2022/08/22(月) - 08:40
2日連続で繰り広げられたブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージの集団スプリント。マイヨプントスを着るサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が2連勝し、今大会最強スプリンターであることを強く印象付けた。
8月21日(日)第3ステージ
ブレダ〜ブレダ 193.2km(平坦)
第77回ブエルタ・ア・エスパーニャの第3ステージは、開幕地オランダを走る最後の日。ベルギーとの国境にもほど近いブレタを発着点とする193.2kmコースは2日連続となる真っ平らで、レース中盤を過ぎて僅か400mの距離に平均勾配3.7%の3級山岳が用意されているのみ。ブレタの中心街のフィニッシュラインでは再びスプリンターたちにスポットライトが当てられる。
移動日を挟んでスペイン入国以降は丘陵ステージが続くため、スプリンターにとっては勝ちにこだわりたい1日。獲得標高たった250mというステージが始まると共に「逃げ屋」トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)を含む7名がするすると抜け出し、先行を開始した。
逃げグループを形成した7名
ホセ・エラダ(スペイン、コフィディス)
ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
ヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
アンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)
パウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
アンデル・オカミカ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
白地に青水玉の山岳賞ジャージを着用し、この日唯一設定されたKOMでのポイント加算を狙うジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)とパウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)にとっては2日連続の逃げ。「逃げるつもりはなかったけれど、6名が先行するのを見て僕もトライしてみようと思った」と振り返るデヘントたちに対し、スプリンターチームはタイム差上限を3分ちょうどに設定。スタート後50kmを経たあたりから2グループ間の間隔は緩やかな下降線をたどり続けた。
スタートからの平均スピード47.694km/hというハイペースで距離50kmを消化しようかというタイミングで、中継カメラは集団内で落車したマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)の姿を映し出した。ひどい怪我はないように見えたものの、脳震盪を起こしたウッズはプロトコルに則りそのままリタイアを選択。先のツール・ド・フランスで落車に巻き込まれ、さらに新型コロナウイルス感染によってレースから離れたウッズにとって、またしても不本意なリタイアとなってしまった。
ボーラ・ハンスグローエやアルペシン・ドゥクーニンク、そしてトレック・セガフレードといったスプリンターチームがアシスト要員を出し合ってプロトンを牽引。45km/hに迫るハイペースを維持したままレース後半戦に入り、オランダファンが詰めかけた3級山岳では2019年ブエルタで山岳賞を獲得したデヘントがファンデンベルフを下して1位通過に成功。合計3ポイントに伸ばしたファンデンベルフは山岳賞ジャージを着たままスペインに渡ることを決めている。
逃げグループを視界に捉え、スプリント勝負の準備を進めるメイン集団内では残り20km地点でイネオス・グレナディアーズの総合エースを務めるリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が落車するシーンも。ただしカラパスに怪我はなく、パヴェル・シヴァコフ(ロシア)とカルロス・ロドリゲス(スペイン)に牽引されて本格的なペースアップが行われる前に危なげなくメイン集団へと戻ることに。
タイム差調整を経て、結局一度も逃げ切りの可能性を見出すことなく先頭グループはメイン集団に引き戻される。前日と同じくスプリンターチームと、危険回避を目論む総合系チームがそれぞれ列車を並べ、60km/hに達するハイペースで2車線道路を飛ばしていく。救済措置が適用される残り3km地点を切ると総合チームが下がり、連続するコーナーで隊列が引き伸ばされた状態で最終盤へと突入していった。
最も良い形を作ったのはUAEチームエミレーツだったが、パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)は残り300mという早すぎるタイミングでスプリントを開始せざるを得ない状況に。一人で長時間もがき続けるアッカーマンに対し、逆サイドからダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が追い上げて並びかけ、マイヨプントスを着るサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)を発射させる。抜群のリードアウトを得てもがくベネットに対し、応戦したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)とダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック)は距離を縮めることができなかった。
前日に2年ぶりとなるグランツールステージ優勝を遂げたベネットが、完全復活を印象付けるステージ2連勝を達成。「マスタークラスのリードアウトを披露してくれたダニーをはじめ、今日はチーム全員が完璧な仕事をしてくれた。今日は僕らの列車の後ろにつこうとたくさんの選手が戦っていたので簡単な勝負じゃなかった。けれどダニーのおかげで良いタイミングでスプリントを始めることができたんだ。ポイントランキングも伸ばすことができたし、これ以上望むことはないよ」と、今大会最強スプリンターであることを印象付けたベネットは満足げな表情を見せる。
総合上位陣はほぼ同タイムでフィニッシュしたものの、アシストとして尽力したマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が集団内後方フィニッシュしたため、合計の着順によってマイヨロホは総合2位につけていたエドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ)の手に渡った。
ロベルト・ヘーシンク(オランダ)→テウニッセン→アッフィニとマイヨロホのチーム内リレーを回すユンボ・ヴィスマにとってはスペイン入国後に始まる丘陵ステージでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)に手渡すことが目標となる。
8月21日(日)第3ステージ
ブレダ〜ブレダ 193.2km(平坦)
第77回ブエルタ・ア・エスパーニャの第3ステージは、開幕地オランダを走る最後の日。ベルギーとの国境にもほど近いブレタを発着点とする193.2kmコースは2日連続となる真っ平らで、レース中盤を過ぎて僅か400mの距離に平均勾配3.7%の3級山岳が用意されているのみ。ブレタの中心街のフィニッシュラインでは再びスプリンターたちにスポットライトが当てられる。
移動日を挟んでスペイン入国以降は丘陵ステージが続くため、スプリンターにとっては勝ちにこだわりたい1日。獲得標高たった250mというステージが始まると共に「逃げ屋」トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)を含む7名がするすると抜け出し、先行を開始した。
逃げグループを形成した7名
ホセ・エラダ(スペイン、コフィディス)
ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
ヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
アンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)
パウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
アンデル・オカミカ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
