2022/05/19(木) - 19:15
ツアー・オブ・ジャパンが長野県飯田市で開幕。初日の第1ステージは終始神経質な展開が続き、最終周回に抜け出したネイサン・アールとベンジャミン・ダイボールが逃げ切り、ワン・ツーフィニッシュを決めた。
朝から初夏の青空が広がった飯田市 photo:Satoru Kato
飯田の名所 下りヘアピンのTOJコーナー photo:Satoru Kato
「木遣り唄」で選手にエールを送る photo:Satoru Kato
ツアー・オブ・ジャパン第1ステージは、2019年以来3年ぶりの開催となる長野県飯田市でのステージ。これまでは「南信州ステージ」と呼ばれていたが、「信州飯田ステージ」と改められた。また、JR飯田駅前から周回コースまでパレード走行を行い、フィニッシュは周回コースから外れて1kmほどの場所にある飯田市松尾総合運動場前に設定されていたが、今回は周回コース内の下久堅小学校前にスタート・フィニッシュが設定された。
周回コースは従来と同じ1周12.2km。10周しての獲得標高は2580mにもなり、翌日の富士山ステージ2602mに迫るハードなレースだ。
ディフェンディングチャンピオンの増田成幸を擁する宇都宮ブリッツェン photo:Satoru Kato
EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム photo:Satoru Kato
今回の大会は有観客開催とされ、検温を受けることを条件に現地での観戦が許された。あわせて、スタート前にチームプレゼンテーションが行われ、フォトセッションのみの簡単なプレゼンテーションではあるが、出場チーム全てが登壇した(全チームの写真はフォトギャラリーへ)。
1周目からアタックが繰り返される photo:Satoru Kato
2周目に形成された5名の先頭集団 photo:Satoru Kato
午前10時、初夏の青空の下スタートしたレースは、アタックが繰り返されたのち、2周目に5名の先頭集団が形成される。メンバーは、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)、山本元喜(キナンレーシングチーム)、渡邉歩(愛三工業レーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、レイモンド・クレダー(チーム右京)。メイン集団との差は30秒ほどまで開くものの、宇都宮ブリッツェンとマトリックスパワータグが主導するメイン集団により3周目には吸収される。
5周目に形成された4名の先頭集団 登りで仕掛ける山本元喜(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato
5周目、新たに4名の先頭集団が形成される。メンバーは、織田聖(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)、山本元喜(キナンレーシングチーム)、石橋学(チーム右京)、西尾勇人(那須ブラーゼン)。メイン集団との差は1分近くまで開くものの、7周目にはメイン集団が吸収し、再び振り出しに戻される。
8周目 先行する集団をメイン集団が全て吸収 photo:Satoru Kato
独走で最終周回に入っていくベンジャミン・ダイボール(チーム右京) photo:Satoru Kato
先行したダイボールを追う宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)と山本大喜(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato残り2周となる9周目、山本元喜の飛び出しをきっかけに7名が先行する。メンバーは、増田成幸、宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)、ベンジャミン・ダイボール、ネイサン・アール(チーム右京)、トマ・ルバ、山本大喜(キナンレーシングチーム)、小林海(マトリックスパワータグ)。この中から、ダイボールが単独先行して最終周回に入っていく。
宮崎と山本大喜が追走し、その後ルバと増田の追走に入れ替わるが、ダイボールとの差は縮まらない。一方で、遅れてルバと増田に合流したアールが2人を置き去りにしてダイボールを追い、フィニッシュ直前にダイボールを抜いてフィニッシュ。チーム右京がワン・ツーフィニッシュを決める幸先の良いスタートを切った。
ネイサン・アールが優勝 2位にベンジャミン・ダイボールでチーム右京1-2フィニッシュ photo:Kensaku SAKAI
総合首位のグリーンジャージを獲得したネイサン・アール(チーム右京) photo:Satoru Kato
優勝したアールは、リーダージャージとポイント賞ジャージのふたつを獲得。「初日からとてもハードだったが勝てて嬉しい。今日はベンジャミンが勝つと思っていたが、最後の力を振り絞って僕が勝つことができた。ベンジャミンも僕もクライマーだから、明日の富士山はどちらが勝ってもおかしくないと思う。強いライバルが同じチーム内にいるのは悩みだが、嬉しい悩みでもある。どちらが勝っても同じチームとなるようにしたい」と、表彰式で語った。
山岳賞は宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン) photo:Satoru Kato
一方、増田と共に最終局面に残った宮崎が山岳賞と新人賞を獲得。「初出場で名誉ある賞を獲得出来たのは嬉しい。自分の判断ミスで増田さんに脚を使わせてしまった。ダイボール選手が下りで行った時、僕が追うべきだったけれど下りが苦手で離されてしまった。集団が「どうする?」って感じになってしまったのもあるけれど、僕が終わるつもりで追って増田さんがタイム差を詰めることが出来れば良かったと思う」と、反省点を挙げた。
明日は第2ステージの富士山。ツアー・オブ・ジャパンのクイーンステージであり、総合優勝争いが大きく動くステージだ。総合3位につけた増田と首位アールとの差37秒は決して小さい差ではない。それがはたしてどのように作用するか?。
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ツアー・オブ・ジャパン第1ステージは、2019年以来3年ぶりの開催となる長野県飯田市でのステージ。これまでは「南信州ステージ」と呼ばれていたが、「信州飯田ステージ」と改められた。また、JR飯田駅前から周回コースまでパレード走行を行い、フィニッシュは周回コースから外れて1kmほどの場所にある飯田市松尾総合運動場前に設定されていたが、今回は周回コース内の下久堅小学校前にスタート・フィニッシュが設定された。
