北欧三国を舞台にしたツアー・オブ・スカンジナビア2日目は再びスプリント決着。エミリア・ファーリン(スウェーデン、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)をラスト10mで抜き去ったマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が2日連続勝利を挙げた。



北海をバックにリーダージャージを披露するマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)北海をバックにリーダージャージを披露するマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ツアー・オブ・スカンジナビア2022 大会コースマップツアー・オブ・スカンジナビア2022 大会コースマップ Image:Tour of Scandinavia前日のデンマーク・コペンハーゲンからスウェーデンに舞台を移したツアー・オブ・スカンジナビア(UCI女子ワールドツアー)2日目。この日は2つの3級山岳が設定され、女子レースには比較的眺めの153.8kmコースで再びスプリントバドルが勃発した。

オルストからストレムスタードを目指す選手たちは、前日勝者でリーダージャージを着るマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)を先頭に117名の選手たちが出走。スタートして34km地点の3級山岳をアンバー・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がトップ通過して山岳賞ジャージのリードを拡大すると、続く中間スプリントを狙うチームがハイペースで牽引したため逃げ集団が形成されることはなかった。

スタートを待つ4賞ジャージスタートを待つ4賞ジャージ photo:CorVos
この日はスウェーデンのオルストをスタートこの日はスウェーデンのオルストをスタート photo:CorVos
この日2つある中間スプリントの1つ目をアリソン・ジャクソン(カナダ、リブレーシング・エクストラ)が先頭通過してポイントのリードを拡大。すると続く2つ目は20歳のエレン・ファンローイェン(オランダ、AGインシュランス・NXTGチーム)がトップ通過し、ポイント賞暫定2位にジャンプアップした。

フォスの牽引からクラークがこの日最後の3級山岳をトップ通過してポイントを上積みすると、ノルウェーナショナルチームらによる散発的なアタックをユンボ・ヴィスマやバイクエクスチェンジ・ジェイコが封じ込める。そんな中、終盤に向けプロトンのスピードが上がった残り2.6km地点でジャクソンが単独で落車するシーンも。ジャクソンに怪我はなかったものの、これにより勝負からは脱落した。

マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)の牽引で3級山岳をトップ通過したアンバー・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)の牽引で3級山岳をトップ通過したアンバー・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ハイスピードに持ち込まれたため逃げ集団が形成されなかったハイスピードに持ち込まれたため逃げ集団が形成されなかった photo:CorVos
フィニッシュラインの引かれたストレムスタードの街に突入したプロトンは、狭く直角コーナーの多いレイアウトによって徐々に縦長になっていく。しかしそんな難しいレイアウトでもエーススプリンターの前デンマーク王者アマリー・ディデリクセンを携えたルシンダ・ブラント(オランダ、トレック・セガフレード)は力強くリードアウトを見せ、集団先頭で最終ストレートに突入した。

ブラントのリードアウトとは別ラインでエミリア・ファーリン(スウェーデン、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)がスプリントを開始する。ディデリクセンのスプリントが伸び悩む一方で、後続を引き離していくファーリン。しかし先着したのは母国勝利目前のファーリンを残り10mで交わしたリーダージャージを着るフォスだった。

ハンドルを投げスプリントを制したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)ハンドルを投げスプリントを制したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
初日に続き、2連勝したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)初日に続き、2連勝したマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
「ギリギリで勝つことができてとても嬉しい。フィニッシュ地点の街にハイスピードで入ったものの、コーナーが連続したためかなりテクニカルだった。トレック・セガフレードのよる飛び出しは強烈だったが、なんとか追いつくことができた。結果的にその動きが勝利に繋がった。2連勝はとても嬉しい」と、2日連続の勝利を挙げたフォスは喜びを語った。

翌日はノルウェーを発着する第3ステージ。初日、2日目と同様の平坦基調のレイアウトのため、3日連続の集団スプリントが予想される。

フォスの牽引もあり山岳賞ジャージを守ったアンバー・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)フォスの牽引もあり山岳賞ジャージを守ったアンバー・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
ツアー・オブ・スカンジナビア2022第2ステージ結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 3:46:42
2位 エミリア・ファーリン(スウェーデン、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)
3位 バルバラ・グアリスキ(イタリア、モビスター)
4位 メーガン・ジャストラブ(アメリカ、チームDSM)
5位 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
6位 タマラ・ドロノヴァ(ロシア、ローランド・コジャース・エーデルワイススクァッド)
7位 フローイチェ・マッカイ(オランダ、チームDSM)
8位 シャリ・ボサイト(ベルギー、キャニオン・スラム)
9位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
10位 デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)
個人総合成績
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 7:23:38
2位 メーガン・ジャストラブ(アメリカ、チームDSM) 0:14
3位 エミリア・ファーリン(スウェーデン、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)
4位 シャリ・ボサイト(ベルギー、キャニオン・スラム) 0:16
5位 バルバラ・グアリスキ(イタリア、モビスター)
6位 タマラ・ドロノヴァ(ロシア、ローランド・コジャース・エーデルワイススクァッド) 0:20
7位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
8位 フローイチェ・マッカイ(オランダ、チームDSM)
9位 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
10位 マルゴー・ヴィジ(フランス、バルカー・トラベル&サービス))
その他の特別賞
山岳賞 アンバー・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
ポイント賞 アリソン・ジャクソン(カナダ、リブレーシング・エクストラ)
ヤングライダー賞 メーガン・ジャストラブ(アメリカ、チームDSM)
チーム総合成績 チームDSM
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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