2022/08/06(土) - 21:13
トラック競技の最終日となるインターハイ3日目は、男女あわせて7種目で決勝が行われた。男子1kmタイムトライアルでは、中石湊(函館大谷)が大会新記録で優勝。前日の準決勝で大会新記録が出た4km速度競争の決勝では三宅太生(北桑田高校)が優勝。トラック総合では松山学院高校が優勝した。
香川県高松市で開催されているインターハイの自転車競技、トラック最終日は各種目の決勝が行われた。雨や雷の予報もあったものの、3日間を通してその予報が当たることなく、最終日も真夏の暑さの中で高校生の熱い勝負が繰り広げられた。
ポイントレース 女子は垣田真穂、男子は犬伏輝斗が優勝
朝一で行われた女子ポイントレースの決勝は、垣田真穂(松山学院高校)が序盤から1位通過を繰り返してレースをリード。後半に入ると垣田と水谷彩奈(松山学院高校)、岡本美咲(北桑田高校)の3名が先行。岡本がポイント倍となるフィニッシュで1位となるも5ポイント足りず、垣田が優勝した。
前日の予選を経て24名が出走した男子ポイントレース決勝は、レース中盤に犬伏輝斗(榛生昇陽・宇梶高校)、稲吉一生(興国高校)ら4名が先行。残り10周とタイミングで集団をラップし、20ポイントを獲得する。フィニッシュは稲吉が1位となってさらに10ポイントを獲得するも、ポイントリーダーの犬伏に2ポイント届かず、犬伏が優勝した。
犬伏輝斗 コメント
「これまで全国大会で入賞はしても表彰台に乗ったことがなくて焦りがあった。4人で逃げた時には、こんなチャンスは人生で二度とないと思って、1位の5点を取りに行った。フィニッシュの倍点が取れなかったので負けたと思ったけれど、放送で勝ったと聞いてホッとした。これまで支えてくれた両親と顧問の先生にお礼を言いたい」
1kmタイムトライアル 中石湊が大会新記録で優勝
男子1kmタイムトライアルは、最終組でスタートした中石湊(函館大谷)が、屋外400mトラックとしては驚異的な1分3秒台の大会新記録を出して優勝した。中石は先週伊豆ベロドロームで開催された「ジャパントラックカップ」で、200mフライングタイムトライアルのジュニア日本新記録となる10秒121を出したばかり。
中石湊コメント
「昨年と比べて踏んでるギア比が大幅に変わり、今回のインターハイでその重いギアをしっかり踏めることが確認できたことで成長を感じている。プレッシャーのある中で今回優勝出来たことが自分の中では大きい。今後は世界でも通用するような力をつけていきたい」
個人パーシュート 男子3kmは梅澤幹太、女子2kmは池田瑞紀が優勝
男子の3km個人パーシュート決勝は、梅澤幹太(松山工業高校)と並江有作(九州学院高校)が対戦。梅澤が後半に並江との差を広げて優勝した。
女子の2km個人パーシュートは、前日の予選で大会記録を更新した池田瑞紀(祐誠高校)と垣田真穂(松山学院高校)が対戦し、池田が優勝した。
梅澤幹太 コメント
「3kmはタイムを一定にすることが重要だが、後半ペースが落ちてきていたので焦りがあった。それでも最後まで走り切って優勝出来たので良かった。将来はオリンピックに出場出来るような選手になりたい。今後の全日本トラックも狙っていきたい」
池田瑞紀 コメント
「午前中のポイントレースは4位で、心の整理をつけられるか不安だったけれど、いろんな人が声をかけてくれて後押ししてくれたので頑張れた。(垣田)真穂ちゃんとは1年生の選抜大会からこの種目で戦ってきた相手なので、3年間切磋琢磨出来たことが嬉しかった。ジュニア世界選手権で真穂ちゃんとマディソンを走るので今からワクワクしているし、自分の力を精一杯出してきたい」
4km速度競争 三宅太生が優勝
インターハイならではの競技とも言える4km速度競争は、ホームストレートとバックストレートのコントロールラインでそれぞれ先頭通過=先頭責任完了をすることが勝負に加わる条件となるレース。先頭責任を完了していなければトップでフィニッシュしても勝者にはなれない。
前日に行われた準決勝では、阿部源(松山学院高校)が4分38秒786の大会新記録をマーク。同じレースで積極的に展開していた三宅太生(北桑田高校)が、決勝でも力を見せた。序盤に先頭責任を完了させ、残り2周から単独先行してフィニッシュ。4kmチームパーシュートとあわせ2冠を達成した。
