2022/08/26(金) - 18:32
ツール・ド・フランスで活躍したプロチーム機材特集第14弾は、チームDSMのバイクに焦点を当てよう。エアロロードのFoil、そしてTTバイクのPLASMAがフルモデルチェンジを果たしている。
フルモデルチェンジを果たしたスコット Foil
シンクロスのステム一体型ハンドルバーを使用
市販モデルでは分割式のシートポストを採用していたが、プロユースモデルはオーソドックスな形状のモデルだ
ロマン・バルデ(フランス)をエースに据え、3週間を戦ったチームDSM。勝負がかかった第11ステージではステージ3位、総合でも7位と健闘したチームDSMをサポートするのが、スイスのバイクメーカー、スコットだ。
昨年よりチームに供給を開始したスコットは、山岳オールラウンダーのAddictと、エアロロードのFoilのツートップのラインアップで選手らの走りを支えている。エースがクライマーとして知られるバルデだけに、昨年モデルチェンジを果たしたAddictの印象が強いもの、実はFoilがフルモデルチェンジを果たしている。
チーム DSMのスコット Adicct RC
チーム DSMのスコット Foil
UCIのフレーム規定の変更に伴い、多くのメーカーがエアロロードにテコ入れを行っているが、スコットもまた例外ではない。曲線的なデザインだった先代に比べ、まるでステルス機のような直線的フォルムへと生まれ変わっており、大幅なエアロダイナミクスの向上を感じさせる一台だ。
実際、昨年はエアロ化を果たしたAddictを全選手が使用していたのに対し、今年はステージ特性に応じてFoilとAddictを使い分けるように。バイクを統一することによる感覚的なメリットを帳消しにしてあまりあるほど、新型Foilのもたらすアドバンテージが大きいのだろう。
ホイールも新型DURA-ACEを使用。ヴィットリアのCORSA TLRを使用する選手が目立った
パワーメーターもR9200系のDURA-ACEを使用する
ワイヤレス化を果たしたR9200系DURA-ACE
シマノグローバルサポートチームでもあるチームDSMは、コンポーネントはもちろん、ホイールもシマノで統一。特に今年は、ワイヤレス化&12速化を果たした新型DURA-ACEを装備し、3週間を走りぬいた。
ホイールも新型DURA-ACEを採用しており、オールラウンドな50㎜ハイトを基準に、平坦ステージでは60㎜を、山岳ステージでは36㎜ハイトモデルを使用していた。一方ユニークなのは、パヴェの第5ステージでは旧モデルを使用するバイクが見受けられたこと。
パヴェステージでは旧モデルのDURA-ACEホイールを使用した
チューブレスへの移行を進めているためにチューブラー対応の新型モデルの準備数が足りなかったのか、はたまた過酷なステージを前に最新機材を温存したかったのか、理由は定かではないが全てのバイクにR9100系のDURA-ACEホイールが装着されていた。
タイヤはヴィットリアのCORSAシリーズで、チューブレスレディモデルを使用する選手がメダル。一方、パヴェステージだけでなく、依然としてチューブラーを愛用する選手もおり、そこは選択の自由があるようだ。
スコープのAEAホイールセットを装着した新型PLASMA
ハンドル長やバーエンドの角度など、様々な個所が調整可能なオリジナルDHバー
TTバイクのPLASMAもモデルチェンジが施され、ついにディスクブレーキ化を果たしている。Foilと同じデザインエッセンスが与えられ、よりシャープな印象に。地面と平行のラインがヘッド下側、シートステーの付け根、BB上部など随所にあしらわれているのも興味深い。
オリジナルのDHバーは、ハンドル長やバーエンド角の調整機構を搭載しており、昨今プロトンで流行するカスタムDHバーを使わずとも最高のエアロダイナミクスを実現できるようなデザインだ。
こちらは他のチームも使用している、おそらくロヴァール 321Discと思われるディスクホイール
スペアバイクにはライトウェイトのAUTOBAHNと思しきホイールが装着されているものも
エアロコーチ製と思われるディスクホイールも使われている
スコープのAEA ディスクホイール
シマノがTT用のディスクブレーキ対応ディスクホイールやスーパーディープホイールをラインアップしていないため、シマノサポートチームのTTバイクには各々がチョイスしたディスクホイールにシマノステッカーが貼られたものが使われているが、なかでもチームDSMのそれは非常にバリエーションに富んでいる。
他のチームでも採用率の高いロヴァールの321DISCや、エアロコーチだけでなく、同郷・オランダのホイールブランド、スコープと共同開発した"AEA"ホイールセットも採用。スペアとして用意した旧PLASMAにはライトウェイトのディスクホイールを履いたバイクも見受けられ、多種多様なディスクホイールの見本市状態に。メカニックの苦労が偲ばれる。



