2022/06/30(木) - 01:00
シマノのロード用コンポーネンツ、シマノ105がフルモデルチェンジ。12速化、DI2ワイヤレス変速、油圧ディスクブレーキを採用したR7100シリーズがデビューを果たす。新たにラインアップされた105グレードのカーボンホイールもあわせて紹介しよう。
DI2化、12速化を果たした定番コンポーネンツ シマノ105 R7100シリーズ (c)シマノ
DURA-ACEとULTEGRAに次ぐシマノの普及価格帯ロード用コンポーネンツがシマノ105。上位モデルのテクノロジーやシステムを踏襲しつつ価格が抑えられており、完成車にスペックインされることも多いグレードだ。サイクリストから広く愛用されてきた定番コンポーネンツであり、一度は手に触れたユーザーも少なくないだろう。
上位グレードのDURA-ACEとULTEGRAはDI2(電動変速)登場以来、機械式変速と両揃えしていたが、シマノ105は機械式のみを貫いてきた。しかし2022年6月30日、満を持してDI2仕様の"シマノ105 R7100シリーズ"がデビューを果たす。
上位モデルの設計を踏襲しながらも、105向けにリファインされたSTIレバー photo:So Isobe
R7100シリーズの電動変速システムは上位モデルと同様、STIレバーからディレイラーへの接続はワイヤレスで、前後ディレイラーとバッテリーはE-tubeケーブルで接続される。有線式(前世代までのDURA-ACEなど)と比較して組付け時の利便性と軽量性に優れ、フル無線式と比べると充電の利便性と電力供給の安定性、シフトパフォーマンスでメリットがある。
これまでシマノの上位コンポーネンツのみに与えられてきた電動変速が105まで届いたことで、より幅広い層のサイクリストにその変速フィールを提供できるようになった。ボタンをタップするだけで簡単に変速できる電動シフトは、ギアチェンジが億劫にならず、どのようなシチュエーションでも最適なギア比を選択しやすいことが特徴だ。
上位グレードのデザインを踏襲した新型105のクランクセット photo:So Isobe
さらに最新世代のシマノ105はDI2化だけではなく、12速にアップデートされている。リアスプロケットは現行DURA-ACEや旧シマノ105での最大歯数34Tよりも軽い36Tが用意されており、フロントのインナー36Tとの組み合わせでは1:1のギアレシオを実現。長く険しい峠道といった厳しいシチュエーションでの使い勝手を増している。
先述したように、シフト操作に手間取らず適切なギア比を選択できることで余分な体力を使わずに済み、疲れ切った時でもギアチェンジに力を使わずに変速が完了する。そして、1枚ギアを軽くできる余裕が生まれることはヒルクライムやロングライドでアドバンテージとなるだろう。DI2と12速の組み合わせは、ライドの幅を広げてくれるはずだ。
シャドーデザインを採用した新型シマノ105のリアディレイラー photo:So Isobe
無線変速、油圧ディスクブレーキをコントロールするSTI
ブラケットフードが内側に傾き、握りやすさが向上している (c)シマノ
コンパクトな形状で握りやすくなったST-7170 (c)シマノ
無線で変速の信号を飛ばすSTIレバー、ST-7170は、DURA-ACEやULTEGRAで採用された形状を踏襲。ブラケットフードを内側にやや倒すエルゴノミクス形状とされており、手首を自然な角度としたままブラケットを握ることが可能となっている。また、ブラケットトップはR8020(機械式ULTEGRA)よりも小型化しているため、手の小さなサイクリストでも握りやすい。
上位2モデルに対し、有線でDI2を繋ぐオプション機能やスプリンタースイッチ、ブラケットトップのスイッチといった拡張機能は省略。一方で、STIに搭載するコイン電池は2つに倍増(DURA-ACEおよびULTEGRAは1つ)。約3年という長いランタイムを実現しているという。
リーチアジャストによって引き代を大きく調整できる (c)シマノ
コイン電池は縦に2つ収められる (c)シマノ
ブレーキレバーは上位モデルで搭載されていたサーボウェーブ機構が省略されているものの、その代わりにブレーキフィールを上位モデルに近づける設計が施されている。妥協せずに開発を進めたことで、酷似した性能は実現しているとシマノは言う。
12速化を果たしたシマノ105のドライブトレイン
12速化を果たしたシマノ105のスプロケット (c)シマノ