周回コースは従来と同じ1周12.2km。10周しての獲得標高は2580mにもなり、翌日の富士山ステージ2602mに迫るハードなレースだ。
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今回の大会は有観客開催とされ、検温を受けることを条件に現地での観戦が許された。あわせて、スタート前にチームプレゼンテーションが行われ、フォトセッションのみの簡単なプレゼンテーションではあるが、出場チーム全てが登壇した(全チームの写真はフォトギャラリーへ)。
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午前10時、初夏の青空の下スタートしたレースは、アタックが繰り返されたのち、2周目に5名の先頭集団が形成される。メンバーは、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)、山本元喜(キナンレーシングチーム)、渡邉歩(愛三工業レーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、レイモンド・クレダー(チーム右京)。メイン集団との差は30秒ほどまで開くものの、宇都宮ブリッツェンとマトリックスパワータグが主導するメイン集団により3周目には吸収される。
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5周目、新たに4名の先頭集団が形成される。メンバーは、織田聖(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)、山本元喜(キナンレーシングチーム)、石橋学(チーム右京)、西尾勇人(那須ブラーゼン)。メイン集団との差は1分近くまで開くものの、7周目にはメイン集団が吸収し、再び振り出しに戻される。
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宮崎と山本大喜が追走し、その後ルバと増田の追走に入れ替わるが、ダイボールとの差は縮まらない。一方で、遅れてルバと増田に合流したアールが2人を置き去りにしてダイボールを追い、フィニッシュ直前にダイボールを抜いてフィニッシュ。チーム右京がワン・ツーフィニッシュを決める幸先の良いスタートを切った。
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優勝したアールは、リーダージャージとポイント賞ジャージのふたつを獲得。「初日からとてもハードだったが勝てて嬉しい。今日はベンジャミンが勝つと思っていたが、最後の力を振り絞って僕が勝つことができた。ベンジャミンも僕もクライマーだから、明日の富士山はどちらが勝ってもおかしくないと思う。強いライバルが同じチーム内にいるのは悩みだが、嬉しい悩みでもある。どちらが勝っても同じチームとなるようにしたい」と、表彰式で語った。
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一方、増田と共に最終局面に残った宮崎が山岳賞と新人賞を獲得。「初出場で名誉ある賞を獲得出来たのは嬉しい。自分の判断ミスで増田さんに脚を使わせてしまった。ダイボール選手が下りで行った時、僕が追うべきだったけれど下りが苦手で離されてしまった。集団が「どうする?」って感じになってしまったのもあるけれど、僕が終わるつもりで追って増田さんがタイム差を詰めることが出来れば良かったと思う」と、反省点を挙げた。
明日は第2ステージの富士山。ツアー・オブ・ジャパンのクイーンステージであり、総合優勝争いが大きく動くステージだ。総合3位につけた増田と首位アールとの差37秒は決して小さい差ではない。それがはたしてどのように作用するか?。
ツアー・オブ・ジャパン2022 第1ステージ 信州飯田 結果(119.6km)
1位 | ネイサン・アール (チーム右京、オーストラリア) | 3時間4分25秒 |
2位 | ベンジャミン・ダイボール (チーム右京、オーストラリア) | +3秒 |
3位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン、日本) | +31秒 |
4位 | トマ・ルバ (キナンレーシングチーム、フランス) | |
5位 | 山本大喜(キナンレーシングチーム、日本) | +1分18秒 |
6位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ、スペイン) | |
7位 | 小石祐馬(チーム右京、日本) | |
8位 | 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン、日本) | |
9位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ、スペイン) | |
10位 | 小林 海(マトリックスパワータグ、日本) |
ポイント賞
1位 | ネイサン・アール (チーム右京、オーストラリア) | 25p |
2位 | ベンジャミン・ダイボール (チーム右京、オーストラリア) | 20p |
3位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン、日本) | 16p |
山岳賞
1位 | 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン、日本) | 7p |
2位 | 山本元喜(キナンレーシングチーム、日本) | 7p |
3位 | 安原大貴(マトリックスパワータグ、日本) | 7p |
チーム順位
1位 | チーム右京 | 9時間14分36秒 |
2位 | 宇都宮ブリッツェン | +2分36秒 |
3位 | キナンレーシングチーム | +2分41秒 |
text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, Kensaku SAKAI
関連ファイル
ツアー・オブ・ジャパン第1ステージ_リザルト.pdf
(709.73 KB)
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