全日本学生選手権トラックが、7月2日から3日の2日間にわたり伊豆ベロドロームで開催された。男子4km個人パーシュートでは安達光伸(朝日大学)が学連記録を更新して優勝。女子は岩元杏奈(日本体育大学)が3種目で優勝した。



伊豆ベロドロームでの学連大会は東京五輪・パラリンピック後初伊豆ベロドロームでの学連大会は東京五輪・パラリンピック後初 photo:Satoru Kato
大学対抗戦=団体戦としてのインカレに対し、「個人戦」と呼ばれることもある全日本学生選手権。各種目の学生チャンピオンを決める大会であり、優勝者にはチャンピオンジャージが授与される。

トラック学生選手権の会場は伊豆ベロドローム。同会場では2021年12月に全日本選手権が開催されたが、大学生の大会としては東京五輪・パラリンピック後初のベロドローム開催となった。



男子4km個人パーシュート 安達光伸(朝日大学)が学連記録を更新

男子4km個人追抜き 学連記録で優勝した安達光伸(朝日大学)男子4km個人追抜き 学連記録で優勝した安達光伸(朝日大学)
男子4km個人追抜き2位 伊藤恭(中央大学)男子4km個人追抜き2位 伊藤恭(中央大学) 男子4km個人追抜き3位 兒島直樹(日本大学)男子4km個人追抜き3位 兒島直樹(日本大学)

男子4km個人パーシュートでは、安達光伸(朝日大学)が昨年の全日本選手権で出した学連記録を自ら塗り替える4分20秒737をマークして優勝。2位の伊藤恭(中央大学)も大会記録を上回る4分20秒台を出した。大会記録の更新は2014年以来8年ぶり。(ちなみにそれまでの記録ホルダーは、日本大学(現・チームブリヂストンサイクリング)の近谷涼)



高橋舜がポイントレースとマディソンで2種目制覇

男子ポイントレース決勝 髙橋舜(日本大学)と矢萩悠也(京都産業大学)が逃げて1回目のラップを取る男子ポイントレース決勝 髙橋舜(日本大学)と矢萩悠也(京都産業大学)が逃げて1回目のラップを取る
男子ポイントレース決勝 残り2周髙橋舜(日本大学)がアタックして勝負を決める男子ポイントレース決勝 残り2周髙橋舜(日本大学)がアタックして勝負を決める
男子ポイントレースは2組に分けて行われた予選を勝ち上がった20名により決勝が行われた。

「ベロドロームでは逃げの展開が決まると思っていた」と言う高橋舜(日本大学)が、矢萩悠也(京都産業大学)と共にレース前半にラップ(集団を周回遅れにする)を決めて20p獲得。レース後半に形成された5名の逃げ集団に乗った高橋と矢萩は2回目のラップを決めてさらに20pを加算する。高橋54p、矢萩55pと1ポイント差で迎えた終盤、残り2周で高橋がアタック。「自信をもって取りに行った」と言う言葉通りに先頭でフィニッシュし、10pを獲得して勝負を決めた。

男子マディソン優勝 日本大学(兒島・高橋)男子マディソン優勝 日本大学(兒島・高橋) photo:Satoru Kato
男子マディソン2位 京都産業大学(矢萩、中村)男子マディソン2位 京都産業大学(矢萩、中村) photo:Satoru Kato男子マディソン3位 鹿屋体育大学(古谷田・伊澤)男子マディソン3位 鹿屋体育大学(古谷田・伊澤) photo:Satoru Kato

高橋は兒島直樹と組んでマディソンにも出場。インドでのアジア選手権から帰国して間もない兒島のスピードと相まって、ここでも2回のラップを取って他を圧倒。2位とダブルスコア以上の差をつけて優勝した。



女子 岩元杏奈が中距離3種目を制覇

女子ポイントレース ポイントが倍となるフィニッシュを取りに行く岩元杏奈(日本体育大学)女子ポイントレース ポイントが倍となるフィニッシュを取りに行く岩元杏奈(日本体育大学)
女子3km個人追抜き優勝 岩元杏奈(日本体育大学)女子3km個人追抜き優勝 岩元杏奈(日本体育大学) 女子マディソン優勝 日本体育大学(岩元・石田)女子マディソン優勝 日本体育大学(岩元・石田) photo:Satoru Kato

女子は3km個人追抜き、ポイントレース、マディソンの中距離3種目で岩元杏奈(日本体育大学)が優勝。ロードレース(個人ロード、タイムトライアル)と合わせて5種目での学生チャンピオンとなった。

「3種目で優勝出来て素直に嬉しいけれど、500mタイムトライアルを落としたのはちょっと悔しいですね。でも半年ぶりくらいで500m走ったし、後輩が勝ってくれたので良かったです。久々にトラック4種目走って、使う筋肉も違うし強度が高いし、ポイントレースの時は脚が無くて逃げることも出来ず、スプリントで取りに行くしかない感じでした。