上位グレードのデザインを踏襲したR7100のクランクセット (c)シマノ
クランクセット、前後ディレイラー、チェーン、スプロケットで構成される12速化を果たしたドライブトレイン。クランクセットFC-7100は、上位モデルのデザインを踏襲したルックスにまとめ上げられた。ホローグライドによる中空構造で軽量性と高い剛性のバランス、優れた変速性能を実現している。チェーンリングのバリエーションは、50-34Tと52-36Tの2種類。長さは160〜175mmまでで、172.5mmもラインアップされる。
カセットスプロケット、CS-R7100は、コスト面の観点からDURA-ACEの要であったハイパーグライド+(プラス)の採用は見送られた。これまで通りのハイパーグライドが採用されているが、12速変速用にリファインされており、シマノクオリティの変速性能を実現しているという。ラインアップは11-34Tと11-36Tの2種類で、12速フリーボディと11速フリーボディのどちらにも使用が可能だ。
シマノ RD-R7150 (c)シマノ
シマノ FD-R7150 (c)シマノ
ワイヤレスDI2の無線レシーバー、充電ポートを司るリアディレイラーRD-R7150。非常にコンパクトなデザインに電動ユニットが収められ、かつシマノのシャドーデザインとされているため、外側への張り出しが少なくなっている。ディレイラーのキャパシティは最大11-36Tまで。
フロントディレイラーのFD-R7150もコンパクトな形状を実現している。現行DURA-ACEのような極限の小型軽量化は行われていないものの、先代DURA-ACEのR9150ほどの大きさにまとめられているという。今回のシマノ105もシンクロシフトにも対応する。
クリアランス増加&メンテナンスが容易になったブレーキキャリパー
シマノ BR-R7170 (c)シマノ
パッドクリアランスが10%広くなり、ローターとコンタクトしにくくなっている (c)シマノ
ディスクブレーキのキャリパーBR-R7170のデザインも上位グレードを踏襲。コンパクトなボディ形状ながら、前作よりも10%もパッドクリアランスが広げられており、ライド中にパッドとローターが接触しにくくなっているという。キャリパーをフレームから外すことなくブリーディングができるなど、メンテナンス性も向上していることもポイントだ。
シマノ105グレードのカーボンホイールが登場
シマノ WH-RS710 C32(左)とC46(右) (c)シマノ
そして、新型シマノ105の発表に合わせて新たなカーボンロードホイール"RS710"もアナウンスされた。発表以降人気を得ているDURA-ACE、ULTEGRAグレードのテクノロジーを受け継いだホイールだけに、非常に高い期待が持てる。
リムハイトのラインアップは32mm(C32)と46mm(C46)の2種類。リムの内幅はいずれも21mmに設定されており、チューブレスタイヤにも対応する。フリーボディは11速と12速の両対応だ。税込価格はいずれもフロントが60,720円、リアが63,250円。
重量はC32のフロントが665g、リアが839gで合計は1504gだ。C46の重量はフロントが719g、リアが893gで合計が1612gと、同価格帯のホイールに対して大きなアドバンテージを持つ。
シマノ WH-RS710 C46 (c)シマノ
11速と12速どちらも装着できるフリーボディ。スポークはJベンドだ (c)シマノ
新型シマノ105の重量や価格などは下記一覧をチェックしてもらいたい。デリバリーは8月ごろに開始される予定とのことだ。追って発表会でのコメントやファーストインプレッションをお届けする予定だ。
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DURA-ACEとULTEGRAに次ぐシマノの普及価格帯ロード用コンポーネンツがシマノ105。上位モデルのテクノロジーやシステムを踏襲しつつ価格が抑えられており、完成車にスペックインされることも多いグレードだ。サイクリストから広く愛用されてきた定番コンポーネンツであり、一度は手に触れたユーザーも少なくないだろう。
上位グレードのDURA-ACEとULTEGRAはDI2(電動変速)登場以来、機械式変速と両揃えしていたが、シマノ105は機械式のみを貫いてきた。しかし2022年6月30日、満を持してDI2仕様の"シマノ105 R7100シリーズ"がデビューを果たす。
