移籍解禁日である8月1日、複数のチームが選手獲得を発表。アンテルマルシェのアレクサンダー・クリストフがウノエックスへ、バイクエクスチェンジはイネオスからエディ・ダンバー(アイルランド)の獲得を発表している。



3年契約での移籍が発表されたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)3年契約での移籍が発表されたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
UCI(国際自転車競技連合)が定める移籍解禁日である8月1日に、多くのチームが2023年シーズンに向けた新加入選手を発表した。その第1号となったのはアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)によるウノエックス・プロサイクリング チームへの移籍だった。

今年プロ13年目を迎える35歳のクリストフは今シーズン、勝利こそ2勝に留まっているものの、先日のツール・ド・フランス第21ステージでは3位入賞。その他のワールドツアーのレースでもコンスタントに表彰台に上がるなどその力はいまだ健在だ。

そして「母国へ戻る時がきた。新たなスタートを切る2023年が待ち遠しい」と語るクリストフが新天地として選んだのが、2020年にプロチームに昇格した母国ノルウェー籍のウノエックス・プロサイクリング チームだった。ノルウェー人と隣国デンマーク籍の選手だけで構成されるチームは、キャリア終盤とも言えるクリストフと異例とも言える3年契約(2025年末まで)を結んでいる。

今季好調のダンバーはバイクエクスチェンジへ

今年のツール・ド・ハンガリーで総合優勝したエディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)今年のツール・ド・ハンガリーで総合優勝したエディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ) photo:Tour de Hongrie
バイクエクスチェンジ・ジェイコは総合エースのサイモン・イェーツ(イギリス)の山岳アシストとして、またグランツールのエース候補としてエディ・ダンバー(アイルランド、イネオス・グレナディアーズ)に白羽の矢を立てた。

今年2つのステージレースで総合優勝しているダンバーは現在25歳のクライマー。2018年にチームスカイ(当時)に加入したものの、グランツール出場は2019年のジロ・デ・イタリアのみと活躍の機会を得られないでいた。チームと「より大きな大会で争う機会を楽しみにしている」とコメントするダンバーとの契約期間は2025年末までの3年間。ここ数年で有力なクライマーが相次いで離脱したバイクエクスチェンジにとって強力な補強となった。

イギリスTT選手権を兄弟揃って優勝したレオ(左)とイーサン・ヘイター(右)イギリスTT選手権を兄弟揃って優勝したレオ(左)とイーサン・ヘイター(右) photo:INEOS Grenadiers
その一方でイネオスは、8月1日よりハーゲンスベルマン・アクセオンから若手有力候補であるレオ・ヘイター(イギリス)の加入(2025年まで)を発表した。

同チームに所属し現イギリス選手権TT王者であるイーサンを兄に持つレオ・ヘイターは、今年のジロ・デ・イタリア・ジョバニ(U23)で総合優勝を挙げたクライマー。2021年にはU23のリエージュ~バストーニュ~リエージュを制し、現在イギリス選手権TTのU23を2連覇中というオールラウンダーの側面も併せ持っている有望選手だ。

その他にも、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオは2019年ツール・ド・フランス第1ステージで驚きのスプリント勝利を挙げたマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)の獲得(2年契約)を発表している。

text:Sotaro.Arakawa