2022/06/14(火) - 08:55
ツール前哨戦として多くの強豪選手が集うツール・ド・スイス。丘陵ステージで行われた2日目に逃げ切りが決まり、23歳の元ノルウェーTT王者アンドレアス・レックネスン(チームDSM)が勝利。ノルウェーからまた1人、才能ある若手が現れた。
雲一つない夏空の下で行われた第85回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)の2日目。今大会最長198kmの終盤に2級、3級、2級山岳が詰め込まれ、獲得標高差は2,700mを上回る。
逃げ切りのチャンスもある丘陵ステージで、序盤から母国スイスで結果を出したいミヒャエル・シェアー(AG2Rシトロエン)やマッテオ・バディラッティ(グルパマ・エフデジ)など実力確かな11名が逃げ集団を形成する。それをリーダージャージを有するバーレーン・ヴィクトリアスは、終盤に厳しい山岳が待っていることもあり、最大6分という多めのリードを許して追いかけた。
バーレーン・ヴィクトリアスに追走の意思がないと判断し、総合優勝を狙うボーラ・ハンスグローエやクイックステップ・アルファヴィニル、イネオス・グレナディアーズが1名ずつプロトンの牽引に選手を送ったため、タイム差が縮小し始める。それを知った逃げグループは3級山岳(残り42km地点)の登坂でペースを上げ、6名まで人数を絞りながらエシュのフィニッシュを目指し突き進んだ。
ティム・デクレルク(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)がプロトンを先頭固定で牽き始めたことで、2グループ間の差は更に縮小する。残り20km地点で1分45秒差まで迫られ、吸収が現実的となってきた逃げ集団からは、アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)が単独で飛び出した。これを共に逃げていたマシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)らは反応できず、レースはレックネスンとプロトンという構図に持ち込まれた。
ノルウェー国内選手権の個人TTで2度、U23欧州選手権の個人TTでも優勝した独走力を発揮するレックネスン。集団スプリントに持ち込みたいアルペシン・フェニックスが先頭に人数を集めるも、レックネスンとのリードは縮まるどころか拡大していくばかり。1分半あったリードに更に10秒上乗せする圧巻の走りで、レックネスンがワールドツアー初勝利を掴み取った。
「言葉がない。本当に信じられない勝利だ。1日を通してフルガスで、最後の山岳が最も辛かったがここを乗り切れば勝てると思っていた。最後は苦しみながらも楽しむことができたよ。僕らチームはステージ優勝を狙っており、それを早速叶えることができた。このあとのステージも積極的に逃げに乗り、貪欲に勝利を狙っていきたい」とレックネスンは語った。
一方、ステージ優勝争いさがながらの白熱した2位スプリントはアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)が先着した。先にフィニッシュしたレックネスンの情報が入っていなかったためか、ベッティオルは右拳を突き上げるガッツポーズを披露。しかしその直後にレックネスンの姿を確認すると、すぐさまその手を収めるシーンも。
リーダージャージはスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)が保持。翌日の第3ステージはコース中盤に1級山岳が登場するものの、フィニッシュに向かうにつれ難易度が下がるレイアウトのため、ウィリアムズの首位キープも難しくはないと思われる。
雲一つない夏空の下で行われた第85回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)の2日目。今大会最長198kmの終盤に2級、3級、2級山岳が詰め込まれ、獲得標高差は2,700mを上回る。
逃げ切りのチャンスもある丘陵ステージで、序盤から母国スイスで結果を出したいミヒャエル・シェアー(AG2Rシトロエン)やマッテオ・バディラッティ(グルパマ・エフデジ)など実力確かな11名が逃げ集団を形成する。それをリーダージャージを有するバーレーン・ヴィクトリアスは、終盤に厳しい山岳が待っていることもあり、最大6分という多めのリードを許して追いかけた。
バーレーン・ヴィクトリアスに追走の意思がないと判断し、総合優勝を狙うボーラ・ハンスグローエやクイックステップ・アルファヴィニル、イネオス・グレナディアーズが1名ずつプロトンの牽引に選手を送ったため、タイム差が縮小し始める。それを知った逃げグループは3級山岳(残り42km地点)の登坂でペースを上げ、6名まで人数を絞りながらエシュのフィニッシュを目指し突き進んだ。
ティム・デクレルク(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)がプロトンを先頭固定で牽き始めたことで、2グループ間の差は更に縮小する。残り20km地点で1分45秒差まで迫られ、吸収が現実的となってきた逃げ集団からは、アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)が単独で飛び出した。これを共に逃げていたマシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル)らは反応できず、レースはレックネスンとプロトンという構図に持ち込まれた。
ノルウェー国内選手権の個人TTで2度、U23欧州選手権の個人TTでも優勝した独走力を発揮するレックネスン。集団スプリントに持ち込みたいアルペシン・フェニックスが先頭に人数を集めるも、レックネスンとのリードは縮まるどころか拡大していくばかり。1分半あったリードに更に10秒上乗せする圧巻の走りで、レックネスンがワールドツアー初勝利を掴み取った。
「言葉がない。本当に信じられない勝利だ。1日を通してフルガスで、最後の山岳が最も辛かったがここを乗り切れば勝てると思っていた。最後は苦しみながらも楽しむことができたよ。僕らチームはステージ優勝を狙っており、それを早速叶えることができた。このあとのステージも積極的に逃げに乗り、貪欲に勝利を狙っていきたい」とレックネスンは語った。
一方、ステージ優勝争いさがながらの白熱した2位スプリントはアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)が先着した。先にフィニッシュしたレックネスンの情報が入っていなかったためか、ベッティオルは右拳を突き上げるガッツポーズを披露。しかしその直後にレックネスンの姿を確認すると、すぐさまその手を収めるシーンも。
リーダージャージはスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)が保持。翌日の第3ステージはコース中盤に1級山岳が登場するものの、フィニッシュに向かうにつれ難易度が下がるレイアウトのため、ウィリアムズの首位キープも難しくはないと思われる。
ツール・ド・スイス2022第2ステージ結果
1位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | 4:46:22 |
2位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:38 |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
4位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
5位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ニキアス・アルント(ドイツ、チームDSM) | |
7位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) | |
8位 | エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | ダニエル・オス(イタリア、トタルエネルジー) | |
10位 | ステファノ・オルダーニ(イタリア、アルペシン・フェニックス) |
個人総合成績
1位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | 9:03:41 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:04 |
3位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | 0:06 |
4位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) | 0:07 |
5位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) | 0:10 |
6位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナカザフスタン) | |
7位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) |
山岳賞 | クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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