三宅太生 コメント
「昨年悔しい思いをしたので、今回は絶対勝ちたかった。残り2周から独走することは最初から決めていた。そのために1周目から前だけ見て走った。団体種目での優勝は嬉しいけれど、個人種目での優勝は格別。人生で一番嬉しい。大学進学して競技は続けるので、オムニアムを走れるような選手になりたい」
(22.8.8 修正)
スクラッチ 岩辺陸が優勝
8kmで行われた男子スクラッチ決勝は、終盤に全ての逃げが吸収されてのスプリント勝負となり、岩辺陸(静岡北高校)が優勝。チームスプリントとあわせて2冠を達成した。
岩辺陸 コメント
「2冠獲れると思っていなかったのでとても嬉しい。最後のスプリントはうまくまくることが出来た。勝った瞬間は親の顔が浮かんだ。喜ばせることが出来て良かったと思う。競輪選手になってグランプリで活躍出来るようになりたい」
スプリント 阿部英斗が優勝
予選1位の阿部英斗(松山学院高校)と、同2位の高木海安(平工業高校)との対戦となったスプリント決勝は、阿部が2本連取して優勝を決めた。
阿部英斗 コメント
「本当はケイリンに出ようと思ったけれど、後輩がケイリンに出るので腹をくくってスプリントに出ることにした。高木選手が強いので怖かったし勝つ自信は無かったけれど、中長距離も出来るので長い距離を踏ませて最後は余裕をもって勝負を決めるようにした。乃木坂46のファンなので、勝って決めポーズをしたかった。将来は競輪選手を目指したい」
ケイリン 男子は岩井芯、女子は中島瞳が優勝
男子は予選から勝ち上がった6名で決勝レースが行われ、僅差となった勝負を岩井芯(岐阜第一高校)が制して優勝。女子は中島瞳(川越工業高校)が優勝した。
岩井芯 コメント
「選抜で4位だったので、インターハイでは絶対優勝すると決めて走ったが、実際勝てて夢のよう。長い距離を踏めるので、今回は先行する形が決まった。脇本選手のような、長い距離を先行して勝てる競輪選手になりたい」
中島瞳 コメント
「インターハイではなかなか勝てず、やっと勝てて嬉しい。今回逃したらインターハイでは勝てないので、絶対獲るという気持ちは誰にも負けていなかったと思う。渡邊選手が早めに仕掛けてくると予想していたので、その番手を取ってまくることを考えていて、その通りに行けた。太田りゆ選手のような競輪選手を目指したい」
3日間のトラック競技を終えての学校対抗の総合順位は、松山学院高校が首位となった。2位の北桑田高校との差はわずか1ポイント差となっており、最終日のロードレースの結果次第では逆転の総合優勝もありそうだ。そのロードレースはサバイバルレースが予想されるかなりハードなコース設定。どのような結末となるか、注目したい。
text&photo:Satoru Kato
香川県高松市で開催されているインターハイの自転車競技、トラック最終日は各種目の決勝が行われた。雨や雷の予報もあったものの、3日間を通してその予報が当たることなく、最終日も真夏の暑さの中で高校生の熱い勝負が繰り広げられた。
ポイントレース 女子は垣田真穂、男子は犬伏輝斗が優勝
朝一で行われた女子ポイントレースの決勝は、垣田真穂(松山学院高校)が序盤から1位通過を繰り返してレースをリード。後半に入ると垣田と水谷彩奈(松山学院高校)、岡本美咲(北桑田高校)の3名が先行。岡本がポイント倍となるフィニッシュで1位となるも5ポイント足りず、垣田が優勝した。
前日の予選を経て24名が出走した男子ポイントレース決勝は、レース中盤に犬伏輝斗(榛生昇陽・宇梶高校)、稲吉一生(興国高校)ら4名が先行。残り10周とタイミングで集団をラップし、20ポイントを獲得する。フィニッシュは稲吉が1位となってさらに10ポイントを獲得するも、ポイントリーダーの犬伏に2ポイント届かず、犬伏が優勝した。
犬伏輝斗 コメント
「これまで全国大会で入賞はしても表彰台に乗ったことがなくて焦りがあった。4人で逃げた時には、こんなチャンスは人生で二度とないと思って、1位の5点を取りに行った。フィニッシュの倍点が取れなかったので負けたと思ったけれど、放送で勝ったと聞いてホッとした。これまで支えてくれた両親と顧問の先生にお礼を言いたい」