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R7100シリーズの電動変速システムは上位モデルと同様、STIレバーからディレイラーへの接続はワイヤレスで、前後ディレイラーとバッテリーはE-tubeケーブルで接続される。有線式(前世代までのDURA-ACEなど)と比較して組付け時の利便性と軽量性に優れ、フル無線式と比べると充電の利便性と電力供給の安定性、シフトパフォーマンスでメリットがある。
これまでシマノの上位コンポーネンツのみに与えられてきた電動変速が105まで届いたことで、より幅広い層のサイクリストにその変速フィールを提供できるようになった。ボタンをタップするだけで簡単に変速できる電動シフトは、ギアチェンジが億劫にならず、どのようなシチュエーションでも最適なギア比を選択しやすいことが特徴だ。
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さらに最新世代のシマノ105はDI2化だけではなく、12速にアップデートされている。リアスプロケットは現行DURA-ACEや旧シマノ105での最大歯数34Tよりも軽い36Tが用意されており、フロントのインナー36Tとの組み合わせでは1:1のギアレシオを実現。長く険しい峠道といった厳しいシチュエーションでの使い勝手を増している。
先述したように、シフト操作に手間取らず適切なギア比を選択できることで余分な体力を使わずに済み、疲れ切った時でもギアチェンジに力を使わずに変速が完了する。そして、1枚ギアを軽くできる余裕が生まれることはヒルクライムやロングライドでアドバンテージとなるだろう。DI2と12速の組み合わせは、ライドの幅を広げてくれるはずだ。
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無線変速、油圧ディスクブレーキをコントロールするSTI
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無線で変速の信号を飛ばすSTIレバー、ST-7170は、DURA-ACEやULTEGRAで採用された形状を踏襲。ブラケットフードを内側にやや倒すエルゴノミクス形状とされており、手首を自然な角度としたままブラケットを握ることが可能となっている。また、ブラケットトップはR8020(機械式ULTEGRA)よりも小型化しているため、手の小さなサイクリストでも握りやすい。
上位2モデルに対し、有線でDI2を繋ぐオプション機能やスプリンタースイッチ、ブラケットトップのスイッチといった拡張機能は省略。一方で、STIに搭載するコイン電池は2つに倍増(DURA-ACEおよびULTEGRAは1つ)。約3年という長いランタイムを実現しているという。
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ブレーキレバーは上位モデルで搭載されていたサーボウェーブ機構が省略されているものの、その代わりにブレーキフィールを上位モデルに近づける設計が施されている。妥協せずに開発を進めたことで、酷似した性能は実現しているとシマノは言う。
12速化を果たしたシマノ105のドライブトレイン
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クランクセット、前後ディレイラー、チェーン、スプロケットで構成される12速化を果たしたドライブトレイン。クランクセットFC-7100は、上位モデルのデザインを踏襲したルックスにまとめ上げられた。ホローグライドによる中空構造で軽量性と高い剛性のバランス、優れた変速性能を実現している。チェーンリングのバリエーションは、50-34Tと52-36Tの2種類。長さは160〜175mmまでで、172.5mmもラインアップされる。
カセットスプロケット、CS-R7100は、コスト面の観点からDURA-ACEの要であったハイパーグライド+(プラス)の採用は見送られた。これまで通りのハイパーグライドが採用されているが、12速変速用にリファインされており、シマノクオリティの変速性能を実現しているという。ラインアップは11-34Tと11-36Tの2種類で、12速フリーボディと11速フリーボディのどちらにも使用が可能だ。
