急勾配登坂を含む周回コースで争われたドイツ・ツアー最終ステージ。先鋭集団によるスプリントをペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が制し、同タイムでフィニッシュしたアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が総合優勝に輝いた。



母国ファンの歓声を浴びるドイツ王者ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)母国ファンの歓声を浴びるドイツ王者ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
第1ステージで勝利を挙げたロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)とロジャー・クルーゲ(ドイツ)第1ステージで勝利を挙げたロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)とロジャー・クルーゲ(ドイツ) photo:CorVosドイツ・ツアー2022第4ステージ コースプロフィールドイツ・ツアー2022第4ステージ コースプロフィール image:Deutschland Tour

ドイツ・ツアー(UCIプロツアー)最終日である第4ステージは5つのカテゴリー山岳を越える丘陵ステージ。スタート直後に1級山岳を越え、細かいアップダウンをこなしながら最後は最後は2級山岳(距離1.3km/平均7.8%)を含むコースを3周する。

この日逃げに乗ったのはツール・ド・フランス以来のレース復帰となったロマン・バルデ(フランス、チームDSM)。序盤は12名だった逃げグループは山岳を越える度に人数を減らし、最終的にドイツ王者のニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)や今年躍進を見せる23歳アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)ら7名が生き残った。

大会を通してアダム・イェーツのアシストに徹したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)大会を通してアダム・イェーツのアシストに徹したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
シュツットガルトに設定された周回コースに突入した時点(残り31.2km)で逃げとメイン集団の差は1分55秒。逃げグループには総合8位/56秒遅れのシルヴァン・モニケ(ベルギー、ロット・スーダル)が入ったため、イネオス・グレナディアーズと区間優勝を狙うB&Bホテルズ KTMがプロトンのペースアップを敢行した。

プロローグ勝者のフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)などの強力牽引もあり、最終周回の残り6.5km地点で逃げ集団は吸収。直後にルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)のためにEFエデュケーション・イージーポストが加速し、イェーツなど総合上位陣による12名の先鋭集団が形成された。

最終的に、イェーツの背後から飛び出したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)がゲレイロらを抑えて集団スプリントを制す。そして同集団内でフィニッシュしたリーダージャージを着用するイェーツが第37代総合優勝者に輝いた。

スプリントで先着したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)スプリントで先着したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
集団スプリントを制したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)集団スプリントを制したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
「勝利で大会を締めくくることができて最高だ。(総合首位と)30秒差をひっくり返すのは難しいと思っていたものの、ステージで勝利する自信はあった。僕はスプリンターではないがこのような周回コースではみんな脚が疲れ、勝機があると思っていた。最後の200mは全力で踏み込んだ」と、ステージ優勝を果たし、ポイント賞と総合2位という成績で大会を終えたビルバオは喜んだ。

リーダージャージを守り抜いたイェーツは「タフなステージでチームは逃げを捉える素晴らしいアシストをしてくれた。これ以上の走りを望むことはできないくらいの走りだった。今年は不運続きだったので総合優勝の価値は大きくスーパーハッピーだ。これで残りのシーズンに気持ちよく向かうことができる」と、総合優勝を喜んでいる。

総合優勝を飾ったアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)総合優勝を飾ったアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
前日2位の悔しさをステージ優勝で晴らしたペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)前日2位の悔しさをステージ優勝で晴らしたペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
ドイツ・ツアー2022第4ステージ結果
個人総合成績
1位 アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 12:43:39
2位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:30
3位 マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) 0:48
4位 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)
5位 ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) 0:49
6位 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) 0:51
7位 ジェームス・ノックス(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) 0:56
8位 シルヴァン・モニケ(ベルギー、ロット・スーダル)
9位 ローレンス・ハイス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) 1:02
10位 イバン・ソーサ(コロンビア、モビスター) 1:06
その他の特別賞
ポイント賞 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
山岳賞 ヤコブ・ゲスナー(ドイツ、チームロット・ケルンハウス)
ヤングライダー賞 ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
チーム総合成績 モビスター
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos