2022/05/27(金) - 12:00
「4人が互いを信頼し合い、究極の夢が叶った」とは劇的な逃げ切り勝利を飾ったドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)。逃げた選手とそれを追った選手たち、両方の言葉でジロ第18ステージを振り返ります。
ステージ優勝:ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
ラスト1km地点まで協力し合うことができた。リードを稼ぎ逃げ切る算段を立てていたものの、まさか本当に逃げ切れるとは思わなかった。最後はアッフィニが早めに仕掛けるだろうと思い彼の背後についた。コルトは4人の中で最もスプリント力があり、グランツールで勝利経験も豊富なので全員が彼の動きを注視していた。だがら彼が先頭でラスト1kmに入ったのは当然のことだった。
スプリントが始まるまで全員が協力し合い、全員が全力で踏み続けた。全員が互いを信頼し、誰一人先頭交代を飛ばすこともなかった。デマールやカヴェンディッシュ、バウハウス、ダイネーゼが勝つスプリントステージになることは明らかだった。だから僕ら4人で逃げながらも計画を立て、最後まで4人がそれを実行し続けたんだ。
信じられない。ここで勝つことを夢見ていた。自転車を始めた頃の夢はいつしか目標へと変わり、その目標をこうやって達成することができた。夢だったベルギー国内王者に輝き、そのジャージを着て昨年ジロに初出場した。その後ここで勝つという夢が、目標ができたんだ。それを実現することができて、ただただ信じられないよ。
ステージ2位:エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ)
逃げている間の感覚は非常に良かった。作戦を立てて全員がそれに合意し、実行した。最後1kmは駆け引きが繰り広げられた。スプリント力では劣っているとわかっていたので遠目から仕掛ける必要があった。最後は自分の本能に従いラスト250mから腰を上げたのだが、デボントが僕より単純に強かっただけ。デボントの勝利を心から祝福したい。
もちろんステージを逃し残念に思う。(2度の2位に終わった昨年のジロに続き)また2位となったが、この後も自分を信じて勝利を狙っていきたい。いつか勝てる日がくるといいね。
ステージ3位:マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
終盤のスピードは凄まじいほど速かった。レース前のチームバスでは、僅かながら逃げ切りの可能性もあると話し合っていた。だから逃げに乗ったものの、難しいのだろうと思っていた。逃げ切ったが勝利は逃した。これ以上の結果は得られなかっただろう。
ステージ6位:アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
もちろんスプリントに持ち込めず落ち込んでいる。僕らとクイックステップ・アルファヴィニルが協力して前を追ったももの、逃げを捉えるには至らなかった。だが追走に尽力したチームメイトの走りには脱帽だよ。勝利こそできなかったが、彼らは素晴らしい走りを見せてくれた。
ステージ9位:フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
ジョアン(アルメイダ)の不出走という辛いニュースがあったが、僕らは勝利を目指して走った。力強く逃げる集団を引き戻すべく、懸命に追走したのだが届かなかった。勝利なくジロを終えることは残念だが、これが自転車競技というものだ。
マリアローザ:リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
楽なレース展開という予想は外れ、とても速いステージになったね。だが何の問題もなく乗り切ることができ、それが何よりも大事なこと。明日からの2日間はとても重要なステージとなる。脚の調子は良く、このまま優勝を目指し突き進んでいく。
ヒンドレーの終盤のメカトラについて語るレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
残り2.5kmでヒンドレーが機材トラブルに見舞われた。だがメイン集団と同着フィニッシュになるはずなので、何のストレスもない。決してリラックスのできない厳しいステージだった。特にラスト30kmは強度の高い展開となった。
チームDSMのマット・ウィンストン監督
残り50km地点で逃げを捉えそうな展開だった。だが、ポッジオの登りを越え「今日は逃げ切りだ」と思った。逃げ集団に入った選手たちは賢く、彼らの走りは称賛に値する。2分差で登りに入った逃げ集団は、時間計測される間にペースを上げた。それは非常に賢い作戦で、もしチームの選手が逃げ集団にいても全く同じ指示を送っただろう。その後彼らはフィニッシュライン目掛けて全速力で突き進んだ。勝利に相応しい走りだったよ。