ロマン・バルデ(フランス)をエースに据え、3週間を戦ったチームDSM。勝負がかかった第11ステージではステージ3位、総合でも7位と健闘したチームDSMをサポートするのが、スイスのバイクメーカー、スコットだ。
昨年よりチームに供給を開始したスコットは、山岳オールラウンダーのAddictと、エアロロードのFoilのツートップのラインアップで選手らの走りを支えている。エースがクライマーとして知られるバルデだけに、昨年モデルチェンジを果たしたAddictの印象が強いもの、実はFoilがフルモデルチェンジを果たしている。


UCIのフレーム規定の変更に伴い、多くのメーカーがエアロロードにテコ入れを行っているが、スコットもまた例外ではない。曲線的なデザインだった先代に比べ、まるでステルス機のような直線的フォルムへと生まれ変わっており、大幅なエアロダイナミクスの向上を感じさせる一台だ。
実際、昨年はエアロ化を果たしたAddictを全選手が使用していたのに対し、今年はステージ特性に応じてFoilとAddictを使い分けるように。バイクを統一することによる感覚的なメリットを帳消しにしてあまりあるほど、新型Foilのもたらすアドバンテージが大きいのだろう。



シマノグローバルサポートチームでもあるチームDSMは、コンポーネントはもちろん、ホイールもシマノで統一。特に今年は、ワイヤレス化&12速化を果たした新型DURA-ACEを装備し、3週間を走りぬいた。
ホイールも新型DURA-ACEを採用しており、オールラウンドな50㎜ハイトを基準に、平坦ステージでは60㎜を、山岳ステージでは36㎜ハイトモデルを使用していた。一方ユニークなのは、パヴェの第5ステージでは旧モデルを使用するバイクが見受けられたこと。

チューブレスへの移行を進めているためにチューブラー対応の新型モデルの準備数が足りなかったのか、はたまた過酷なステージを前に最新機材を温存したかったのか、理由は定かではないが全てのバイクにR9100系のDURA-ACEホイールが装着されていた。
タイヤはヴィットリアのCORSAシリーズで、チューブレスレディモデルを使用する選手がメダル。一方、パヴェステージだけでなく、依然としてチューブラーを愛用する選手もおり、そこは選択の自由があるようだ。


TTバイクのPLASMAもモデルチェンジが施され、ついにディスクブレーキ化を果たしている。Foilと同じデザインエッセンスが与えられ、よりシャープな印象に。地面と平行のラインがヘッド下側、シートステーの付け根、BB上部など随所にあしらわれているのも興味深い。
オリジナルのDHバーは、ハンドル長やバーエンド角の調整機構を搭載しており、昨今プロトンで流行するカスタムDHバーを使わずとも最高のエアロダイナミクスを実現できるようなデザインだ。




シマノがTT用のディスクブレーキ対応ディスクホイールやスーパーディープホイールをラインアップしていないため、シマノサポートチームのTTバイクには各々がチョイスしたディスクホイールにシマノステッカーが貼られたものが使われているが、なかでもチームDSMのそれは非常にバリエーションに富んでいる。
他のチームでも採用率の高いロヴァールの321DISCや、エアロコーチだけでなく、同郷・オランダのホイールブランド、スコープと共同開発した"AEA"ホイールセットも採用。スペアとして用意した旧PLASMAにはライトウェイトのディスクホイールを履いたバイクも見受けられ、多種多様なディスクホイールの見本市状態に。メカニックの苦労が偲ばれる。
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