2022/05/09(月) - 08:02
昨年ツールでの活躍は奇跡ではなかった。屈強なリードアウトを受けたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が300mを踏み抜き、ジロ3日目の集団スプリントで勝利を挙げた。
開幕2日間を過ごしたハンガリーの首都ブダペストを離れ、ジロ・デ・イタリア3日目は同国西部の街カポシュバールをスタート。バカンスの地としてハンガリー国民に愛されるバラトン湖畔を目指す201kmコースはほぼ100%フラットで、終盤に控える4級山岳も実のところスプリントポイントと呼べるもの。
マリアローザのマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を筆頭に、落車リベンジを誓うカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)といったスプリンターが鼻息荒くカポシュバールを出発。この日も0km地点を通過すると同時に、あっさりと3名の逃げが決まった。
集団から抜け出したのは、1日目にもコンビで逃げたマッティア・バイス&フィリッポ・タリアーニ(共にイタリア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)と、サムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ)の3名。イージーモードで進むメイン集団を尻目に6分差を付けたものの、アルペシン・フェニックスがコントロールを開始したことでリード積算は頭打ちとなった。
この日は初日に落車したヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が途中リタイアを選択し、ミケル・ランダ(スペイン)にとっては重要なアシスト選手を失う痛手に。約70km地点の中間スプリントポイントではタリアーニが先頭通過し、その2分後に差し掛かったメイン集団でもスプリンター勢が戦った末にフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がデマールを抑えて全体の4位通過を果たしている。
その後もメイン集団は先頭3名との差を2分台でコントロールした。バラトン湖畔区間に入ると先頭からタリアーニが脱落し、リーヴィはバイスを振り払おうとアタックを継続する。しかしそうした努力もむなしくメイン集団は28kmを残して2人をキャッチ。次なる逃げも考えられたものの、スプリンターチームと危険回避を狙う総合チームが争いながら高速牽引する中からアタックする選手は現れなかった。
唯一設定された山岳ポイントではパスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と繰り下がりでマリアアッズーラを着るリック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)の一騎打ちとなった。ツァベルは通過順位こそ2位に甘んじたものの、同率首位で山岳賞ポイントランキング首位に浮上し、正式にアッズーラを手中に納めた。
エーンクホーンはスプリントポイント通過後もアタックを継続したが、ひと塊りになって追撃するメイン集団を振り切るには至らず残り6kmで吸収。60km/hオーバーの主導権争いの末、残り1kmアーチをくぐるとクイックステップ・アルファヴィニルが先頭を奪った。
クイックステップトレインは一時的に埋もれかけたものの、残り500mからリードアウトの名手ミケル・モルコフ(デンマーク)が再び主導権を取り返し、UAEチームエミレーツやアルペシン・フェニックスをはねのける。すると残り300mという早いタイミングで、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が加速体制に入った。
「これまでファビオ(ヤコブセン)みたいにフルメンバーが与えられていなかったので、強い味方選手が揃うこのジロは本当に気持ちがいい」と言うカヴが、特有の低い体制でスプリント。ガビリアをフェンス際に抑え、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やヤコブ・マレツコ(イタリア、アルペシン・フェニックス)も前を塞がれて100%で踏み込めない。絶妙なラインさばきでゴール前を抑えた「マン島超特急」が両手を宙に突き上げた。
区間5勝を射止めた2013年大会から実に9年。久しぶりにジロ・デ・イタリアに出場した最年長スプリンターがライバルを打破。「最後は残り300mと遠い位置からのスプリントとなったものの、勝利に向けて踏み続けた。あれほどの風の中、よく最後までスピードが維持できたと自分でも良かったと思っている」と言うカヴェンディッシュが、キャリア通算勝利数を160にまで伸ばしてみせた。
なおVelonの公開データによれば、カヴェンディッシュのスプリント中(17秒)の平均スピードは72.1km/h(最高74.7km/h)。最大1280ワットでトップスピードまで持ち込み、平均1010ワットでリードを維持しきったという。
カヴェンディッシュはスプリントポイントを大量確保したものの、マリアチクラミーノは第1ステージ優勝、第2ステージ2位のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が保持(翌日以降は繰り下がりでギルマイが着用)。この日リードアウト役を担ったファンデルプールは危なげなくマリアローザを守ることに成功している。
ハンガリーでの歴史的な開幕を終え、ジロは移動日を挟んでイタリア、シチリア島へと凱旋する。5月10日(火)の第4ステージはエトナ山を登る今大会最初の山岳ステージであり、早くもクライマーやオールラウンダーによる激しい登坂バトルが期待されている。
開幕2日間を過ごしたハンガリーの首都ブダペストを離れ、ジロ・デ・イタリア3日目は同国西部の街カポシュバールをスタート。バカンスの地としてハンガリー国民に愛されるバラトン湖畔を目指す201kmコースはほぼ100%フラットで、終盤に控える4級山岳も実のところスプリントポイントと呼べるもの。
マリアローザのマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を筆頭に、落車リベンジを誓うカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)といったスプリンターが鼻息荒くカポシュバールを出発。この日も0km地点を通過すると同時に、あっさりと3名の逃げが決まった。
集団から抜け出したのは、1日目にもコンビで逃げたマッティア・バイス&フィリッポ・タリアーニ(共にイタリア、ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)と、サムエーレ・リーヴィ(エオーロ・コメタ)の3名。イージーモードで進むメイン集団を尻目に6分差を付けたものの、アルペシン・フェニックスがコントロールを開始したことでリード積算は頭打ちとなった。
この日は初日に落車したヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が途中リタイアを選択し、ミケル・ランダ(スペイン)にとっては重要なアシスト選手を失う痛手に。約70km地点の中間スプリントポイントではタリアーニが先頭通過し、その2分後に差し掛かったメイン集団でもスプリンター勢が戦った末にフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がデマールを抑えて全体の4位通過を果たしている。