スプリントチームはアシスト全員を使い追走した。どのチームも出し惜しみすることなく追いかけたが、あの4人の走りが上回った。もちろん選手たちの脚がフレッシュじゃなかったことも影響したのだろう。アルベルト(ダイネーゼ)は落ち込んでいるものの、誰一人としてその力を振り絞らなかった選手はいないだろう。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ優勝:ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
ラスト1km地点まで協力し合うことができた。リードを稼ぎ逃げ切る算段を立てていたものの、まさか本当に逃げ切れるとは思わなかった。最後はアッフィニが早めに仕掛けるだろうと思い彼の背後についた。コルトは4人の中で最もスプリント力があり、グランツールで勝利経験も豊富なので全員が彼の動きを注視していた。だがら彼が先頭でラスト1kmに入ったのは当然のことだった。
スプリントが始まるまで全員が協力し合い、全員が全力で踏み続けた。全員が互いを信頼し、誰一人先頭交代を飛ばすこともなかった。デマールやカヴェンディッシュ、バウハウス、ダイネーゼが勝つスプリントステージになることは明らかだった。だから僕ら4人で逃げながらも計画を立て、最後まで4人がそれを実行し続けたんだ。
信じられない。ここで勝つことを夢見ていた。自転車を始めた頃の夢はいつしか目標へと変わり、その目標をこうやって達成することができた。夢だったベルギー国内王者に輝き、そのジャージを着て昨年ジロに初出場した。その後ここで勝つという夢が、目標ができたんだ。それを実現することができて、ただただ信じられないよ。
ステージ2位:エドアルド・アッフィニ(イタリア、ユンボ・ヴィスマ)
逃げている間の感覚は非常に良かった。作戦を立てて全員がそれに合意し、実行した。最後1kmは駆け引きが繰り広げられた。スプリント力では劣っているとわかっていたので遠目から仕掛ける必要があった。最後は自分の本能に従いラスト250mから腰を上げたのだが、デボントが僕より単純に強かっただけ。デボントの勝利を心から祝福したい。
もちろんステージを逃し残念に思う。(2度の2位に終わった昨年のジロに続き)また2位となったが、この後も自分を信じて勝利を狙っていきたい。いつか勝てる日がくるといいね。
ステージ3位:マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
終盤のスピードは凄まじいほど速かった。レース前のチームバスでは、僅かながら逃げ切りの可能性もあると話し合っていた。だから逃げに乗ったものの、難しいのだろうと思っていた。逃げ切ったが勝利は逃した。これ以上の結果は得られなかっただろう。
ステージ6位:アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
もちろんスプリントに持ち込めず落ち込んでいる。僕らとクイックステップ・アルファヴィニルが協力して前を追ったももの、逃げを捉えるには至らなかった。だが追走に尽力したチームメイトの走りには脱帽だよ。勝利こそできなかったが、彼らは素晴らしい走りを見せてくれた。
ステージ9位:フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
ジョアン(アルメイダ)の不出走という辛いニュースがあったが、僕らは勝利を目指して走った。力強く逃げる集団を引き戻すべく、懸命に追走したのだが届かなかった。勝利なくジロを終えることは残念だが、これが自転車競技というものだ。
マリアローザ:リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
楽なレース展開という予想は外れ、とても速いステージになったね。だが何の問題もなく乗り切ることができ、それが何よりも大事なこと。明日からの2日間はとても重要なステージとなる。脚の調子は良く、このまま優勝を目指し突き進んでいく。
ヒンドレーの終盤のメカトラについて語るレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
残り2.5kmでヒンドレーが機材トラブルに見舞われた。だがメイン集団と同着フィニッシュになるはずなので、何のストレスもない。決してリラックスのできない厳しいステージだった。特にラスト30kmは強度の高い展開となった。
チームDSMのマット・ウィンストン監督
残り50km地点で逃げを捉えそうな展開だった。だが、ポッジオの登りを越え「今日は逃げ切りだ」と思った。逃げ集団に入った選手たちは賢く、彼らの走りは称賛に値する。2分差で登りに入った逃げ集団は、時間計測される間にペースを上げた。それは非常に賢い作戦で、もしチームの選手が逃げ集団にいても全く同じ指示を送っただろう。その後彼らはフィニッシュライン目掛けて全速力で突き進んだ。勝利に相応しい走りだったよ。
スプリントチームはアシスト全員を使い追走した。どのチームも出し惜しみすることなく追いかけたが、あの4人の走りが上回った。もちろん選手たちの脚がフレッシュじゃなかったことも影響したのだろう。アルベルト(ダイネーゼ)は落ち込んでいるものの、誰一人としてその力を振り絞らなかった選手はいないだろう。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
Amazon.co.jp