白地に青水玉の山岳賞ジャージを着用し、この日唯一設定されたKOMでのポイント加算を狙うジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)とパウ・ミケル(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)にとっては2日連続の逃げ。「逃げるつもりはなかったけれど、6名が先行するのを見て僕もトライしてみようと思った」と振り返るデヘントたちに対し、スプリンターチームはタイム差上限を3分ちょうどに設定。スタート後50kmを経たあたりから2グループ間の間隔は緩やかな下降線をたどり続けた。
スタートからの平均スピード47.694km/hというハイペースで距離50kmを消化しようかというタイミングで、中継カメラは集団内で落車したマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)の姿を映し出した。ひどい怪我はないように見えたものの、脳震盪を起こしたウッズはプロトコルに則りそのままリタイアを選択。先のツール・ド・フランスで落車に巻き込まれ、さらに新型コロナウイルス感染によってレースから離れたウッズにとって、またしても不本意なリタイアとなってしまった。
ボーラ・ハンスグローエやアルペシン・ドゥクーニンク、そしてトレック・セガフレードといったスプリンターチームがアシスト要員を出し合ってプロトンを牽引。45km/hに迫るハイペースを維持したままレース後半戦に入り、オランダファンが詰めかけた3級山岳では2019年ブエルタで山岳賞を獲得したデヘントがファンデンベルフを下して1位通過に成功。合計3ポイントに伸ばしたファンデンベルフは山岳賞ジャージを着たままスペインに渡ることを決めている。
逃げグループを視界に捉え、スプリント勝負の準備を進めるメイン集団内では残り20km地点でイネオス・グレナディアーズの総合エースを務めるリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が落車するシーンも。ただしカラパスに怪我はなく、パヴェル・シヴァコフ(ロシア)とカルロス・ロドリゲス(スペイン)に牽引されて本格的なペースアップが行われる前に危なげなくメイン集団へと戻ることに。
タイム差調整を経て、結局一度も逃げ切りの可能性を見出すことなく先頭グループはメイン集団に引き戻される。前日と同じくスプリンターチームと、危険回避を目論む総合系チームがそれぞれ列車を並べ、60km/hに達するハイペースで2車線道路を飛ばしていく。救済措置が適用される残り3km地点を切ると総合チームが下がり、連続するコーナーで隊列が引き伸ばされた状態で最終盤へと突入していった。
最も良い形を作ったのはUAEチームエミレーツだったが、パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)は残り300mという早すぎるタイミングでスプリントを開始せざるを得ない状況に。一人で長時間もがき続けるアッカーマンに対し、逆サイドからダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)が追い上げて並びかけ、マイヨプントスを着るサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)を発射させる。抜群のリードアウトを得てもがくベネットに対し、応戦したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)とダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック)は距離を縮めることができなかった。
前日に2年ぶりとなるグランツールステージ優勝を遂げたベネットが、完全復活を印象付けるステージ2連勝を達成。「マスタークラスのリードアウトを披露してくれたダニーをはじめ、今日はチーム全員が完璧な仕事をしてくれた。今日は僕らの列車の後ろにつこうとたくさんの選手が戦っていたので簡単な勝負じゃなかった。けれどダニーのおかげで良いタイミングでスプリントを始めることができたんだ。ポイントランキングも伸ばすことができたし、これ以上望むことはないよ」と、今大会最強スプリンターであることを印象付けたベネットは満足げな表情を見せる。
総合上位陣はほぼ同タイムでフィニッシュしたものの、アシストとして尽力したマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が集団内後方フィニッシュしたため、合計の着順によってマイヨロホは総合2位につけていたエドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ)の手に渡った。
ロベルト・ヘーシンク(オランダ)→テウニッセン→アッフィニとマイヨロホのチーム内リレーを回すユンボ・ヴィスマにとってはスペイン入国後に始まる丘陵ステージでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)に手渡すことが目標となる。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2022第3ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:05:53 |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
3位 | ダニエル・マクレー(イギリス、アルケア・サムシック) | |
4位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
5位 | ファビアン・リーンハルト(スイス、グルパマFDJ) | |
6位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
8位 | セドリック・ブーレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
9位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ダニー・ファンポッぺル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) |
マイヨロホ 個人総合成績
1位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ) | 8:20:07 |
2位 | サム・オーメン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
6位 | ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
7位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:13 |
8位 | リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) |
マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)117pts | |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 80pts |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ) | 34pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)
1位 | ジュリアス・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト) | 3pts |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 2pts |
3位 | ティボー・ゲルナレック(フランス、アルケア・サムシック) | 1pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)
1位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 8:20:20 |
2位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 24:11:01 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +0:13 |
3位 | クイックステップ・アルファヴィニル | +0:14 |
text:So Isobe
photo:Unipublic
photo:Unipublic
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