トライスポーツが取り扱いを開始したタイヤグライダーをテスト。リムを傷つけず、インナーチューブに穴を開けない新たなタイヤインストールツールは、タイヤ交換の際の作業性を高めてくれるアイテムだった。



タイヤの装着を簡単にしてくれるタイヤグライダーを試すタイヤの装着を簡単にしてくれるタイヤグライダーを試す
サイクルモードでお披露目されたタイヤ交換ツールのタイヤグライダー。来場した方は販売代理店を務めるトライスポーツ代表である中原氏が実演していたシーンを見た方もいるだろう。あっという間にタイヤを装着することができるツールを実演してもらうと実に魅力的に見える。

というのも素手でタイヤを脱着するのはパワーが必要で、タイヤ交換の際に苦労することが多いからだ。もちろんタイヤレバーは効果的なアイテムだが、レバーでチューブに穴を開けてしまう心配がある。実際に出先のパンク修理では、余裕がないことも多いため、作業を丁寧にできずそのリスクは小さくない。

タイヤグライダーであれば、パンク修理で手こずるタイヤの装着も簡単に行え、気持ちよくライドに復帰できるとサイクルモードの実演展示で思ったのだ。そして、実際にタイヤグライダーを使用する機会を得たので、使用感をお届けしよう。

本体に備えられたフックをビードフックに引っ掛ける本体に備えられたフックをビードフックに引っ掛ける
タイヤグライダーを使えば、力いらずでタイヤを装着できるかと言われるとそうではない。タイヤレバーや素手とは使う力が異なることで、作業性を向上させているような印象だ。ポイントはツールの形状とタイヤグライダーをビードに引っ掛け、接線方向に押し込む動作でビードをリム内側に誘導すること。

具体的にはタイヤグライダーは指だけではなく、掌底を使えるような形状になっているため、ツールを押し込みやすいことが美点の一つ。もちろんタイヤの嵌め合いが硬い場合は、タイヤグライダーを使ってもそれなりに硬さを感じる。そこで、掌底を使えることと、接線方向に力を加えるアイテムの特性を活かして、地面に向かってタイヤグライダーを押し込むとビードはホイールに収まる。

今回のテストでは、筆者・藤原が素手では装着困難なチューブレスタイヤを使っての試用だったが、諦めることなく装着することができた。さらに、素手で装着できる編集部員がかける時間の半分で作業が終わってしまったのには驚いた。タイヤグライダーはアドバンテージが非常に大きいアイテムだと実感している。

タイヤとリムの間に挟み込み、この状態から画面奥に押し込んで使用するタイヤとリムの間に挟み込み、この状態から画面奥に押し込んで使用する
ちなみにTLタイヤは装着する際にビードをリムの窪みに落とすという作業が必要になるのだが、タイヤグライダーではその作業をせずともタイヤ装着は可能だった(嵌め合いの硬さはそれなりだったが)。ビードを落とす作業すると、もっと楽にタイヤ装着できるので、実際に作業する際は忘れずに行おう。

先の説明では、タイヤグライダーをホイールの接線方向に力を加えると言ったが、Tipsとしてはタイヤグライダーをリムウォールに押し付け、ビードフックにも押し付けながら力を加えると上手く作業ができるという印象だ。タイヤグライダーがリムから外れないように意識をするとよさそうだ。

手のひらを使って押すことができるため、力を加えやすいことが特徴だ手のひらを使って押すことができるため、力を加えやすいことが特徴だ
タイヤグライダーの左側はビードがリムに収まり、右側は外に出ているタイヤグライダーの左側はビードがリムに収まり、右側は外に出ている
また、タイヤグライダーの美点はリムに力が加わらないことだ。リムがタイヤレバー程度で壊れることはないと思うが、できる限り負担を加えたくないので、タイヤグライダーは心情的に使いやすいツールとも言える。また、ツールがチューブに穴を開ける心配がないので、その面でも気持ちが楽になるだろう。

タイヤグライダーは装着時に押していた部分がレバーとなっており、普通のレバーと同じように使うことも可能だ。ツール自体の剛性が高いため、硬いタイヤでも負けることはなさそうだ。一方で、ビードを一発で外すためには2つほど必要だが、タイヤグライダーは1つでも機能するツールのため、実際にはタイヤレバーも合わせて携行すると便利だろう。

タイヤを外す際のタイヤレバーとしても活躍してくれるタイヤを外す際のタイヤレバーとしても活躍してくれる
7.8×4.3×3.2cmに設計されたタイヤグライダーはツールボトルやサドルバッグに収納しやすいサイズ感なのも嬉しい。嵩張りすぎない大きさなので、ぜひ一度試してもらいたいと思う。価格は2,090円(税込)。




タイヤグライダー
サイズ:7.8×4.3×3.2cm
重量:23g
色:赤
価格:2,090円(税込)

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