2022/06/15(水) - 10:31
“南仏の巨人”を2度登頂するモンヴァントゥー・チャレンジが開催。男子はルーベン・ゲレイロ(ポルトガル)が制し、初開催の女子レースはマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)が初代王者に輝いた。
今年で第4回目を迎えたモンヴァントゥー・チャレンジ (UCI1.1)は、“南仏の巨人”あるいは”魔の山”と呼ばれる名峰モンヴァントゥーを舞台にしたワンデーレース。開催4年目ながらツール・ド・フランスを控えたクライマーたちの前哨戦として強豪選手が集い、近年着実に注目度を高めている。
昨年と同じくヴァントゥー北西の街ヴェゾン=ラ=ロメーヌを出発する154kmのコースは、モンヴァントゥー(15.7km/平均8.8%)の山頂を2度に渡って登坂するレイアウト。1度目は南側のシャレー・レイナール(標高1421m)を通過し、2度目は麓を半周後に勾配の厳しい反対側(西側)からアプローチしてフィニッシュする。
獲得標高差4,521mの山岳レースには、ツールに総合エースとして出場するマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)や、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)、エスデバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)などが揃った。
アレクサンドル・リアブシェンコ(ベラルーシ、アスタナカザフスタン)以外は全てフランス人という5名が逃げ集団を形成すると、最大3分半のタイム差でイスラエル・プレミアテックがメイン集団をコントロールした。そのまま1度目のモンヴァントゥーの登坂を終えると、2度目の直前でリアブシェンコが逃げグループから飛び出した。
これを50秒差で追うプロトンはEFエデュケーション・イージーポストに牽引が代わると一気にペースアップ。ライバルたちを振り落としながら頂上まで11kmを残し、2020年ジロ・デ・イタリアの山岳賞ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト)が早くもアタックした。これを追いかけるマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマ・エフデジ)などはチャベスが執拗にマーク。ゲレイロはリアブシェンコを抜き去ると、一定のリズムで踏み続け後続に1分以上の差をつける、圧巻の勝利を挙げた。
そして53秒差の2位でフィニッシュしたのは、追走するライバルたちの背後で脚を溜めていたチャベス。これによってEFエデュケーション・イージーポストがツールを前に、弾みをつけるワンツーフィニッシュでクライミングレースを席巻した。
「ここでの勝利は美しい。(2020年の)ジロ・デ・イタリアでの勝利以降は不運の連続だった。ドーフィネを終えた僕たちに監督が”ツールに臨むチームの状況は決して良くない”と伝えてきたんだ。この良い結果で状況を好転させたい」と、ツールに臨むゲレイロは自身2年振りの勝利を喜んだ。
女子レースはカヴァッリが初代王者に輝く
男子レースに先立ち、今年初開催となったモンヴァントゥー・チャレンジ(UCI1.2)女子レース。男子と同じヴェゾン=ラ=ロメーヌを出発し、100kmの行程でモンヴァントゥー山頂にフィニッシュするシンプルな山岳レースだ。
そして初代王者の栄冠に輝いたのは、今年アムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌ フェミニーヌで優勝するなどキャリアハイの活躍を見せるマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)。残り2.5km地点で先鋭集団から飛び出すと、クララ・コペンベルク(ドイツ、コフィディス・ウィメンチーム)の追随を許さない登坂でフィニッシュラインに到着した。
「先週から試走を重ね、ここモンヴァントゥーでのレースに照準を定めていた。チームとして良いレース運びができ、登りでも展開をコントロールできた。調子が良かったのでアタックし、チームにまた勝利をもたらすことができて本当に嬉しいよ」とカヴァッリ。今シーズン3勝目を挙げ、出場を予定しているジロ・デ・イタリア ドンネ(6月30日〜)に向けて弾みをつけた。
今年で第4回目を迎えたモンヴァントゥー・チャレンジ (UCI1.1)は、“南仏の巨人”あるいは”魔の山”と呼ばれる名峰モンヴァントゥーを舞台にしたワンデーレース。開催4年目ながらツール・ド・フランスを控えたクライマーたちの前哨戦として強豪選手が集い、近年着実に注目度を高めている。
昨年と同じくヴァントゥー北西の街ヴェゾン=ラ=ロメーヌを出発する154kmのコースは、モンヴァントゥー(15.7km/平均8.8%)の山頂を2度に渡って登坂するレイアウト。1度目は南側のシャレー・レイナール(標高1421m)を通過し、2度目は麓を半周後に勾配の厳しい反対側(西側)からアプローチしてフィニッシュする。
