2022/07/26(火) - 09:22
横風と落車で荒れた女子ツール・ド・フランス第2ステージ。残り20km地点から6名が逃げ切り、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が得意のロングスプリントで勝利。マイヨジョーヌに袖を通している。
33年振りにステージレースとして復活開幕した、女子版ツールこと「ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト」。2日目の舞台はモーを出発し、ユネスコの世界遺産に登録された中世市場都市プロヴァンにフィニッシュする136.4km。昨日同様、フィニッシュ手前に登り勾配が設けられたスプリンター向けコースだが、この日は平野を吹き抜ける風がプロトンを混乱に陥れた。
この日はサブリナ・ストゥルテンス(オランダ、リブレーシング・エクストラ)を含む4名が先行して3分リードを稼いだものの、進行方向右側から吹き付ける風に対し、トレック・セガフレードやSDワークスが斜め隊列を組みペースアップを断行。速度を上げるプロトンは80km以上を残して4人を吸収してしまう。
その後はペースが緩み、しばらく逃げが生まれない状況が続いたものの、残り20km地点に用意された中間スプリント争いと、次第に強まる風によって集団内のストレスが再び上昇。マイヨブランを着るマイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー)が飛び出した背後では断続的に落車が起きてしまった。
畑の中を突っ切る直線路では、ヴァルカー・トラベル&サービスの選手が一人路肩に突っ込んだことをきっかけにバイクエクスチェンジ・ジェイコの総合リーダーを務めるアマンダ・スプラット(オーストラリア)が落車。さらに遅れを挽回しようと下を向いて追走していた豪女王ニコル・ルイス(パークホテル・ファルケンブルク)がハイスピードのままマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)と地面に倒れていたスプラットに激突してしまう。このアクシデントによってカヴァッリは再乗車したもののリタイアし、スプラットは10分近く遅れて完走したものの、各部の痛みによって翌日ステージの出走可否を検討中だという。
続けざまに落車が起きる状態で訪れた中間スプリントポイントを先頭通過したのはファンデルドゥインで、10秒後方ではマイヨジョーヌのロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が2位通過。目的を果たしたウィーベスが集団に戻ることを選択した一方、「今朝のミーティングで、スプリントポイント後の横風区間で仕掛けようと決めていた」と言うエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)たちが一気に抜け出しを図った。
世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が仕掛け、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が追い、ファンデルドゥインを吸収。結果的にロンゴボルギーニやカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)など各チームのエース級選手6名が逃げグループを作った。
不意を突かれ、メンバーを乗せられなかったSDワークスやモビスターが必死にメイン集団を率いたものの、フルスロットルで逃げる先頭6名との30秒差は思うように縮まらない。落車で足止めされたセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)はさらに後方に追いやられるなど、FDJはダブルエースの一人がリタイア、もう一人が総合圏外脱落という厳しい一日になってしまう。
結局6名と集団の差は最後まで開き続け、アシストに力を尽くしたバルサモを除いた5名のゴール勝負が始まる。小集団による登り基調スプリントという得意の勝ちパターンに持ち込んだフォスがステージ優勝。メイン集団が29秒遅れたため、マイヨジョーヌはウィーベスからフォスの手に渡ることとなった。
「風と細い道が続くことは分かっていたので注意を怠らなかった。昨日のシャンゼリゼで完璧なリードアウトを得て、今日も中間スプリントでパーフェクトなチームワークができた。そこからエリーザがアタックし、正しいタイミングと読んで飛びついた」と、フォスは逃げが決まった瞬間を振り返る。「最後は全員が脚を使っていたのでできるだけ休んでからスプリント。ツールのステージ優勝と、マイヨジョーヌは本当に素晴らしい結果になった」と加えている。
総合優勝候補筆頭のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)はメイン集団内でフィニッシュしたため、第2ステージを終えてフォスから50秒遅れ。フォスは「できるだけ長くこのジャージをキープしたい」と、マイヨジョーヌ争いに加わる意志を見せている。
33年振りにステージレースとして復活開幕した、女子版ツールこと「ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト」。2日目の舞台はモーを出発し、ユネスコの世界遺産に登録された中世市場都市プロヴァンにフィニッシュする136.4km。昨日同様、フィニッシュ手前に登り勾配が設けられたスプリンター向けコースだが、この日は平野を吹き抜ける風がプロトンを混乱に陥れた。
この日はサブリナ・ストゥルテンス(オランダ、リブレーシング・エクストラ)を含む4名が先行して3分リードを稼いだものの、進行方向右側から吹き付ける風に対し、トレック・セガフレードやSDワークスが斜め隊列を組みペースアップを断行。速度を上げるプロトンは80km以上を残して4人を吸収してしまう。
その後はペースが緩み、しばらく逃げが生まれない状況が続いたものの、残り20km地点に用意された中間スプリント争いと、次第に強まる風によって集団内のストレスが再び上昇。マイヨブランを着るマイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー)が飛び出した背後では断続的に落車が起きてしまった。
畑の中を突っ切る直線路では、ヴァルカー・トラベル&サービスの選手が一人路肩に突っ込んだことをきっかけにバイクエクスチェンジ・ジェイコの総合リーダーを務めるアマンダ・スプラット(オーストラリア)が落車。さらに遅れを挽回しようと下を向いて追走していた豪女王ニコル・ルイス(パークホテル・ファルケンブルク)がハイスピードのままマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)と地面に倒れていたスプラットに激突してしまう。このアクシデントによってカヴァッリは再乗車したもののリタイアし、スプラットは10分近く遅れて完走したものの、各部の痛みによって翌日ステージの出走可否を検討中だという。
