2つの2級山岳が登場したスロベニア第3ステージも、大会初日と同様にUAEチームエミレーツが席巻。ラファル・マイカ(ポーランド)と共に残り23km地点で飛び出したタデイ・ポガチャル(スロベニア)が勝利を挙げ、総合でも首位に立った。
ジャテツのスタート地点に並んだ4賞ジャージとタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Tour of Slovenia
ツアー・オブ・スロベニア2022第3ステージ コースプロフィール image:Tour of Sloveniaツール・ド・フランス3連覇を目指すタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を筆頭に、7月1日開幕のビッグレースを見据える選手が集ったツアー・オブ・スロベニア(2.Pro)。比較的短い144.6kmコースの3日目は、2つの2級山岳を越え、距離2.1km/平均勾配7.1%の先にフィニッシュが引かれた丘陵ステージだ。
開催中のツール・ド・スイスで多くのコロナ感染者が出るなか、スロベニアでもミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)とヴェガールスターケ・ラエンゲン(ノルウェー)から陽性反応が検出された。リーダージャージを着るラファル・マイカ(ポーランド)やポガチャルは陰性だったものの、残す3日間をチームは5名で戦うことになった。
前日勝者ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が逃げを試みたこの日、最終的にアントニオ・ソト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)の1人逃げが決まる。それをサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)ら3名が追い、更に後方のプロトンはUAEチームエミレーツがコントロールした。
フィニッシュ地点のあるツェリエを目指すプロトン photo:Tour of Slovenia
逃げた選手たちが残り27km地点でプロトンに吸収されると、通り雨で濡れた路面にルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が前輪を滑らせ落車する。そして最終山岳の2級山岳スヴェティナ峠(距離5.2km/平均7.7%)に入ると、マイカのためにポガチャルがハイペースで牽引をはじめた。
このペースに追従できたのは大会初日と同様、ドメン・ノヴァク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)ただ1人。しかしポガチャルが先頭固定で更にスピードを上げるとノヴァクは遅れ、懸命に追走するマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)も届かない。スヴェティナ峠の山頂をマイカがトップ通過して山岳賞ポイントを加算すると、先頭2人は狭く濡れた路面の下りも難なくこなした。
難易度高いダウンヒルをニコラ・コンチ(イタリア、アルペシン・フェニックス)が猛スピードで下り先頭の2人に追いつくと、追走集団に30秒差をつけてフラムルージュ(残り1km地点)を通過。初日の焼き直しのような展開から、急勾配区間でコンチを引き離したポガチャルが、スロベニア国旗がはためくフィニッシュを先頭で通過した。
独走でフィニッシュにやってきたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Tour of Slovenia
母国の大観衆のなか勝利を挙げたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Tour of Slovenia
一方、ポガチャルの追走で脚を使い果たしたコンチをマイカが抜き、UAEチームエミレーツは初日に続くワンツーフィニッシュを達成。これによりポガチャルがマイカからリーダージャージを引き継いだ。
「チームとして完璧に展開をコントロールすることができた。登りではラファル(マイカ)と一緒に追走集団からリードを奪い、雨によって下りはスリッピーでハイペースを維持するのが難しかった。コンチに追いつかれ、最後の登りでは賢く走らなければならないと思った。上手く展開を作り、勝利することができて本当に嬉しいよ」とポガチャルは語った。
翌日の第4ステージは1級山岳ヴェリカ・プラニーナ(距離7.7km/平均7.9%)山頂にフィニッシュするクイーンステージ。ポガチャルとマイカの登坂力に対し、バーレーン・ヴィクトリアスなどライバルチームががどう挑むかに注目が集まる。
大会3日目にしてリーダージャージに袖を通したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Tour of Slovenia


開催中のツール・ド・スイスで多くのコロナ感染者が出るなか、スロベニアでもミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)とヴェガールスターケ・ラエンゲン(ノルウェー)から陽性反応が検出された。リーダージャージを着るラファル・マイカ(ポーランド)やポガチャルは陰性だったものの、残す3日間をチームは5名で戦うことになった。
前日勝者ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が逃げを試みたこの日、最終的にアントニオ・ソト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)の1人逃げが決まる。それをサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)ら3名が追い、更に後方のプロトンはUAEチームエミレーツがコントロールした。

逃げた選手たちが残り27km地点でプロトンに吸収されると、通り雨で濡れた路面にルイ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が前輪を滑らせ落車する。そして最終山岳の2級山岳スヴェティナ峠(距離5.2km/平均7.7%)に入ると、マイカのためにポガチャルがハイペースで牽引をはじめた。
このペースに追従できたのは大会初日と同様、ドメン・ノヴァク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)ただ1人。しかしポガチャルが先頭固定で更にスピードを上げるとノヴァクは遅れ、懸命に追走するマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)も届かない。スヴェティナ峠の山頂をマイカがトップ通過して山岳賞ポイントを加算すると、先頭2人は狭く濡れた路面の下りも難なくこなした。
難易度高いダウンヒルをニコラ・コンチ(イタリア、アルペシン・フェニックス)が猛スピードで下り先頭の2人に追いつくと、追走集団に30秒差をつけてフラムルージュ(残り1km地点)を通過。初日の焼き直しのような展開から、急勾配区間でコンチを引き離したポガチャルが、スロベニア国旗がはためくフィニッシュを先頭で通過した。


一方、ポガチャルの追走で脚を使い果たしたコンチをマイカが抜き、UAEチームエミレーツは初日に続くワンツーフィニッシュを達成。これによりポガチャルがマイカからリーダージャージを引き継いだ。
「チームとして完璧に展開をコントロールすることができた。登りではラファル(マイカ)と一緒に追走集団からリードを奪い、雨によって下りはスリッピーでハイペースを維持するのが難しかった。コンチに追いつかれ、最後の登りでは賢く走らなければならないと思った。上手く展開を作り、勝利することができて本当に嬉しいよ」とポガチャルは語った。
翌日の第4ステージは1級山岳ヴェリカ・プラニーナ(距離7.7km/平均7.9%)山頂にフィニッシュするクイーンステージ。ポガチャルとマイカの登坂力に対し、バーレーン・ヴィクトリアスなどライバルチームががどう挑むかに注目が集まる。

ツアー・オブ・スロベニア2022第3ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 3:27:09 |
2位 | ラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) | 0:11 |
3位 | ニコラ・コンチ(イタリア、アルペシン・フェニックス) | 0:14 |
4位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:36 |
5位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 11:41:58 |
2位 | ラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) | 0:07 |
3位 | ドメン・ノヴァク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:55 |
4位 | ニコラ・コンチ(イタリア、アルペシン・フェニックス) | 1:10 |
5位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | 1:36 |
その他の特別賞
山岳賞 | ラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) |
ポイント賞 | ラファル・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) |
ヤングライダー賞 | ヴォイチェフ・レパ(チェコ、エキポ・ケルンファルマ) |
チーム総合成績 | カハルラル・セグロスRGA |
text:Sotaro.Arakawa
photo::Tour of Slovenia
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