獲得標高差4,521mの山岳レースには、ツールに総合エースとして出場するマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)や、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)、エスデバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)などが揃った。
アレクサンドル・リアブシェンコ(ベラルーシ、アスタナカザフスタン)以外は全てフランス人という5名が逃げ集団を形成すると、最大3分半のタイム差でイスラエル・プレミアテックがメイン集団をコントロールした。そのまま1度目のモンヴァントゥーの登坂を終えると、2度目の直前でリアブシェンコが逃げグループから飛び出した。
これを50秒差で追うプロトンはEFエデュケーション・イージーポストに牽引が代わると一気にペースアップ。ライバルたちを振り落としながら頂上まで11kmを残し、2020年ジロ・デ・イタリアの山岳賞ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト)が早くもアタックした。これを追いかけるマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマ・エフデジ)などはチャベスが執拗にマーク。ゲレイロはリアブシェンコを抜き去ると、一定のリズムで踏み続け後続に1分以上の差をつける、圧巻の勝利を挙げた。
そして53秒差の2位でフィニッシュしたのは、追走するライバルたちの背後で脚を溜めていたチャベス。これによってEFエデュケーション・イージーポストがツールを前に、弾みをつけるワンツーフィニッシュでクライミングレースを席巻した。
「ここでの勝利は美しい。(2020年の)ジロ・デ・イタリアでの勝利以降は不運の連続だった。ドーフィネを終えた僕たちに監督が”ツールに臨むチームの状況は決して良くない”と伝えてきたんだ。この良い結果で状況を好転させたい」と、ツールに臨むゲレイロは自身2年振りの勝利を喜んだ。
女子レースはカヴァッリが初代王者に輝く
男子レースに先立ち、今年初開催となったモンヴァントゥー・チャレンジ(UCI1.2)女子レース。男子と同じヴェゾン=ラ=ロメーヌを出発し、100kmの行程でモンヴァントゥー山頂にフィニッシュするシンプルな山岳レースだ。
そして初代王者の栄冠に輝いたのは、今年アムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌ フェミニーヌで優勝するなどキャリアハイの活躍を見せるマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)。残り2.5km地点で先鋭集団から飛び出すと、クララ・コペンベルク(ドイツ、コフィディス・ウィメンチーム)の追随を許さない登坂でフィニッシュラインに到着した。
「先週から試走を重ね、ここモンヴァントゥーでのレースに照準を定めていた。チームとして良いレース運びができ、登りでも展開をコントロールできた。調子が良かったのでアタックし、チームにまた勝利をもたらすことができて本当に嬉しいよ」とカヴァッリ。今シーズン3勝目を挙げ、出場を予定しているジロ・デ・イタリア ドンネ(6月30日〜)に向けて弾みをつけた。
モンヴァントゥー・チャレンジ2022男子レース結果
1位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト) | 4:32:35 |
2位 | エスデバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:53 |
3位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマ・エフデジ) | 1:28 |
4位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) | 2:00 |
5位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | 2:15 |
37位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | 13:15 |
モンヴァントゥー・チャレンジ2022女子レース結果
1位 | マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 3:19:01 |
2位 | クララ・コペンベルク(ドイツ、コフィディス・ウィメンチーム) | 0:41 |
3位 | エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:53 |
4位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、キャニオン・スラム) | 1:17 |
5位 | キム・カゾウ(ニュージーランド、トレッリ・ケイマンアイランド・シミター) | 1:32 |
text:Sotaro.Arakawa
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