続けざまに落車が起きる状態で訪れた中間スプリントポイントを先頭通過したのはファンデルドゥインで、10秒後方ではマイヨジョーヌのロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が2位通過。目的を果たしたウィーベスが集団に戻ることを選択した一方、「今朝のミーティングで、スプリントポイント後の横風区間で仕掛けようと決めていた」と言うエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)たちが一気に抜け出しを図った。
世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が仕掛け、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が追い、ファンデルドゥインを吸収。結果的にロンゴボルギーニやカタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム)など各チームのエース級選手6名が逃げグループを作った。
不意を突かれ、メンバーを乗せられなかったSDワークスやモビスターが必死にメイン集団を率いたものの、フルスロットルで逃げる先頭6名との30秒差は思うように縮まらない。落車で足止めされたセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ・フチュロスコープ)はさらに後方に追いやられるなど、FDJはダブルエースの一人がリタイア、もう一人が総合圏外脱落という厳しい一日になってしまう。
結局6名と集団の差は最後まで開き続け、アシストに力を尽くしたバルサモを除いた5名のゴール勝負が始まる。小集団による登り基調スプリントという得意の勝ちパターンに持ち込んだフォスがステージ優勝。メイン集団が29秒遅れたため、マイヨジョーヌはウィーベスからフォスの手に渡ることとなった。
「風と細い道が続くことは分かっていたので注意を怠らなかった。昨日のシャンゼリゼで完璧なリードアウトを得て、今日も中間スプリントでパーフェクトなチームワークができた。そこからエリーザがアタックし、正しいタイミングと読んで飛びついた」と、フォスは逃げが決まった瞬間を振り返る。「最後は全員が脚を使っていたのでできるだけ休んでからスプリント。ツールのステージ優勝と、マイヨジョーヌは本当に素晴らしい結果になった」と加えている。
総合優勝候補筆頭のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)はメイン集団内でフィニッシュしたため、第2ステージを終えてフォスから50秒遅れ。フォスは「できるだけ長くこのジャージをキープしたい」と、マイヨジョーヌ争いに加わる意志を見せている。
ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第2ステージ結果
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 3:14:02 |
2位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
4位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:02 |
5位 | マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー) | +0:12 |
6位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) | +0:29 |
7位 | ジュリー・デウェルド(ベルギー、プラントゥール・プラ) | |
8位 | ラチェーレ・バルビエリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ) | |
9位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | |
10位 | マリアジュリア・コンファロニイエーリ(イタリア、セラティツィットWNTローター) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 5:07:46 |
2位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス) | +0:10 |
3位 | カタジナ・ニエウィアドーマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +0:12 |
4位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:18 |
5位 | マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー) | +0:28 |
6位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM | +0:35 |
7位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | +0:41 |
8位 | ラチェーレ・バルビエリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ) | +0:45 |
9位 | ジュリー・デウェルド(ベルギー、プラントゥール・プラ) | |
10位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 120pts |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) | 104pts |
3位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 85pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | フェムケ・マーカス(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) | 2pts |
2位 | フェムケ・ジェリッツ(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) | 2pts |
3位 | ドルテ・イスランド(デンマーク、デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | 1pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー) | 5:08:14 |
2位 | ジュリー・デウェルド(ベルギー、プラントゥール・プラ) | +0;17 |
3位 | ドルテ・イスランド(デンマーク、デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | +0:22 |
チーム総合成績
1位 | キャニオン・スラム | 15:25:09 |
2位 | ユンボ・ヴィスマ | +0:05 |
3位 | トレック・セガフレード | +0:19 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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