第3ステージ以来、8日ぶりにスプリンターたちにチャンスが回ってきた。現役最後のグランツールとなるアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)の生まれ故郷ムルシアから南下して、バレアス海に面したビーチリゾート地カボ・デ・ガタでフィニッシュを迎える。
海岸線の細かいアップダウンこそあれど、ステージを通しての獲得標高差は1,600m弱。前日の個人タイムトライアルで好走した総合5位サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)新型コロナウイルス陽性によってレース離脱というニュースが流れる中、鼻息を荒くしたスプリンター勢を含むプロトンがムルシアを旅立った。
第2週に2回用意されたスプリントステージの1回目。バルベルデゆかりの地をスタートすると、時間を要さずに3名が飛び出して逃げグループを組む。総合成績に全く関係ない3名をあっさりと見送ったプロトンはペースを落とし、タイム差が4分前後まで広がったタイミングでコントロールを開始した。
逃げグループを形成した3名
ヴォイチェフ・レパ(チェコ、エキポ・ケルンファルマ)
イェツセ・ボル(オランダ、ブルゴスBH)
ジョアン・ボウ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
スペイン籍のUCIプロチームに所属するチェコ人とオランダ人選手が1名ずつ入った、少し変わった国際色豊かな逃げ。スプリンターチームがタイム差を2分程度に縮めてコントロールする中、後半戦の強風区間で路面に浮いた砂に車輪を取られた落車が断続的に発生した。
逃げグループ内では市街地区間のコーナーでレパが落車(すぐに再乗車して逃げグループに復帰)し、メイン集団前方ではジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)が落車に巻き込まれ、そのまま救急車に乗り込むアクシデントが発生。レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)の最終山岳アシストとして尽力してきた世界王者のリタイアはプロトンに大きな衝撃をもたらした(詳しくは別記事で紹介します)。
残り52km、タイム差はちょうど1分。そんなタイミングで逃げグループからは、踏めなくなったレバとボウを置き去りにしてボルが独走を開始した。「レースを活性化させるのはワイルドカード枠チームの役目。向かい風だったのでリードを築くのは難しかったけれど、最後まで挑戦し続けた」と言うボルは一時的にリードを広げたものの、やはり1対大集団ではあまりにも分が悪かった。
26kmを残して粘り続けたボルが吸収され、ここからスプリンターとスプリンターチームが本格的なペースアップを開始する。残り10km地点の中間スプリントポイントはマイヨプントスを着るマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が先着し、各チームが横並びでスプリントトレインをぶつけ合った末に主導権を握ったのはバイクエクスチェンジ・ジェイコだった。
横風吹きさらしの直線路を、バイクエクスチェンジが斜め隊列を組みながら引っ張り続ける。残り1kmを切ってもなおリードは崩れることがなく、突破口を突くべくジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM)が早いタイミングでスプリントを開始。それに合わせたフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が加速したものの、肝心のパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)が後ろについておらず、失速。そんな混乱をよそに、一時的にポジションを奪われながらも仕掛け時を待ったカーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が右側から伸びた。
ダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック)を発射台にし、力強く加速したグローブスがダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)とティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)を抑えて先着。メキメキと実力を伸ばす23歳の新鋭スプリンターが、キャリア初出場のグランツールで価値ある1勝をマークした。
Sイェーツ離脱を埋める、グローブスの勝利。「今朝ニュースを聞いてチーム全員は本当にがっかりしたよ。でも、この勝利はそれを取り返すものになった。本当にこの勝利が嬉しいけれど、彼がここにいてくれたらなお良かった」とグローブスは話している。
翌日は19km地点から1級山岳ペニャス・ブランカスを登り詰める山頂フィニッシュ。首位エヴェネプールはここまで圧倒的なレース運びを見せているが、タイム差短縮を狙うライバル勢がどう挑むかに期待したい。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2022第11ステージ結果
1位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 5:03:14 |
2位 | ダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
4位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
6位 | ダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック) | |
7位 | ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チームDSM) | |
8位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | セドリック・ブーレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | ボーイ・ファンポッぺル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 39:39:04 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +2:41 |
3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:03 |
4位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +3:55 |
5位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:53 |
6位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +6:45 |
7位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) | +6:50 |
8位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +7:37 |
9位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +7:46 |
10位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | +8:44 |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 184pts |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 85pts |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | 81pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 40pts |
2位 | ロバート・スタナード(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 21pts |
3位 | ジミー・ヤンセンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 17pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | 39:39:04 |
2位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +3:55 |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +4:53 |
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 118:23:43 |
2位 | UAEチームエミレーツ | +0:29 |
3位 | バーレーン・ヴィクトリアス | +11:31 |
text:So Isobe
photo:Unipublic, CorVos
photo:Unipublic, CorVos
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