その後もメイン集団は先頭3名との差を2分台でコントロールした。バラトン湖畔区間に入ると先頭からタリアーニが脱落し、リーヴィはバイスを振り払おうとアタックを継続する。しかしそうした努力もむなしくメイン集団は28kmを残して2人をキャッチ。次なる逃げも考えられたものの、スプリンターチームと危険回避を狙う総合チームが争いながら高速牽引する中からアタックする選手は現れなかった。
唯一設定された山岳ポイントではパスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と繰り下がりでマリアアッズーラを着るリック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)の一騎打ちとなった。ツァベルは通過順位こそ2位に甘んじたものの、同率首位で山岳賞ポイントランキング首位に浮上し、正式にアッズーラを手中に納めた。
エーンクホーンはスプリントポイント通過後もアタックを継続したが、ひと塊りになって追撃するメイン集団を振り切るには至らず残り6kmで吸収。60km/hオーバーの主導権争いの末、残り1kmアーチをくぐるとクイックステップ・アルファヴィニルが先頭を奪った。
クイックステップトレインは一時的に埋もれかけたものの、残り500mからリードアウトの名手ミケル・モルコフ(デンマーク)が再び主導権を取り返し、UAEチームエミレーツやアルペシン・フェニックスをはねのける。すると残り300mという早いタイミングで、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が加速体制に入った。
「これまでファビオ(ヤコブセン)みたいにフルメンバーが与えられていなかったので、強い味方選手が揃うこのジロは本当に気持ちがいい」と言うカヴが、特有の低い体制でスプリント。ガビリアをフェンス際に抑え、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やヤコブ・マレツコ(イタリア、アルペシン・フェニックス)も前を塞がれて100%で踏み込めない。絶妙なラインさばきでゴール前を抑えた「マン島超特急」が両手を宙に突き上げた。
区間5勝を射止めた2013年大会から実に9年。久しぶりにジロ・デ・イタリアに出場した最年長スプリンターがライバルを打破。「最後は残り300mと遠い位置からのスプリントとなったものの、勝利に向けて踏み続けた。あれほどの風の中、よく最後までスピードが維持できたと自分でも良かったと思っている」と言うカヴェンディッシュが、キャリア通算勝利数を160にまで伸ばしてみせた。
なおVelonの公開データによれば、カヴェンディッシュのスプリント中(17秒)の平均スピードは72.1km/h(最高74.7km/h)。最大1280ワットでトップスピードまで持ち込み、平均1010ワットでリードを維持しきったという。
カヴェンディッシュはスプリントポイントを大量確保したものの、マリアチクラミーノは第1ステージ優勝、第2ステージ2位のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が保持(翌日以降は繰り下がりでギルマイが着用)。この日リードアウト役を担ったファンデルプールは危なげなくマリアローザを守ることに成功している。
ハンガリーでの歴史的な開幕を終え、ジロは移動日を挟んでイタリア、シチリア島へと凱旋する。5月10日(火)の第4ステージはエトナ山を登る今大会最初の山岳ステージであり、早くもクライマーやオールラウンダーによる激しい登坂バトルが期待されている。
ジロ・デ・イタリア2022第3ステージ結果
1位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 4:56:39 |
2位 | アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) | |
3位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
5位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、アルペシン・フェニックス) | |
6位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
7位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、コフィディス) | |
8位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | |
9位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM) | |
10位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
11位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 9:43:50 |
2位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | +0:11 |
3位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:16 |
4位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | +0:24 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ベン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | +0:28 |
8位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:29 |
10位 | マウロ・シュミット(スイス、クイックステップ・アルファヴィニル) |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 62pts |
2位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 55pts |
3位 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 53pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | リック・ツァベル(ドイツ、イスラエル・プレミアテック) | 5pts |
2位 | パスカル・エーンコーン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 5pts |
3位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 3pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 9:44:14 |
2位 | ベン・トゥレット(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | +0:04 |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィスマ | 29:12:45 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +0:11 |
3位 | バイクエクスチェンジ・ジェイコ | +0:16 |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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