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ワイヤレスDI2の無線レシーバー、充電ポートを司るリアディレイラーRD-R7150。非常にコンパクトなデザインに電動ユニットが収められ、かつシマノのシャドーデザインとされているため、外側への張り出しが少なくなっている。ディレイラーのキャパシティは最大11-36Tまで。
フロントディレイラーのFD-R7150もコンパクトな形状を実現している。現行DURA-ACEのような極限の小型軽量化は行われていないものの、先代DURA-ACEのR9150ほどの大きさにまとめられているという。今回のシマノ105もシンクロシフトにも対応する。
クリアランス増加&メンテナンスが容易になったブレーキキャリパー
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ディスクブレーキのキャリパーBR-R7170のデザインも上位グレードを踏襲。コンパクトなボディ形状ながら、前作よりも10%もパッドクリアランスが広げられており、ライド中にパッドとローターが接触しにくくなっているという。キャリパーをフレームから外すことなくブリーディングができるなど、メンテナンス性も向上していることもポイントだ。
シマノ105グレードのカーボンホイールが登場
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そして、新型シマノ105の発表に合わせて新たなカーボンロードホイール"RS710"もアナウンスされた。発表以降人気を得ているDURA-ACE、ULTEGRAグレードのテクノロジーを受け継いだホイールだけに、非常に高い期待が持てる。
リムハイトのラインアップは32mm(C32)と46mm(C46)の2種類。リムの内幅はいずれも21mmに設定されており、チューブレスタイヤにも対応する。フリーボディは11速と12速の両対応だ。税込価格はいずれもフロントが60,720円、リアが63,250円。
重量はC32のフロントが665g、リアが839gで合計は1504gだ。C46の重量はフロントが719g、リアが893gで合計が1612gと、同価格帯のホイールに対して大きなアドバンテージを持つ。
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新型シマノ105の重量や価格などは下記一覧をチェックしてもらいたい。デリバリーは8月ごろに開始される予定とのことだ。追って発表会でのコメントやファーストインプレッションをお届けする予定だ。
シマノ105 R7150重量
R7170 | 重量(g) |
---|---|
リアディレイラー | 302 |
フロントディレイラー | 142 |
デュアルコントロールレバー | 423 |
ブレーキ | 282 |
ローター | 242 |
クランクセット | 754 |
ボトムブラケット | 77 |
カセットスプロケット | 361 |
チェーン | 252 |
バッテリー | 53 |
合計 | 2,888 |
シマノ105 R7150 価格
R7170 | 税込価格 |
---|---|
リアディレイラー | 33,000 |
フロントディレイラー | 17,820 |
デュアルコントロールレバー | 60,500 |
ブレーキ | 16,830 |
ローター | 8,170 |
クランクセット | 21,010 |
ボトムブラケット | 2,772 |
カセットスプロケット | 7,700 |
チェーン | 4,005 |
バッテリー | 22,220 |
BT CG | 5,763 |
BT CBL | 6,469 |
合計 | 206,259 |
シマノ WH-RS710共通スペック
リム内幅:21mm
リム外幅:28mm
推奨タイヤ:25-622 ~ 32-622
前輪価格:60,720円(税込)
後輪価格:63,250円(税込)
WH-RS710-C32重量
フロント:665g
リア:839g
合計:1504g
WH-RS710-C46重量
フロント:719g
リア:893g
合計:1612g
リム内幅:21mm
リム外幅:28mm
推奨タイヤ:25-622 ~ 32-622
前輪価格:60,720円(税込)
後輪価格:63,250円(税込)
WH-RS710-C32重量
フロント:665g
リア:839g
合計:1504g
WH-RS710-C46重量
フロント:719g
リア:893g
合計:1612g
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