1kmタイムトライアル 中石湊が大会新記録で優勝
男子1kmタイムトライアルは、最終組でスタートした中石湊(函館大谷)が、屋外400mトラックとしては驚異的な1分3秒台の大会新記録を出して優勝した。中石は先週伊豆ベロドロームで開催された「ジャパントラックカップ」で、200mフライングタイムトライアルのジュニア日本新記録となる10秒121を出したばかり。
中石湊コメント
「昨年と比べて踏んでるギア比が大幅に変わり、今回のインターハイでその重いギアをしっかり踏めることが確認できたことで成長を感じている。プレッシャーのある中で今回優勝出来たことが自分の中では大きい。今後は世界でも通用するような力をつけていきたい」
個人パーシュート 男子3kmは梅澤幹太、女子2kmは池田瑞紀が優勝
男子の3km個人パーシュート決勝は、梅澤幹太(松山工業高校)と並江有作(九州学院高校)が対戦。梅澤が後半に並江との差を広げて優勝した。
女子の2km個人パーシュートは、前日の予選で大会記録を更新した池田瑞紀(祐誠高校)と垣田真穂(松山学院高校)が対戦し、池田が優勝した。
梅澤幹太 コメント
「3kmはタイムを一定にすることが重要だが、後半ペースが落ちてきていたので焦りがあった。それでも最後まで走り切って優勝出来たので良かった。将来はオリンピックに出場出来るような選手になりたい。今後の全日本トラックも狙っていきたい」
池田瑞紀 コメント
「午前中のポイントレースは4位で、心の整理をつけられるか不安だったけれど、いろんな人が声をかけてくれて後押ししてくれたので頑張れた。(垣田)真穂ちゃんとは1年生の選抜大会からこの種目で戦ってきた相手なので、3年間切磋琢磨出来たことが嬉しかった。ジュニア世界選手権で真穂ちゃんとマディソンを走るので今からワクワクしているし、自分の力を精一杯出してきたい」
4km速度競争 三宅太生が優勝
インターハイならではの競技とも言える4km速度競争は、ホームストレートとバックストレートのコントロールラインでそれぞれ先頭通過=先頭責任完了をすることが勝負に加わる条件となるレース。先頭責任を完了していなければトップでフィニッシュしても勝者にはなれない。
前日に行われた準決勝では、阿部源(松山学院高校)が4分38秒786の大会新記録をマーク。同じレースで積極的に展開していた三宅太生(北桑田高校)が、決勝でも力を見せた。序盤に先頭責任を完了させ、残り2周から単独先行してフィニッシュ。4kmチームパーシュートとあわせ2冠を達成した。
三宅太生 コメント
「昨年悔しい思いをしたので、今回は絶対勝ちたかった。残り2周から独走することは最初から決めていた。そのために1周目から前だけ見て走った。団体種目での優勝は嬉しいけれど、個人種目での優勝は格別。人生で一番嬉しい。大学進学して競技は続けるので、オムニアムを走れるような選手になりたい」
(22.8.8 修正)
スクラッチ 岩辺陸が優勝
8kmで行われた男子スクラッチ決勝は、終盤に全ての逃げが吸収されてのスプリント勝負となり、岩辺陸(静岡北高校)が優勝。チームスプリントとあわせて2冠を達成した。
岩辺陸 コメント
「2冠獲れると思っていなかったのでとても嬉しい。最後のスプリントはうまくまくることが出来た。勝った瞬間は親の顔が浮かんだ。喜ばせることが出来て良かったと思う。競輪選手になってグランプリで活躍出来るようになりたい」
スプリント 阿部英斗が優勝
予選1位の阿部英斗(松山学院高校)と、同2位の高木海安(平工業高校)との対戦となったスプリント決勝は、阿部が2本連取して優勝を決めた。
阿部英斗 コメント
「本当はケイリンに出ようと思ったけれど、後輩がケイリンに出るので腹をくくってスプリントに出ることにした。高木選手が強いので怖かったし勝つ自信は無かったけれど、中長距離も出来るので長い距離を踏ませて最後は余裕をもって勝負を決めるようにした。乃木坂46のファンなので、勝って決めポーズをしたかった。将来は競輪選手を目指したい」
ケイリン 男子は岩井芯、女子は中島瞳が優勝
