2022/07/25(月) - 07:23
33年ぶりのステージレースとして復活した女子ツール・ド・フランス初日に、大本命ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が勝利。栄光のマイヨジョーヌに袖を通した。
男子ツール・ド・フランス最終日のスタートに先んじること3時間、主催者A.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)はこれまで8度「ラ・クルスbyツール・ド・フランス」として開催してきた女子レースを33年ぶりのステージレースとして復活させた。
バーチャルサイクリングサービスを提供するズイフト社をメインスポンサーに就け、7月24日(日)から7月31日(日)までの8日間で開催される「ツール・ド・フランス ファム アヴェク ズイフト」。これまで男子ツールの開幕日、あるいは最終日に前座レースとして開催されていた女子レースが、ついに男子と同じステータスを得ることとなった。
UCIウィメンズワールドチームを筆頭に、全24チーム、144名の選手たちがパリに集結。エッフェル塔の麓からパレードランをスタートさせ、ディレクターカーが徐々にスピードを上げてシャンゼリゼ周回コースのフィニッシュラインを駆け抜ける。リアルスタートが振られると共に今大会初の逃げを狙うアタック合戦が勃発した。
ジャンヌ・ダルク像やシャンゼリゼの石畳、そして凱旋門など、これまで幾多の名勝負が繰り広げられてきた1周6.8kmコースを12周(合計81.7km)。しかし34km地点と54.4km地点には中間スプリントポイントが、62km地点には山岳賞が懸けられていることも影響し、男子レースが毎年そうであるように、大きなリードを奪う逃げグループは最終盤まで生まれなかった。
EFエデュケーション・ティブコ・SVBや、ヒューマンパワードヘルスという2つのアメリカチームが積極的に逃げにトライ。一時的に45秒差を稼いだエミリー・ニューサム(アメリカ、EFエデュケーション・ティブコ・SVB)とミーシャ・ブレドウォルド(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)は初回の中間スプリントポイントを前に引き戻され、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先着(25ポイント獲得)を果たしている。
単騎飛び出したポリーヌ・アリン(フランス、アルケア・サムシック)はやはり40秒程度の差を稼ぐに留まり、吸収後に訪れた2度目の中間スプリントポイントはセラティツィットとバイクエクスチェンジ・ジェイコがリードアウトトレインをぶつけたものの、その背後につけたトラックスペシャリスト、ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が先着。カウンターで生まれた逃げに入ったフェムケ・マーカス(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)は、迫りくる集団を振り切ってこの日唯一設定された山岳ポイントを先頭通過。今大会最初のマイヨアポワ着用権を獲得している。
この日最後の逃げを決めたのはグラディス・フェルフルスト(フランス、ルコル・ワフー)だった。一際鮮やかなチームジャージに袖を通したフェルフルストは果敢に独走を続けたものの、スプリント体制を整える大集団に対して40秒リードを稼ぐのがやっと。集団内ではアラナ・カストリーク(ベルギー、コフィディス)が落車骨折によって今大会最初のリタイア者となってしまった。
敢闘賞を獲得するフェルフルストは単独粘り続けたものの、残り3kmを切ってテンションを上げるメイン集団に飲み込まれる。個人TT世界王者であり、アワーレコードホルダーのエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)の鬼牽きによってコンコルド広場を通過し、凱旋門に向かって真っ直ぐ登る、石畳のシャンゼリゼ通りへ。第1回ツール・ド・フランス ファムの開幕日は予想通り集団スプリントに持ち込まれた。
55km/hを上回るハイペースでユンボ・ヴィスマとチームDSMがリードアウトトレインを並べ、いち早く加速体制に持ち込んだのは元ロード世界王者であり、現シクロクロス世界王者であるフォス。軽快なスプリントでリードを奪ったものの、大本命ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が猛烈な追い上げを披露した。
他を圧倒するトップスピード63.3km/hでもがいたウィーベスが、フォスを軽々とパスしてフィニッシュラインへ。最大のライバルと目されていた世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が沈むのを尻目に、当代きっての最強スプリンターが右手を突き上げた。
黄色と緑のネイルで飾っていたウィーベスが、その目論見通りマイヨジョーヌとマイヨヴェールを獲得。「チーム全体でこのために努力を重ね、チーム本拠地で働く人たちのためにも勝利できて本当に嬉しい。マリアンヌがロングスプリントすることは予想通りで、私はさらにそこから加速することができた。マイヨジョーヌを着るのは本当に特別」と言うウィーベス。翌日第2ステージも集団スプリント予想であり、ウィーベスも2連勝に向けて弾みをつけている。
男子ツール・ド・フランス最終日のスタートに先んじること3時間、主催者A.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)はこれまで8度「ラ・クルスbyツール・ド・フランス」として開催してきた女子レースを33年ぶりのステージレースとして復活させた。
バーチャルサイクリングサービスを提供するズイフト社をメインスポンサーに就け、7月24日(日)から7月31日(日)までの8日間で開催される「ツール・ド・フランス ファム アヴェク ズイフト」。これまで男子ツールの開幕日、あるいは最終日に前座レースとして開催されていた女子レースが、ついに男子と同じステータスを得ることとなった。
UCIウィメンズワールドチームを筆頭に、全24チーム、144名の選手たちがパリに集結。エッフェル塔の麓からパレードランをスタートさせ、ディレクターカーが徐々にスピードを上げてシャンゼリゼ周回コースのフィニッシュラインを駆け抜ける。リアルスタートが振られると共に今大会初の逃げを狙うアタック合戦が勃発した。
ジャンヌ・ダルク像やシャンゼリゼの石畳、そして凱旋門など、これまで幾多の名勝負が繰り広げられてきた1周6.8kmコースを12周(合計81.7km)。しかし34km地点と54.4km地点には中間スプリントポイントが、62km地点には山岳賞が懸けられていることも影響し、男子レースが毎年そうであるように、大きなリードを奪う逃げグループは最終盤まで生まれなかった。
EFエデュケーション・ティブコ・SVBや、ヒューマンパワードヘルスという2つのアメリカチームが積極的に逃げにトライ。一時的に45秒差を稼いだエミリー・ニューサム(アメリカ、EFエデュケーション・ティブコ・SVB)とミーシャ・ブレドウォルド(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)は初回の中間スプリントポイントを前に引き戻され、マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先着(25ポイント獲得)を果たしている。