6月から毎週レースで8月の全日本、9月のインカレまで続くけれど、楽しめば結果もついいてくると思って頑張ります」



男子スクラッチ 上杉有弘が逃げ切り勝ち

男子スクラッチ 谷内健太(京都産業大学、写真中央)にマークが集まる男子スクラッチ 谷内健太(京都産業大学、写真中央)にマークが集まる photo:Satoru Kato
男子スクラッチ 上杉有弘(朝日大学)が逃げ切って優勝男子スクラッチ 上杉有弘(朝日大学)が逃げ切って優勝 photo:Satoru Kato

2組の予選を経て21名が出走したスクラッチの決勝。谷内健太(京都産業大学)の動きがマークされる中、終盤にアタックした上杉有弘(朝日大学)が残り2周を逃げ切って優勝した。



男子1kmTT、女子500mTT、ケイリン、スプリント

男子1kmTT優勝 服部幸之助(日本体育大学)男子1kmTT優勝 服部幸之助(日本体育大学) photo:Satoru Kato
女子500mTT優勝 大野風貴芽(日本体育大学)女子500mTT優勝 大野風貴芽(日本体育大学) photo:Satoru Kato
男子の1kmタイムトライアルは、服部幸之助(日本体育大学)が2位の邊見竜馬(日本大学)を0.4秒上回って優勝。女子の500mタイムトライアルは、大野風貴芽(日本体育大学)が先輩の岩元杏奈を0.1秒差で下して優勝した。

男子ケイリン決勝 最終周回を前に市田龍生都(中央大学)が飛び出す男子ケイリン決勝 最終周回を前に市田龍生都(中央大学)が飛び出す photo:Satoru Kato
予選から勝ち上がった6名での決勝となった男子ケイリンは市田龍生都(中央大学)が力の差を見せつけ、単独逃げ切りの大差で優勝した。

男子スプリント優勝 伊藤京介(日本大学)男子スプリント優勝 伊藤京介(日本大学) photo:Satoru Kato
女子スプリント優勝 小原乃亜(八戸学院大学)女子スプリント優勝 小原乃亜(八戸学院大学) photo:Satoru Kato
男子タンデムスプリント優勝 朝日大学(吉野・白井)男子タンデムスプリント優勝 朝日大学(吉野・白井) photo:Satoru Kato
日本大学同士の決勝となった男子スプリント決勝は、予選トップの伊藤京介が2本連取で優勝。女子は1本目を小原乃亜(八戸学院大学)が取り、2本目は大野風貴芽(日本体育大学)が先着したものの、違反降格により小原が優勝した。タンデムスプリントは朝日大学Bが2本連取で優勝した。

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個人パーシュート 結果
男子4km
1位 安達光伸(朝日大学) 4分20秒737(学連新)
2位 伊藤 恭(中央大学) 4分20秒979(大会新)
3位 兒島直樹(日本大学) 4分25秒120
女子3km
1位 岩元杏奈(日本体育大学) 3分49秒241
2位 大蔵こころ(早稲田大学) 3分49秒596
3位 成海綾香(鹿屋体育大学) 3分52秒331
ポイントレース 結果
男子
1位 髙橋 舜(日本大学) 64p
2位 矢萩悠也(京都産業大学) 55p
3位 岡本勝哉(日本大学) 37p
女子
1位 岩元杏奈(日本体育大学) 25p
2位 成海綾香(鹿屋体育大学) 15p
3位 渡部春雅(明治大学) 14p
マディソン 結果
男子
1位 日本大学A(兒島直樹・高橋舜) 79p
2位 京都産業大学B(矢萩悠也・中村栄杜) 35p
3位 鹿屋体育大学A(古谷田貴斗・伊澤将也) 26p
女子
1位 日本体育大学(岩元杏奈・石田明莉) 33p
2位 OPEN(渡部春雅・大蔵こころ) 20p
3位 法政大学(太郎田水桜・阿部セラ) -3p
スクラッチ 結果
1位 上杉有弘(朝日大学) 18分26秒
2位 松岡優馬(日本体育大学)
3位 高本亮太(立命館大学)
スプリント 結果
男子 女子 タンデム
1位 伊藤京介(日本大学) 小原乃亜(八戸学院大学) 朝日大学B(吉野太晟・白井輝)
2位 三神遼矢(日本大学) 大野風貴芽(日本体育大学) 法政大学B(小西涼太・平川稜将)
3位 福田健太(中央大学) 年見穂風(鹿屋体育大学) 法政大学A(三井大勢・中島康征)
ケイリン 結果
1位 市田龍生都(中央大学)
2位 横溝貫太(法政大学)
1kmタイムトライアル・500mタイムトライアル 結果
男子1km
1位 服部幸之助(日本体育大学) 1分4秒256
2位 邊見竜馬(日本大学) 1分4秒666
3位 山本大智(朝日大学) 1分5秒062
女子500m
1位 大野風貴芽(日本体育大学) 36秒858
2位 岩元杏奈(日本体育大学) 36秒945
3位 小原乃亜(八戸学院大学) 37秒256

text&photo:Satoru Kato

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