男子は予選から勝ち上がった6名で決勝レースが行われ、僅差となった勝負を岩井芯(岐阜第一高校)が制して優勝。女子は中島瞳(川越工業高校)が優勝した。
岩井芯 コメント
「選抜で4位だったので、インターハイでは絶対優勝すると決めて走ったが、実際勝てて夢のよう。長い距離を踏めるので、今回は先行する形が決まった。脇本選手のような、長い距離を先行して勝てる競輪選手になりたい」
中島瞳 コメント
「インターハイではなかなか勝てず、やっと勝てて嬉しい。今回逃したらインターハイでは勝てないので、絶対獲るという気持ちは誰にも負けていなかったと思う。渡邊選手が早めに仕掛けてくると予想していたので、その番手を取ってまくることを考えていて、その通りに行けた。太田りゆ選手のような競輪選手を目指したい」
3日間のトラック競技を終えての学校対抗の総合順位は、松山学院高校が首位となった。2位の北桑田高校との差はわずか1ポイント差となっており、最終日のロードレースの結果次第では逆転の総合優勝もありそうだ。そのロードレースはサバイバルレースが予想されるかなりハードなコース設定。どのような結末となるか、注目したい。
text&photo:Satoru Kato
ポイントレース決勝 結果
男子(24km) | ||
1位 | 犬伏輝斗(榛生昇陽・宇梶高校) | 42p |
2位 | 稲吉一生(興国高校) | 40p |
3位 | 新宮颯太(東北高校) | 37p |
女子(12km) | ||
1位 | 垣田真穂(松山学院高校) | 23p |
2位 | 岡本美咲(北桑田高校) | 18p |
3位 | 水谷彩奈(松山学院高校) | 16p |
男子1kmタイムトライアル 結果
1位 | 中石 湊(函館大谷) | 1分3秒798(大会新) |
2位 | 山崎歩夢(平工業高校) | 1分5秒074 |
3位 | 谷澤優貴(久居農林高校) | 1分6秒253 |
4位 | 藤本 怜(松山学院高校) | 1分6秒462 |
5位 | 熊谷海飛(静岡北高校) | 1分6秒997 |
6位 | 阿久津仰祐(作新学院高校) | 1分7秒233 |
3km個人パーシュート決勝/3位決定戦 結果
決勝 | ||
1位 | 梅澤幹太(松山工業高校) | 3分27秒242 |
2位 | 並江有作(九州学院高校) | 3分31秒432 |
3位決定戦 | ||
3位 | 鎌田晃輝(松山学院高校) | 3分32秒629 |
4位 | 池田充槻(六郷高校) | 3分35秒542 |
2km個人パーシュート決勝/3位決定戦 結果
決勝 | ||
1位 | 池田瑞紀(祐誠高校) | 2分26秒316 |
2位 | 垣田真穂(松山学院高校) | 2分28秒283 |
3位決定戦 | ||
3位 | 水谷彩奈(松山学院高校) | 2分32秒607 |
4位 | 岡本美咲(北桑田高校) | 2分33秒041 |
4km速度競争決勝 結果
1位 | 三宅太生(北桑田高校) | 4分39秒633(大会新) |
2位 | 香西玲良(高松工芸高校) | |
3位 | 徳永真粋(九州学院高校) | |
4位 | 本条悠太朗(松山工業高校) | |
5位 | 石川陽翔(伊勢崎興陽高校) | |
6位 | 阿部 源(松山学院高校) |
スクラッチ決勝 結果(8km)
1位 | 岩辺 陸(静岡北高校) | |
2位 | 松岡隼人(朝明高校) | |
3位 | 自壇地 一(榛生昇陽・宇梶高校) | |
4位 | 足達健士郎(鹿町工業高校) | |
5位 | 田中海斗(浦和北高校) | |
6位 | 赤澤京也(岡山工業高校) |
男子スプリント 結果(タイムは予選時)
ケイリン決勝 結果
男子 | 参考タイム | |
1位 | 岩井 芯(岐阜第一高校) | 11秒193 |
2位 | 山本蒼良(北桑田高校) | |
3位 | 福田悠航(学法石川高校) | |
女子 | ||
1位 | 中島 瞳(川越工業高校) | 12秒707 |
2位 | 米田千尋(内灘高校) | |
3位 | 普久原美海(作新学院高校) |
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