単騎飛び出したポリーヌ・アリン(フランス、アルケア・サムシック)はやはり40秒程度の差を稼ぐに留まり、吸収後に訪れた2度目の中間スプリントポイントはセラティツィットとバイクエクスチェンジ・ジェイコがリードアウトトレインをぶつけたものの、その背後につけたトラックスペシャリスト、ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が先着。カウンターで生まれた逃げに入ったフェムケ・マーカス(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)は、迫りくる集団を振り切ってこの日唯一設定された山岳ポイントを先頭通過。今大会最初のマイヨアポワ着用権を獲得している。
この日最後の逃げを決めたのはグラディス・フェルフルスト(フランス、ルコル・ワフー)だった。一際鮮やかなチームジャージに袖を通したフェルフルストは果敢に独走を続けたものの、スプリント体制を整える大集団に対して40秒リードを稼ぐのがやっと。集団内ではアラナ・カストリーク(ベルギー、コフィディス)が落車骨折によって今大会最初のリタイア者となってしまった。
敢闘賞を獲得するフェルフルストは単独粘り続けたものの、残り3kmを切ってテンションを上げるメイン集団に飲み込まれる。個人TT世界王者であり、アワーレコードホルダーのエレン・ファンダイク(オランダ、トレック・セガフレード)の鬼牽きによってコンコルド広場を通過し、凱旋門に向かって真っ直ぐ登る、石畳のシャンゼリゼ通りへ。第1回ツール・ド・フランス ファムの開幕日は予想通り集団スプリントに持ち込まれた。
55km/hを上回るハイペースでユンボ・ヴィスマとチームDSMがリードアウトトレインを並べ、いち早く加速体制に持ち込んだのは元ロード世界王者であり、現シクロクロス世界王者であるフォス。軽快なスプリントでリードを奪ったものの、大本命ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM)が猛烈な追い上げを披露した。
他を圧倒するトップスピード63.3km/hでもがいたウィーベスが、フォスを軽々とパスしてフィニッシュラインへ。最大のライバルと目されていた世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が沈むのを尻目に、当代きっての最強スプリンターが右手を突き上げた。
黄色と緑のネイルで飾っていたウィーベスが、その目論見通りマイヨジョーヌとマイヨヴェールを獲得。「チーム全体でこのために努力を重ね、チーム本拠地で働く人たちのためにも勝利できて本当に嬉しい。マリアンヌがロングスプリントすることは予想通りで、私はさらにそこから加速することができた。マイヨジョーヌを着るのは本当に特別」と言うウィーベス。翌日第2ステージも集団スプリント予想であり、ウィーベスも2連勝に向けて弾みをつけている。
ツール・ド・フランス ファム アベック ズイフト2022第1ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) | 1:54:00 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | |
4位 | ラチェーレ・バルビエリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ) | |
5位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | |
6位 | マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー) | |
7位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
8位 | シモーネ・ボワラール(カナダ、サンミシェル・オベール93WE) | |
9位 | タマラ・ドロノヴァ(ロシア、ロランド・コガース・エーデルワイススクアッド) | |
10位 | ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) | 1:53:50 |
2位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:04 |
3位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | +0:06 |
4位 | ラチェーレ・バルビエリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ) | +0:10 |
5位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | |
6位 | マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー) | |
7位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
8位 | シモーネ・ボワラール(カナダ、サンミシェル・オベール93WE) | |
9位 | タマラ・ドロノヴァ(ロシア、ロランド・コガース・エーデルワイススクアッド) | |
10位 | ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、チームDSM) | 70pts |
2位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 60pts |
3位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 55pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | フェムケ・マーカス(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク) | 2pts |
2位 | ドルテ・イスランド(デンマーク、デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | 1pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ、ルコル・ワフー) | 1:54:00 |
2位 | シモーネ・ボワラール(カナダ、サンミシェル・オベール93WE) | |
3位 | ヴィットリア・グアッツィーニ(イタリア、FDJ・スエズ・フチュロスコープ) |
チーム総合成績
1位 | キャニオン・スラム | 5:42:00 |
2位 | プラントゥール・プラ | |
3位 | SDワークス |
text:So Isobe
photo:Kei Tsuji, CorVos
photo:Kei Tsuji, CorVos
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